ZX‐4からわずか1年後に登場した後継モデル

カワサキは1988年に初の4スト400㏄レーサーレプリカとしてZX‐4を投入するものの、急激に進歩を続ける同クラスのライバルたちの動向に合わせて、翌1989年には僅か1年あまりでZX‐4をフルモデルチェンジすることを選択し、後継モデルのZXR400をデビューさせた。

ZXR400の開発は、ライバルたちがそうであったように、全日本ロードレースにカワサキワークスが送り込んでいたTT‐F3レーサー・ZXR‐4を基礎として進められた。

画像: ZX‐4からわずか1年後に登場した後継モデル

アルミ製のツインスパーフレームこそ、ZX‐4から基本的なレイアウトを受け継いでいたが、一体式だったシートレールを分割可能に変更するなどの改良が施され、さらにフロントフォークは当時まだ珍しかった倒立タイプを採用。スイングアームは新作、リアサスもアルミ製で別体リザーバータンク付の細かなセッティングが可能なもの、ホイールも前後17インチ化されるなど、足まわりは最新スペックとなった。

画像: スタンダードモデルの他、クロスミッションやFRP製シートカウルを備えたSPレース向けのベースモデル・ZXR400Rもラインアップされていた。SP仕様の車重はスタンダードの3㎏減となっている。

スタンダードモデルの他、クロスミッションやFRP製シートカウルを備えたSPレース向けのベースモデル・ZXR400Rもラインアップされていた。SP仕様の車重はスタンダードの3㎏減となっている。

エンジンもZX‐4ベースだが圧縮比アップ、搭載角度変更に加え、ヘッドに冷気を送るレーサー譲りのK‐CASも採用。そして何より多くのライダーを惹きつけたのは、ZX‐4ではおとなしめだったスタイルがよりレーサー的なデザインに変貌したこと。ZXRの誕生で、カワサキもライバルたちに肩を並べることができるようになったといえる。

DETAIL

画像: アルミ製のツインスパーフレームは、左右のメインスパーに縦120×横30㎜の日の字断面押し出し材を使用している。スイングアームピポットやヘッドパイプ付近は鋳造の部材だ。

アルミ製のツインスパーフレームは、左右のメインスパーに縦120×横30㎜の日の字断面押し出し材を使用している。スイングアームピポットやヘッドパイプ付近は鋳造の部材だ。

画像: コンパクトでパワフルなことで高く評価されていたZX-4用エンジンをリファイン。最高出力は変わっていないが、最大トルクは発生回転数を変えずに僅かに太らせている。

コンパクトでパワフルなことで高く評価されていたZX-4用エンジンをリファイン。最高出力は変わっていないが、最大トルクは発生回転数を変えずに僅かに太らせている。

画像: ダブルディスクのフロントブレーキはΦ300㎜ローターはZX-4と同じサイズだが、トキコ製の4ポッドキャリパーが片押しから対向タイプに変更することで制動力を向上した。

ダブルディスクのフロントブレーキはΦ300㎜ローターはZX-4と同じサイズだが、トキコ製の4ポッドキャリパーが片押しから対向タイプに変更することで制動力を向上した。

画像: スイングアームはZXR用に新たに設計されたもの。リアブレーキのローター径はΦ240㎜で、対向2ポットキャリパーはフローティングマウントされている。

スイングアームはZXR用に新たに設計されたもの。リアブレーキのローター径はΦ240㎜で、対向2ポットキャリパーはフローティングマウントされている。

画像: スポーティで機能的な3連アナログメーター。中央に置かれたタコメーターは1万7000rpmスケールで、レッドゾーンは1万4000rpmからとなっている。

スポーティで機能的な3連アナログメーター。中央に置かれたタコメーターは1万7000rpmスケールで、レッドゾーンは1万4000rpmからとなっている。

SPECIFICATIONS
エンジン型式 水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量 398㏄
内径╳行程 57.0╳39.0㎜
圧縮比 11.5
最高出力 59PS/12000rpm
最大トルク 4.0㎏-m/10000rpm
燃料供給方式 キャブレター[CUK32]
変速機型式 常時噛み合い式6速リターン
全長 2035㎜
全幅 705㎜
全高 1125㎜
軸間距離 1395㎜
車両重量 188㎏
キャスター/トレール 24°/85㎜
燃料タンク容量 16L
タイヤサイズ(前) 120/60R17
タイヤサイズ(後) 160/60R17
当時価格 73万9000円

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