ローダウン化にはネガな要素がつきまとう果たして、ラリーの足まわりの仕上がりは…??

意外に思われるかもしれませんが、若い頃はホンダCB250RSとか、単気筒車を多く乗っていたんです。オフロードではフロント23インチ・リア2本サスのXL250Sに17歳のころ乗っていました。オフは本格的に林道へ行くという感じではなく、たまに河原に行って遊ぶくらいでした。むしろXLでは峠に走りに行くことが多かったですね。結構あの手のバイクって峠で速いんですよ。ブレーキは前後ドラムで舗装路での効きはいまいちでしたが、ステップを擦るくらいバイクが寝ますからね。

今回乗るCRF250ラリーはTypeLDというローダウン仕様ですが、そのシート高の数値はCRF250LのTypeLDと同じ830ミリ。スタンダードのLは875ミリ、一方スタンダードのラリーは895ミリとシリーズで一番シート高が高い。だからラリーのスタンダードに比べると、TypeLDは60ミリもシート高が低いんです! ただ正直な感想を言いますと、スタイリングに関しては背の高いスタンダードのほうがTypeLDよりもカッコイイですね。前から見たときは比較的気になりませんが、後ろから見たときラリーのTypeLDは、スポーティさに欠けるように思えてしまいました。

試乗はまず高速道路から始めたのですが、CRF250ラリーTypeLDは何と言ってもエンジンが良いですね。普段、奥さんが所有しているホンダFTR223を借りて乗ることがあるんですけど、223の単気筒エンジンに比べるとCRFのエンジンはダントツに良いです。パワーもあって、それでいて振動も少ない。初期のCRF系のエンジンのベースになった初期のCBR250Rには、ロードレースに出たりかなり乗っているんですけど、その頃に比べると今のホンダの単気筒250はかなり良くなっていますよね。これはこの連載でレブル250を取り上げたときにも感じたことですが、CRF系についても同様のことを感じました。

画像: ローダウン化にはネガな要素がつきまとう果たして、ラリーの足まわりの仕上がりは…??

ラリーというコンセプトを考えると、CBR250RRに使っている並列2気筒を搭載しても面白いかも……と思ったりもしてしまいました。でも、2気筒にするとABS仕様で70万円越えしているのだから、ますます高額になってしまいアフリカツインあたりの価格帯に近くなってしまうので、それは難しいでしょうね。でも、CRFラリーは単気筒であることに不満を感じるというわけではなく、むしろ最高に良いです。単気筒とは思えないくらい、滑らかに回るフィーリングですね。

ウィンドスクリーンのプロテクション効果がすごく高く、高速道路でも高めの巡航スピードを維持できるので、北海道ツーリングなどの長距離を走るツーリングにも向いていますね。ツーリング向きな点は、実にコンセプトどおりだなって感じました。アフリカツインもお気に入りの1台ですが、アフリカツインよりもコンパクトなので、CRFラリーは街乗りとかの普段使いにも適してます。

画像: 「ん…CRF250Mって名車だ…」(伊藤)

「ん…CRF250Mって名車だ…」(伊藤)

TypeLDの足まわりの仕上がりは非常に興味がありましたが、ローダウン仕様にしてここまで上手くまとめ上げていることが素晴らしいです。元々スタンダード車のサスペンションの長さで設計されたものを、ローダウン仕様にすることは操安性をまとめる上で非常に難しいことなのですが、ローダウン仕様にしたことによるネガを、CRFラリーTypeLDからは感じることはありませんでした。ホンダはローダウン仕様をまとめ上げるための、ノウハウの蓄積があるのでしょう。一般にローダウン化すると、サスペンションがスタンダードよりも固くなっちゃうことがあるのですが、CRF250ラリーTypeLDは、その辺を上手くまとめてます。

2人乗りも試してみましたが、その時もサスペンションの作動に違和感を覚えることはありませんでした。ローダウン仕様でリアが下がり気味だから、フロントにかかる荷重が少なくなるのでは……と走り出すときに思ったのですが、スクリーンその他の装備が前側に付いていて、その分高くなった重心が切り返しやすさにプラスになっているんですね。また2人乗りしても操安性が変わらないということは、ツーリングの時にある程度多く荷物を積んでも大丈夫ということなので、そのあたりもユーザーになる人には嬉しい点だと思います。

自分ではローダウン仕様車を選ぶことはないのですが、足着きに不安がある人にとっては、TypeLDは最高だと思いました。

画像: 「足つきに不安が無いならスタンダード、でもTypeLDでもネガは見当たらないよ」(伊藤)

「足つきに不安が無いならスタンダード、でもTypeLDでもネガは見当たらないよ」(伊藤)

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