今のインジェクションはキャブレター時代に近いフィーリング

スロットルオフ時の燃料カットは、2輪よりもかなり早くインジェクション化していた4輪では当たり前の技術です。

燃料カットは燃費対策のほか、排ガス対策用の触媒が機能する温度の管理にも関係しています。

現代のバイクはEURO4とか5とか、厳しくなっていく規制に合わせないといけないので、今では2輪でも燃料カットは当たり前になりました。

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バイクのエンジンの場合、フィーリングを良くしようというときに燃料カットって、ネガティブ要素につながりやすいんですよ。

コーナー手前などの減速時にスロットルをオフにして燃料カットが入って、コーナー立ち上がりで加速しようとスロットルを開けたとき、燃料カット状態から燃料噴射状態になったときにパッと燃えちゃうと、唐突なフィーリングになってしまうことがあります。

昔のキャブレター車は、キャブレターの構造上の特性でスロットルを閉じても混合気が入っていきます。それがフィーリングの良さにもつながったりしていたんですよね。

燃料カットが入るとガソリンが途絶え、燃えていない状態でエンジンが惰性で回ります。そこからガソリンが入って火がつくからポーン! という感じになります。

4気筒より2気筒のほうがそれは感じやすく、また2気筒より単気筒の方が感じやすくなります。

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これは比較してみての印象ですが、CB250Rなどに採用されているこの単気筒エンジンは、250RRほどは燃料カットがスロットルオフに対して早くなく、少し燃やしていることでこの滑らかなフィーリングを生み出しているのかもしれませんね。

レースで使うことを前提にしているだけあって、250RRはミッションのタッチに節度があって、詰めて作られた感じですね。

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そして単気筒より10馬力くらいパワーが上で、パワーバンドに入ったときの250RRのエンジンフィーリングはとても気持ちいいです。

でも、動力性能的には250RRですが、日常に使うことを考えると僕はCB250Rやレブル250などの単気筒のモデルの方を選ぶかな……。

今回取り上げたモデルは、いずれも過去の連載で乗ったものでしたから、改めて試乗しなくても……と思いましたが、比較試乗するスタイルで走るシチュエーションを変えてみると、自分の見方が意外と変わることに驚きました。

過去の連載で、各車それなりの距離を走ってテストしているんですけどね……。本当に面白いです。

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