軽量コンパクトなボディに粘り強い空冷シングルユニットを組み合わせ、オフロードで自由自在に遊べる本格トレールとして登場したカワサキ・KLX230。今回試乗した「S」はシート高を低く抑え、街乗りなど日常使いもしやすい仕様となっている。
文:宮崎敬一郎、オートバイ編集部/写真:赤松 孝

カワサキ「KLX230 S」インプレ(宮崎敬一郎)

画像: Kawasaki KLX230 S 2025年モデル 総排気量:232cc エンジン形式:空冷4ストSOHC2バルブ単気筒 シート高:845mm 車両重量:133kg 発売日:2024年11月27日 税込価格:59万4000円

Kawasaki
KLX230 S
2025年モデル

総排気量:232cc
エンジン形式:空冷4ストSOHC2バルブ単気筒
シート高:845mm
車両重量:133kg

発売日:2024年11月27日
税込価格:59万4000円

軽くて取り回しが良く気楽にオフを楽しめる

KLX230Sは、KLX230シェルパの兄弟モデル。シェルパが非日常の世界へ駆ける歓びを提供するバイクだとしたら、こちらは扱いやすさを魅力の核とした、スポーティな出で立ちのデュアルパーパスになる。

KLX230Sにはブレース補強バーの入った、少し大きく高いハンドルが付いている。このお陰でほんの少しシェルパより立ち姿勢でハンドルを押さえやすくなっている。エンジンパワーを始め、走破性、安定性などの基本的な走行性能は同じだ。

画像1: カワサキ「KLX230 S」インプレ(宮崎敬一郎)

KLX230には「S」の付かないモデルもあり、これはさらにハードな酷路踏破能力、耐外乱性能のために車高を上げたバージョンとなる。つまり、今回試乗した「S」は走破能力特化型のKLX230に対し、扱いやすさと取り回しを重視して車高を低くしたモデルなのだ。

ただ、そんなSともども、このシリーズは今回のモデルチェンジで、先代の2020年型KLX230Sに対して、前後サスともにトラベル量を増やしている。フロントで42mm強増えた200mm。リアで55mm増の223mm。それだけの衝撃吸収ポテンシャルを物理的に増大させたのだ。

しかも味付けが違い、旧型の230Sに比べるとずっとナチュラルで、格段に強力な踏破力を手に入れている。その上で、スタンダード対して40mm近くシート高が低く、取り回しやすさも兼ね備えているのだ。

また、新型のKLXファミリーはフロントまわりのジオメトリーが変わっており、キャスターを立て、大きくトレール量を減らしている。オフロード志向の強い、ブロックの背が高めのタイヤを採用しているせいもあるが、高速道路ではフロントが落ち着いていても微妙にゆらゆらしながら走る。ただ、これは不安定というのではなく、オフタイヤを履いたバイクにはよくあることだ。

それがひとたびダートに入ると、回頭性の素早さと並みのフルサイズ250オフには無い軽快さを発揮する。ステアケースや人の頭くらいのサイズのゴロ石に前輪をぶつけた時などに弾かれる反力もけっこう少なめ。ちょっとハンドルを抑え込むだけで収束してくれるし、何より、ゴロ石だらけの路面を走っていても気楽なのがいい。

画像2: カワサキ「KLX230 S」インプレ(宮崎敬一郎)

サスのソフトさ、そしてこのセッティングはトレッキングにおけるポテンシャルを大きく高めてくれている。ちょっと大袈裟に言うと、トライアル車のような抑えやすさでガレキ道をトコトコ走れてしまうのだ。

このKLX230S、“ちょっと取り回しやすいKLX230”として見るのではなく、スポーティな出で立ちをしたシェルパだと思った方が間違いない。シェルパより少し軽いのと乗車姿勢の違いなどから、走っても軽快なのが魅力。もしシェルパと悩むなら、オフ車然としたルックスが好きかどうかで決めていいと思う。

Kawasaki
KLX230

画像: KLX230Sよりシート高が40mm高いKLX230。「S」と異なる点は全長(2090mm)、ホイールベース(1370mm)、最低地上高(240mm)、キャスター角(25.2°)、トレール量(101mm)など。その他のスペック、価格は同じ。

KLX230Sよりシート高が40mm高いKLX230。「S」と異なる点は全長(2090mm)、ホイールベース(1370mm)、最低地上高(240mm)、キャスター角(25.2°)、トレール量(101mm)など。その他のスペック、価格は同じ。

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