常用域での扱いやすさ向上、選んで間違いのない製品!
アールズ・ギアの製品は総じて開発期間が長い。特にフルエキゾーストのワイバンシリーズは開発開始から製品化まで短くても半年以上。CB1100用4本出しのように1年以上を費やすものもある。理由は社長の樋渡氏が徹底的に走り込み、車種ごとのキャラクターにマッチした特性に作り込むため。ベンチテストも繰り返されるが、「ベンチで判るのは全開での特性。公道を走るときのフィーリングとは違うので、実走テストの繰り返しは不可欠」だと語る。Z900RS用に関しては珍しく早いタイミングで登場したが、これは昨年から集中して先行開発していたからだ。
Z900RSは低中回転域での力強い特性が持ち味だが、1~2速で3000回転弱あたりからスロットルを開くと想定以上に鋭く加速して慌てることがある。しかしワイバン装着車ではこの唐突さが消えてスロットルのオン/オフを多用する市街地で格段に扱いやすくなっているうえ、クルージングで使う4000回転台の力強さもアップしていた。
Zのキャラクターに合ったパワー特性に加えて軽量化にも貢献するし、うっとりするような美しい仕上がりもワイバンマフラー共通の魅力。選んで間違い無しの製品だ。
写真/南 孝幸