Z900RSに相応しいフォルムに
1970年代の大ヒットモデル、カワサキ900スーパー4(Z1)をオマージュした端正なデザインと、最新モデルらしいパフォーマンスを絶妙なバランスにより、メーカー想定以上のセールスを続けているZ900RS。
発売から約一年が経過してカスタマイズパーツも豊富に出ているが、中でも注目度が高いのがマフラー。
アールズギアではいち早くフルエキゾーストシステムの『ワイバン・クラシック』をリリースしたが、同社社長の樋渡氏はルックスの点からサブサイレンサーを使わない仕様の開発を継続。
サブサイレンサー付きの製品を超えるパワー特性とサウンドを実現したところで『ワイバン・クラシックR』として発売が開始された。
両方の製品を見比べると全体のイメージは共通しているが、低い位置から見るとサブサイレンサーを持たない『R』のほうが明らかにスッキリしていて美しい。車体左側から見るとその違いはより際立つ。
また、サブサイレンサーをなくしたことで部品点数が減り、価格が約2万5000円ほど安く、重量が約1・5㎏軽く(ノーマルマフラー11・7㎏、ワイバンクラシック5・3㎏、ワイバンクラシックR3・8㎏)なっていることも見逃せない。
もちろん車検対応だし、オイル交換とオイルフィルター交換もマフラーを装着したまま行えるうえ、純正オプションのセンタースタンドを装着することも可能だ。
パワー特性はZ900RSの全域で扱いやすい特性のまま全体にトルクを太らせた印象。スロットル開け始めの反応がノーマルよりもリニアで、市街地で多用する3000回転台の力強さ、スムーズさもアップしている。
そして低回転域では大排気量らしい重低音、高回転域では集合マフラーらしい咆哮を楽しめる。
Z900RSのデザインに合わせたシンプルで流麗なフォルムとチタン素材の質感、アールズギア製らしい各部の丁寧な作りは眺めているだけでも満足感を得られるはずだ。
跳ね上げ角が低いシングルSタイプもラインアップする。
Photo:赤松 孝、南 孝幸 Model:梅本まどか Tester:太田安治