“ウイークエンドレーサー”オフロードコースも林道も盛り上がった‼
競技用モトクロッサーの技術や性能をトレール車で表現しようと1984年に登場したのが、このDT200Rだ。125㏄の車体に200㏄のエンジンを搭載し、ハイパワーと扱いやすさを両立。ヤマハ独自の2ストロークエンジン技術を用い、なんと乾燥重量100㎏を切る車体で30馬力を記録。更に当時としては先進的だったフロントディスクブレーキを採用。キャッチコピーは「ウィークエンド・モトクロッサー」。当時日本では1982年に後楽園スタジアムでスーパークロスが初開催され、ヤマハのリック・ジョンソンがYZ250で優勝したこともあり、DT200Rはモトクロスコースのみならず、エンデューロレースや林道でも多くのユーザーに愛された。
DT200R (2LR)
市販モトクロッサー、YZシリーズに合わせたカラーとグラフィックを採用。タンクキャップにキーがつき、エンジンガードがパイプ製へ。ナックルガードの装着など、細かい変更がなされた。
DT200R (1TG)
エンジンの形状や圧縮比を変更し、32馬力まで出力を向上。スプリング強化とクラッチ容量をアップ、ギヤレシオの見直しなどが施された。更にフロントブレーキには新型の小型マスターシリンダーを採用。
DT200R (37F)
YPVSやYEISといったヤマハ独自の吸排気系システムを装備し、195㏄水冷2ストロークで30馬力を記録。足回りにはリンク式モノサスやアルミスイングアームを採用し、当時のエンデューロレースでは圧倒的な強さを誇った。
DT200R (3ET4)
88年にフルモデルチェンジ。エンジンが新しくなり33馬力にパワーアップ。モトクロッサー並みのデュアルラジエーターを装備し、フロントフォークも41㎜径へ。ホイールベースの延長やシート高のアップなどで車両重量は107㎏と少し大柄になった。
DT200WR (3XP)
1991年に登場したシリーズ最強のDT。海外で販売されていたWR200Rの国内モデルである。199㏄、35馬力、乾燥重量107㎏。バッテリーレスのCDIユニットや倒立フロントサスペンションを装備し、その軽さとハンドリングの良さでライバルの250㏄に対抗した。
DT230LANZA (4TP)
2スト版セローとも呼ばれた1997年に発売された224㏄エンジン搭載のモデル。40馬力を記録した。セルモーター、トラクションコントロール、デジタルメーターなどを装備したトレールモデル。排ガス規制の壁に阻まれ、わずれ2年で生産終了を迎えた。
侮るなかれ!125/50の実力
DT50 (17W)
DT125R (34X)
フルサイズ並みのボディに小排気量エンジンを搭載し、大人のためのミニモトクロッサーとして人気を博した。特にDT50はクラス最高の7.2馬力を発揮。15年もの間、大きなモデルチェンジをすることなく販売された。