清少納言は、枕草子の一段でおっしゃった。
春はあけぼの、夏は夜。秋は夕暮れ、冬はつとめて。
そうか、夜は夏、か。
月の頃はさらなり、やみもなほ、ほたるの多く飛びちがひたる──。
けれど、オートバイ乗りはそうじゃない。
早朝の頃合いがいい季節だって、疾走れ、夜へ!
疾走りたい気持ちとオートバイがあれば、僕らはどこへだって行けるのだ。

ときには星の下で眠……らなくても
冬空の美しさを、ハヤブサと───

ハヤブサでの弾丸長距離ツーリングから1年、今度はアドベンチャーで熊本へ行く機会があった。

熊本取材があり、本来ならば飛行機移動から現地でレンタカー、ってパターンなんだけれど、時間の余裕もあったことで、またも1300㎞。

どうも、ハヤブサの旅から距離感がオカシくなってしまったらしい(笑)。

アドベンチャーで出発するころには、実は西から台風がやって来ていて、途中で暴風雨圏に出くわす可能性もあったことから、ハイスクリーンのビッグカウルな1090㏄アドベンチャーで出かけたのだ。

画像1: ときには星の下で眠……らなくても 冬空の美しさを、ハヤブサと───

アドベンチャーで西へ向かうのも快適そのものだった。1年前と同じルートをたどり、同じようにトリップメーターの数字を1000㎞積み重ね、約1300㎞遥かな熊本へ。

正直言って、ハヤブサの時よりも体の疲れは少なかった。天候の悪化と日没の影響で神戸付近に一泊したものの、宿泊時の体のダメージは、ハヤブサの時よりも少ない。

それは翌日、同じような距離を走っても同じことで、ほんの100㎞先から走って来たよ、ってな気軽さで阿蘇の地に降り立ったのだ。

画像2: ときには星の下で眠……らなくても 冬空の美しさを、ハヤブサと───

ハヤブサと同じように、到着して阿蘇のワインディングを走り回ると、決定的な差が生じてしまう。やはりアドベンチャーは旅するオートバイ。

旅先でスポーツしたい時、もうひとつエキサイティングが足りないのだということを痛感してしまった。

画像3: ときには星の下で眠……らなくても 冬空の美しさを、ハヤブサと───

防風、豪雨の時のアドベンチャーの走りは心強かった。

どんなコンディションでも距離を延ばさなけりゃいけない時、これはアドベンチャーだ。

けれど、旅先でだってオートバイ乗りでいたい――そんなRIDE者は、ハヤブサなのだ。

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