ライバルを脅かす性能と独自性が魅力! KTM 1290 SUPER ADVENTURE S
衝撃的だったのはワインディングでの走りだった。1300ccのアドベンチャーモデルとは思えない軽いフットワーク。ライディングモードをスポーツにして、電子制御サスのダンピングをストリートにしての減速、コーナーリング、切り返しの動きは、まるで一級のスポーツバイクを操っているような気にさえなった。言い過ぎではない。この大きさを感じさせない俊敏さ。フロント19インチホイールを忘れる旋回性。並のロードスポーツなら確実に相手ができる。エンジンは文句なしに力強く、トラクション性に優れていてスロットルを開けやすい。怒涛の力を無理なく使える。

エンジン:水冷4ストDOHC4バルブ75°V型2気筒
最高出力:160PS / 8500rpm
最大トルク:14.28kg-m / 7000rpm
総排気量:1300cc
ボア×ストローク:108×71mm
圧縮比:13.1
全長×全高×全幅:NA×NA×NA
シート高:860/875mm
軸間距離:1555mm
車両重量:244kg
タイヤ前•後:120/70-19•170/60-17
燃料タンク容量:23ℓ
価格:199万9000円
それでいて、ダートで、出力特性とダンピングをオフロードモードにすると、エンジンは発進から5千回転くらいまでのスケールが広がる。スロットルオン、オフのレスポンスに良い意味での緩慢さが出て、滑りやすい路面でも躊躇なく操作できる。もっと積極的に土の上で遊べる腕があるならば、ABSをオフロード、もしくはオフ、トラコンのMTCをオフにするともっと遊べる。サスペンションも奥行きが出て林道くらい朝飯前だ。

KTM ADVENTUREモデルのフラッグシップ。デュアルパーパス能力、高速巡航性と快適性。豊富な装備と、ターゲットは間違いなくBMW R1200GS。KTMらしいスポーツ性が個性を光らす。
高速道路では、ダンピングをコンフォートに変更。ピッチングモーションが抑えられたフラットで滑るように快適な走りが手に入る。ウインドシールドもしっかり効いて、クルーズコントロールで楽ちん巡航できる。デュアルパーパス、高速ツアラー、本格ロードスポーツの3台を、これ1台で楽しめる。それも、ほどほどでバランスさせた中庸ではなく、どのシーンでもトップクラスである。
文/濱矢文夫

シート高は860mm、875mmと2つの位置が選べる。その低い方に身長170cmで平均より短い股下の人が乗った足つき。片足ステップだと余裕の接地で気にならず。

2分割された個性的な顔立ちのLEDヘッドライト。ウインドシールドはダイヤル式で高さを細かく変更できる。ハンドルバーは2つのクランプ位置があり水平に10mm移動が可能。

メーターはカラーの6.5インチTFTディスプレイ。周りが暗くなると自動でバックが黒くなり明るさを調整。始動はキーレスエントリーで、ハンドルロックは右手側のイグニッションオン・オフスイッチを長押しでできる。

「The Beast」とKTMが呼ぶ1290 SUPER DUKE Rの水冷1300ccVツインエンジンがベース。

セパレートシートは段差がお尻のストッパーになり、加速や巡航時に自然と支えてくれる。
ビッグオフと言えるズバ抜けた走破力 KTM 1090 ADVENTURE R
このセグメントのオン/オフ比率は、排気量の拡大に伴って年々オンロード志向が強くなっていく傾向だが、1090アドベンチャーRのオフロード性能を知ると、ビッグオフと呼べるモデルがまだまだ健在であることに安堵し嬉しい。さすがはダートを知り尽くしたKTM、オフロード好きも納得のいく高い走破性をグラベルで感じさせてくれた。

エンジン:水冷4ストDOHC4バルブ75°V型2気筒
最高出力:125PS / 8500rpm
最大トルク:11.11kg-m / 6500rpm
総排気量:1049cc
ボア×ストローク:103×63mm
圧縮比:13.0
全長×全高×全幅:NA×NA×NA
シート高:890mm
軸間距離:1580±15mm
車両重量:239kg
タイヤ前•後:90/90-21•150/70-18
燃料タンク容量:23ℓ
価格:172万9000円
その車体の大きさに不慣れなまま、土質やその先がどうなっているのか分からないダートのオープンエリアにも不安なく踏み込んで行くことができ、トラクションコントロールを解除してしまえば、リヤを流すような走りも難しくはない。試乗した場所はシルキーなサンドが雨で程良く締まって、ブロックタイヤで走るにはイージーと思えたが、ときおり地面に硬くスリッピーな岩盤が姿を現し、穏やかにスライドしていた後輪が唐突に、さらに勢いよく滑るということを繰り返す、厄介なエリアでもあった。

しかし岩肌に乗ってスライドの挙動が急変しても、慌てずに立て直すことができるのは、トラクションのかかり具合が把握しやすいからで、それはストロークに余裕を感じる動きのいい前後サスペンション、そして異変に気付きやすいダイレクトで軽快なハンドリングのおかげ。もちろん、ライディングモードをトラコンも介入する「オフロード」に設定すれば乗り手の技量を問わず安心してダートを走れるだろう。乗るとこのように、ダートでの話ばかりに花が咲いてしまうのだ! 文/青木タカオ

シート高は890mmと高いが、身長175cmのライダーだと両足を出してもツマ先が地面に届く。幅広でアップライトなハンドルは長距離も疲労度の少ないライポジを生む。

上下2灯式のハロゲンバルブに、LEDのポジションランプを組み合わせるヘッドライト。

左の四角い画面にライディングモードなどを表示するVDO製のコンビネーションメーター。

トレリスフレームと同色のクラッシュバーに守られたLC8エンジンは125PSを発揮。1090を名乗るが、75度Vツインはボア103mm×ストローク63mmで排気量は1049ccとしている。

スイングアームのエンド部に後輪を外したときにドライブチェーンを引っかけておくホルダーを装備
するほか、チェーンカバーもホイールの脱着がしやすい形状になっている。
