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ハイパワーでも乗りやすいKXレプリカ【KAWASAKI KMX・ KDXシリーズ】
ベストバランスにこだわり好セールス
KMX125の時代から、モトクロスレーサーのKXをベースとしていたカワサキ2ストシリーズ。しかし、売りにしていたのはハイパワーな側面だけでなく、125ベースで軽さを武器にしたKMX200や、ペリメターフレームを採用したKDX250SRなど個性も強かった。
最終モデルのKDX220SRは、これらのなかでも125並みの車格と扱いやすいミドルレンジの排気量とあいまって、各地のエンデューロレースで非常に人気が高く、今でも時々みかけるほど。
なお、KDXに進化してからは、KDX200R、KDX250R、KDX220Rとエンデューロレーサーも併売されており、これら...
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EDレーサーをそのまま公道仕様に【SUZUKI RMX250S】
4メーカー中、最後発ながら最も尖ったシリーズ
トレールマシンでありながら、割り切って1人乗りの設定にすることで性能を追求。単にタンデムステップを使用しないのではなく、オフロードでのサスペンションのポテンシャルを100%出し切る設計美学に、心震えたオフロードファンは多いはず。
モトクロッサーRMとほとんど同じであり、またエンデューロレーサーRMX250とも共通部品が多く、カワサキ同様レーサー化が大ブームになった車両。メーカーでも、オートリメッサがレース用パーツとして、CDIやレース用チャンバーを用意、エンデューロレースへの参加を促した。
妥協無きフルパワーの2スト250㏄は乗り手を選ぶとさ...
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YZのノウハウが詰まったウィークエンド・モトクロッサー【YAMAHA DTシリーズ】
“ウイークエンドレーサー”オフロードコースも林道も盛り上がった‼
競技用モトクロッサーの技術や性能をトレール車で表現しようと1984年に登場したのが、このDT200Rだ。125㏄の車体に200㏄のエンジンを搭載し、ハイパワーと扱いやすさを両立。ヤマハ独自の2ストロークエンジン技術を用い、なんと乾燥重量100㎏を切る車体で30馬力を記録。更に当時としては先進的だったフロントディスクブレーキを採用。キャッチコピーは「ウィークエンド・モトクロッサー」。当時日本では1982年に後楽園スタジアムでスーパークロスが初開催され、ヤマハのリック・ジョンソンがYZ250で優勝したこともあり、DT200Rは...
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レーサー「CR」の技術をもとに開発された本格オフ!【HONDA CRM250R】
コンペマシンCRの魂を宿したスーパーデュアルパーパス
CRM250Rはホンダの公道走行用の250㏄デュアルパーパスモデルとして1989年4月に発売。以来、2ストローク特有の豪快なパワーで、多くのオフロードファンから支持されてきた。車両重量112㎏の車体で、発売当初は246㏄、最大37馬力だったが、91年のモデルチェンジを経て、40馬力までパワーアップ。1996年には年々強化される環境適合基準に対応するため、CRM250ARへとフルモデルチェンジを遂げた。新開発のAR燃焼エンジンを搭載し、排気量を249㏄まであげて40馬力を維持、燃費を大幅に改善した。しかしそのARエンジンをもってしても排...
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世界初のコンピュータ制御を導入歴代最強マニア垂涎の『ハチハチ』【1988年HONDA NSR250R】
いまだに語り継がれるレーサーレプリカの雄
「まるで、レーシングマシンに保安部品を付けたかのよう」という例えは、レーサーレプリカではよく使われる文言だが、その言葉は歴代NSRで最強と呼び声高い88年式にこそ相応しい。「もう2度とつくることができない過激さ」とまで言われる所以は、開発目標をプロダクションレースでの世界チャンピオン獲得に定めているところにあって、もはやレプリカなんかじゃない! 絞り込まれたハンドル、スクリーンも小さく低くセットされ、アクセルをワイドオープンしなければ許されないような佇まいとライディングポジションで、実際に走らせると「45馬力どころじゃないでしょ!!」という驚異的...
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最後になるはずだったこの1台が2ストロークの未来を切り開いた【1980YAMAHA RZ250[4L3]】
レーサーレプリカを生み出すきっかけの1台
1970年代、オイルショックと米国の「マスキー法」による環境規制から2ストロークの存亡が脅かされていた。2ストローク技術を創業時から一貫して育んできたヤマハは、「最後の2ストローク」になるという想いと覚悟を胸に集大成モデルの開発を始める。
79年、東京モーターショーで「究極のロードスポーツ」と称しRZ250が発表されると、そのセンセーショナルなモデルはライダー達の心を掴んだ。圧倒的な市販化を支持する声に応えるべく、翌年8月、市販化をスタートさせた。
当時はレーサーレプリカという言葉は使われてなかったが、RZは市販レーサーTZ250の公道バージョン...
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MC21は「魔法のバイク」と呼ばれるほど完成度の高いマシンだった【2スト熱狂時代‼︎】
僕たちの世代は「男子16歳にしてオートバイに乗る」が普通のことだった
2スト車が注目されているという話を聞くと、思わずニヤリとしてしまう。80年代のレプリカブーム世代なら誰しも「あの頃は良かった」的な感傷があるはずだし、4ストしか知らない若い世代は2ストロークというエンジン形式が好奇心を刺激するのだろう。
懐かしくて新鮮、という点ではアナログレコード人気の再燃と同じだが、それぞれが過去のものとなった経緯はだいぶ違う。CDの登場でアナログレコードが駆逐されたのはメディアの保管や持ち歩き、操作などの扱いやすさをユーザーが望んだという理由が大きいけれど、2ストエンジンが淘汰されたのは地球環境保...
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【HONDA NSR250R】今尚衰えぬ人気 人々を熱くさせてきた名車の遍歴【2スト熱狂時代‼︎】
マイナーチェンジで熟成を図った89年型
1989 NSR250R【MC18後期】
キャスター角24°→23°15′、トレール90→87mm、ホイールベース1355→1345mmなどジオメトリーの変更によって旋回性を飛躍的に向上。チャンバーはサーキットユースをさらに意識し、楕円断面をもつオーバル形状になった。また、ワークスイメージそのもののスラントノーズフォルムを採用したエアロフォルムは、高速時に風圧によるダウンフォースを生んだ。88年式とスペック上では劣らぬものの出力特性はマイルドになっている。
アジノモトカラーのSP仕様は、約1.5kgの軽量化を達成するマグネシウム製ホイールに加え、乾...
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【1986年HONDA NSR250R】本気で本物のレーサーレプリカが誕生【2スト熱狂時代‼︎】
レーサーRS250Rと同時開発HRCが基本設計の公道レーサー
1980年、ヤマハRZ250が市場に登場し、2ストロークロードスポーツという新しいカテゴリーを生んだ。そして、1983年には、レーサーを再現して生み出されたスズキRG250Γの登場で、レーサーレプリカという言葉が誕生する。ホンダはそれら時代を牽引していくモデルに対し、MVX250FやNS250R/Fをリリースするが、販売面では全くと言っていいほど太刀打ちできなかった。さらに1985年にヤマハからTZR250が登場し、ホンダは大きく水をあけられてしまう。しかし、その敗北はホンダを本気にさせることになった。
85年から市販レーサー...