「バイクには普通に乗れるけど、なんかぎこちない……」「すぐに腕や首が痛くなる」なんて方は、乗車姿勢に無理があるのかも。この記事では、バイクビギナーの方へ向け、「自然なライディングフォーム」についてお伝えしていきます。

バイクに“かっこよく”乗りたいなら「乗車姿勢」を見直そう!

画像: バイクに“かっこよく”乗りたいなら「乗車姿勢」を見直そう!

教習所を卒業して日が経つと、どうしても自然な乗車姿勢を忘れがち。バイクに乗る時は、身体のどこに気をつけて乗車したら良いか、人から教えてもらわないと変なクセがついちゃうかもしれません。

もし、バイクに乗っていて、「首や腕が痛くなる」「距離を走るとすぐに疲れる」「カーブがスムーズに曲がれない」という経験がある方は、ライディングポジションを見直してみるのもいいでしょう。

乗車姿勢が悪いとナニがダメ?

画像: 疲れにくく、かっこいいバイクの乗車姿勢とは? 気を付けるべきポイントは身体の7カ所! 自然なライディングフォームのつくり方を紹介【初心者向けバイク講座】

バイクの乗車姿勢が悪い=「見た目がかっこ悪い」というのは充分問題ですが、そのほかにも、余計なところに力が入って疲れやすくなる操作が不便危機回避のスピードが遅れる、といった、悪影響がたくさんあります。

快適かつ安全にバイクに乗るためには運転技術を磨くことも大切ですが、その前に、乗車姿勢を整えておく必要があるのです。

目線・上半身・下半身のライポジをチェック!

画像: 目線・上半身・下半身のライポジをチェック!

ここからは、自然な乗車姿勢で乗るためのポイントを部分別に紹介。視線と肩・ひじ・手を含む上半身、腰・ひざ・足を含む下半身を順にチェックしていきます。

今回はカワサキのスポーツネイキッド「Z900RS」に乗車して説明しますが、前傾姿勢になるフルカウルスポーツでも、ゆったり乗れるクルーザーモデルでも、基本の乗車姿勢は同じです。

ご自身のバイクと照らし合わせて確認してみてくださいね!


▶視線

画像: ▶視線

バイクに乗る時の視線は遠く、広い視野を心がけましょう。

乗り慣れていないライダーにありがちなのが、スピードメーターや前方の車を注視してしまうこと。カーブなどで、すぐ目の前の路面やセンターラインを見てしまうのもよくありません。

バイクは「目線を向けた方向に進んでいく」乗り物です。まっすぐ進むときは、周囲の状況をしっかり把握するために下や上を向きすぎない、カーブでは、曲がる道の先に首を向け、先の状況を把握して走行しましょう。

また、真っ直ぐ向くとヘルメットが邪魔になる、真っ直ぐ向いているのに顎が上がって見える、という場合は、ヘルメットの被り方を見直す必要があるかもしれません。


▶上半身(肩・ひじ・手)

画像: ▶上半身(肩・ひじ・手)

細かなポイントはいくつかありますが、バイクに乗る時の上半身でもっとも大切なことは力を抜くということです。

肩に力が入ると、筋肉の緊張により疲れやすくなるうえ、ひじにも力が入りやすくなります。ひじに力が入ると、スムーズなハンドル操作がしにくくなるほか、カーブなどで自然に切れるハンドルの動きを妨げ、カーブを曲がれないという危険があります。

ですから、肩とひじは両方セットでリラックス。ハンドルを握る前に、いったん肩が首に近づくように力を入れて、フッと降ろす、腕をぶらぶらさせる、など、ちょこっと体操をしてみると効果的かもしれません。

画像: 肩を降ろして、ひじは緩やかに曲がる程度でハンドルを持ちます。ひじが伸びきってしまう場合は座る位置が後ろすぎる場合があるので調整しましょう。

肩を降ろして、ひじは緩やかに曲がる程度でハンドルを持ちます。ひじが伸びきってしまう場合は座る位置が後ろすぎる場合があるので調整しましょう。

手の位置ですが、手首の角度がなるべく真っ直ぐになるポジションでグリップを握ります。手首に角度がついているとうまく力が伝わらないため、レバー操作時に必要な力が増え、ツーリング時の疲労に繋がります。

肩、ひじの姿勢を整えた上で、手の位置をチェックしてみましょう。

画像: 手首がライダー側に折れているとスロットルを開けにくいうえ、ブレーキレバーにも指が届きづらくなります。逆にグリップに被さるように握っていると、開けたスロットルを戻しにくく、細やかな操作ができないので危険です。

