世界GPを成立させるために雇われた? インドネシアから来た男(1964年・日本GP)<歴史発掘コラム Episode 1>
クラシカルな出で立ちのライダー、その正体は…
お椀型のヘルメットに二眼式のゴーグル、黒い革ツナギというクラシカルな出で立ちでフルカウルのレーサーを押している外国人ライダーのモノクロ写真。モノクロというだけでなく、後ろに並んでいる自動車から見ても相当古い写真だ。それもそのはず、今から55年前の1964年11月1日、鈴鹿サーキットで開催されたロードレース世界GP第12戦・日本GPでのひとコマ。
前年に続いて鈴鹿で2回目となる世界GP開催で、トップの写真のように多くの観客が詰めかける注目度の高いレースだった。125ccクラスはスズキのエルンスト・デグナーが水冷のニューマシンで前年の負傷から復活...