清少納言は、枕草子の一段でおっしゃった。
春はあけぼの、夏は夜。秋は夕暮れ、冬はつとめて。
そうか、夜は夏、か。
月の頃はさらなり、やみもなほ、ほたるの多く飛びちがひたる──。
けれど、オートバイ乗りはそうじゃない。
早朝の頃合いがいい季節だって、疾走れ、夜へ!
疾走りたい気持ちとオートバイがあれば、僕らはどこへだって行けるのだ。
春はあけぼの、夏は夜。秋は夕暮れ、冬はつとめて。
そうか、夜は夏、か。
月の頃はさらなり、やみもなほ、ほたるの多く飛びちがひたる──。
けれど、オートバイ乗りはそうじゃない。
早朝の頃合いがいい季節だって、疾走れ、夜へ!
疾走りたい気持ちとオートバイがあれば、僕らはどこへだって行けるのだ。
旅をするなら――
最適解の、今むかし。
かつて、旅をするならメガスポーツ――というのは当たり前だった。有り余るパワー、快適なライディングポジションや、疲れ知らずの車体構成。
どこまで走っても、いつまで走っても疲れ知らずのパッケージがメガスポーツの絶対価値だった。
平成の終わりになって、アドベンチャーモデルが台頭してきた。
このカテゴリー、かつては、ビッグオフと呼ばれていたように、もっとオフロード風味を持ったビッグツアラーだったけれど、今や超長距離をどんどん走るならばアドベンチャーだ、なんて人が少なくない。
僕もそう。Vストローム1000、アフリカツイン、KTMアドベンチャーで、走りに走った。
いつしか、超長距離を走るような取材や撮影では、アドベンチャーを選ぶようになった。
多くは2気筒、アップライトなポジションで、快適に距離を重ねられるパッケージに、オートバイの新しい魅力、魅力の奥の奥を知ったような気がした。
けれど、なんだか物足りない。
いつなんどき豪雨が襲ってきても、寒い時間帯に走らなきゃいけなくなっても、休憩なしで走りまくった時のイージーなフィーリングは最高なんだけれど、なんだか物足りないのだ。
オートバイの聖地、九州・熊本まで東京から走って行ったことがあった。
ハヤブサと、アドベンチャーで、である。