スズキ「RG250Γ」特徴

SUZUKI
RG250Γ
1983年~1987年
総排気量:247cc
エンジン形式:水冷2スト ピストンバルブ・リードバルブ併用 並列2気筒
シート高:785mm
乾燥重量:131kg
レーサーそのものの造りと走りが若者を魅了
1980年代初頭から勃発したホンダとヤマハによる熾烈な販売競争、いわゆる「HY戦争」はバイク界にも多大な影響を与え、当時スズキはその巻き添えを食う形で経営が厳しくなっていた。そこで、これまでの多機種大量生産路線とは一線を画した少数精鋭路線とする方針を掲げ、起死回生の一打として2ストレーサーレプリカのRG250Γを開発する。
Γ(ガンマ)は世界GPのチャンピオンマシンの名前が由来で、ギリシャ語のゲライロ(=栄光)の頭文字。これを冠したあたりにもスズキの強い想いが現れているのが分かる。

ガンマはすべてが革新的で、量産車初のオールアルミ製ダブルクレードルフレーム、AL-BOXを採用。エンジンも新設計でクラストップの45PSを発揮し、ミッションはレーサー同様のカセット式一体型とするなど、造りはレーシングマシンそのものだった。
価格はライバル車より飛び抜けて高価な46万円だったが、発売してみればメーカーの想定を上回る大ヒット。以降、本格的なレプリカブームが到来することになる。
スズキ「RG250Γ」注目ポイント

「AL-BOX」と呼ばれた市販車初のアルミフレーム。前例がなかったため、材料の手配から加工、表面仕上げなど、生産は苦労の連続だった。

レーシーな独立式メーター。中央のタコメーターは3000rpmから始まるスケールで、このバイクのキャラクターを象徴している。

ボアストロークは空冷のRG250と同じだが、最高出力は当時の自主規制上限の45馬力。ライバルを置き去りにするパワーだった。

テールランプとウインカーをテールカウルにビルトインしてレーシーさを演出。シングルシートカバーはオプションだった。
スズキ「RG250Γ」主なスペック・発売当時価格
全長×全幅×全高 | 2050×685×1195mm |
ホイールベース | 1385mm |
最低地上高 | 155mm |
シート高 | 785mm |
乾燥重量 | 131kg |
エンジン形式 | 水冷2ストローク ピストンバルブ・リードバルブ併用 並列2気筒 |
総排気量 | 247cc |
ボア×ストローク | 54×54mm |
圧縮比 | 7.5 |
最高出力 | 45PS/8500rpm |
最大トルク | 3.8kgm/8000rpm |
燃料供給方式 | キャブレター(VM28SS) |
燃料タンク容量 | 17L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 28°45' |
トレール | 102mm |
ブレーキ形式(前・後) | ダブルディスク・シングルディスク |
タイヤサイズ(前・後) | 100/90-16 54S・100/90-18 56S |
発売当時価格(1983年) | 46万円 |
まとめ:オートバイ編集部