3年ぶりに復活したKLX230SMはスポーティなモタードルックにまとめられた精悍なスタイルが特徴
だ。軽量コンパクトな車体と力強い空冷ユニットの組み合わせで、非常に楽しい乗り味に仕上がっている。
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:赤松 孝

カワサキ「KLX230SM」インプレ(太田安治)

画像: Kawasaki KLX230SM 2025年モデル 総排気量:232cc エンジン形式:空冷4ストSOHC2バルブ単気筒 シート高:840mm 車両重量:137kg 発売日:2025年1月13日 税込価格:61万6000円

Kawasaki
KLX230SM
2025年モデル

総排気量:232cc
エンジン形式:空冷4ストSOHC2バルブ単気筒
シート高:840mm
車両重量:137kg

発売日:2025年1月13日
税込価格:61万6000円

想像以上に扱いやすく、走りも元気なのが魅力

カワサキ初のスーパーモタードが、1998年にオフロード車KLX250をベースに誕生したDトラッカー。2008年のフルモデルチェンジでDトラッカーXとなり、2016年に販売を終了。2022年にはKLX230ベースのKLX230SMが登場したものの、排出ガス規制の関係で短命に終わった。今回試乗した新型のSMは同じ車名でも新型KLX230とエンジン/フレームを共有する完全なニューモデルだ。

オフロードモデルの車体に前後17インチのロードタイヤを装着したルックスからは、どこか硬派なイメージが漂う。しかし新型のSMはスキルのあるライダーが振り回すように扱う「モタード乗り」が前提ではなく、エントリーユーザーでも気楽に扱えるストリートコミューター的な性格が特徴だ。

跨がった瞬間に気づくのが足つき性の良さ。リアのホイールトラベルは前モデルの168mmから223mmへと伸びているが、スプリングレートやサスペンションリンクのレバー比の設定によって跨がると想像以上に大きく沈み、シート幅の狭さと併せて840mmというカタログ値より30mm以上も低く感じる。

逆にフロントフォークのホイールトラベル量は204mmから188mmに短縮されている。それでもロードスポーツ(W230は117mm)と比べれば圧倒的に大きいから、公道での衝撃吸収性は文句なし。前後ともダンパーがしっかりと効いていてフワ付いた動きがなく、急な加減速での車体の姿勢変化が少ないことも扱いやすさに貢献している。

画像1: カワサキ「KLX230SM」インプレ(太田安治)

ハンドリングは137kgという車重から想像するより落ち着いたもの。極低速域ではフロントまわりがやや重ったるいが、これが常用速度域ではしっとり感に変わり、フラつきの少ない上質な乗り味を提供してくれる。

エンジンのカタログ数値は前モデルより1馬力小さいが、実際に乗ると2馬力ぐらい増えたような感触。発進加速が力強いうえ、どのギアでもトップエンドまでストレスなく吹け上がる痛快な特性で、W230/メグロS1と基本的に同じエンジンとは思えない。

W系で気になった2500回転以下でエンジンブレーキが急激に弱まる不自然さも感じなかった。ただし高速道路ではエンジン回転が高めで気ぜわしく、ストレスなく走れる速度レンジは100km/h以下になる。

画像2: カワサキ「KLX230SM」インプレ(太田安治)

W230/メグロS1やKLX230シェルパとの上手な作り分けは見事だが、ギアポジションインジケーターは装備して欲しかったし、積極的にモタード走りを楽しみたい人のためにリアのABSキャンセルスイッチも欲しいというのが正直なところ。

ともあれ、本格的なモタードルックから想像する以上に扱いやすいし、ハツラツとした走行フィールとの好バランスがKLX230SM最大の魅力。ストリートライディングであっても退屈なのは嫌だ、というライダーにぜひ乗って欲しい。

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