手首がライダー側に折れているとスロットルを開けにくいうえ、ブレーキレバーにも指が届きづらくなります。逆にグリップに被さるように握っていると、開けたスロットルを戻しにくく、細やかな操作ができないので危険です。


▶下半身(腰・ひざ・足)

画像1: ▶下半身(腰・ひざ・足)

先に紹介した「手の位置」に大きく関わるのが腰を据える位置です。

シートの真ん中に座るのは変わりありませんが、タンク近くか、少しリアに近い側に座るのかはライダーの体格によって変わります。位置の指標としては「ひじが伸びきらず、ゆとりができる位置」がその人に適当な着座位置です。

適当なポジションに腰を降ろしたら、腰(仙骨)を立て(尾てい骨をまっすぐシート押し付けるイメージ)、上半身の力を抜いてハンドルに手を置くと、ラクな姿勢でバイクに乗ることができます。

画像2: ▶下半身(腰・ひざ・足)

続いて、足です。両膝でタンクを挟み込む=「ニーグリップ」が大切。 というのは、バイクに乗っている方であればご存じの方も多いハズ。「ニーグリップ」をきちんとすると、身体とバイクを安定させ、長時間のライディングでも上半身の負担が少なく快適に運転できます。

ただし、大切なのは膝だけではありません。どちらかというと、足の内側全体が車体に密着していることが大切で、これを極めると“ハンドルを握らず下半身の力だけでスラロームができる”ほど、車体のコントロールに深く関係するポイントです。

“ノーハンド・スラローム”までは難しいかもしれませんが、ツーリングで快適かつスムーズに走行するためには「ニーグリップ」を心がけるといいでしょう。

ですから、普段から膝が開きがちな人は、慣れるまで、内ももが疲れるくらいしっかりホールド。土踏まずをステップに載せ、つま先を内側に向けて置くと、かちっとした「ニーグリップ」ができます。

画像: 写真は「ニーグリップ」ができていない例。シートの前方に座りすぎても、足全体でバイクをホールドしにくいので、「ひじの伸び具合」との兼ね合いも考えつつシートに座る位置を考えましょう。

写真は「ニーグリップ」ができていない例。シートの前方に座りすぎても、足全体でバイクをホールドしにくいので、「ひじの伸び具合」との兼ね合いも考えつつシートに座る位置を考えましょう。

画像: 土踏まずをステップに、つま先をペダルに載せます。内くるぶしをステッププレートにくっつけるイメージで足を置くとつま先が内側に向き、自然に「ニーグリップ」ができる姿勢となります。

土踏まずをステップに、つま先をペダルに載せます。内くるぶしをステッププレートにくっつけるイメージで足を置くとつま先が内側に向き、自然に「ニーグリップ」ができる姿勢となります。

画像: つま先が外側に向いていると「ニーグリップ」がしにくくなります。また、ペダルの下につま先を降ろすと、緊急でペダル操作が必要なときに素早く対応できないほか、カーブで車体を倒した際につま先が地面に持って行かれる可能性があります。危険ですから必ずペダルの上に載せましょう。

つま先が外側に向いていると「ニーグリップ」がしにくくなります。また、ペダルの下につま先を降ろすと、緊急でペダル操作が必要なときに素早く対応できないほか、カーブで車体を倒した際につま先が地面に持って行かれる可能性があります。危険ですから必ずペダルの上に載せましょう。

まとめ

画像: 視線・肩・ヒジ・手・腰・膝・足の7カ所がポイント!

視線・肩・ヒジ・手・腰・膝・足の7カ所がポイント!

▶視線:遠くを見る
軽く顎を引いて、広い視野を持って先の道路状況を見ましょう。
→前を走る車やメーターに気を取られると事故に繋がり危険です。

▶上半身:リラックス
肩とヒジの力を抜いて、軽くハンドルを握ります。ヒジは軽く曲がっている状態で、手首に角度が付かないようなポジションを意識しましょう。
→疲労を軽減し、スムーズなハンドル操作ができるほか、自然にカーブを曲がることができます。

▶下半身:バイクをしっかりホールド
「ハンドルを握ったときにヒジにゆとりができる位置」に座り、膝とつま先を内側に向けて、足の内側全体でバイクをホールドします。土踏まずをステップに、つま先はペダルの上に載せておきましょう。
→長時間のライディングでも疲れにくく、スムーズに運転することができます。つま先をペダルに載せておくことで、咄嗟のペダル操作に素早く対応できるほか、カーブで車体を倒した際に地面と接触するのを防ぎます。

まとめ:石神邦比古

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