鈴鹿8耐までいよいよ2週間! 公式事前テストも終わり、いよいよ各チームは現地入りへカウントダウンを始めました!
今大会、最大の注目を集めているひとつが、KRT(=カワサキレーシングチーム)、つまりカワサキワークスチームの18年ぶりの鈴鹿8耐参戦! この大注目のニュースに、本誌でもおなじみの「バイク芸人」福ちゃんが食いつきました!(笑)
モビリティランドの協力をいただき、福ちゃんの突撃インタビューを掲載します! お相手はなんと、Kawasaki=カワサキ重工のモーターサイクル&エンジンカンパニーのプレジデント、堀内勇二さん。簡単に言うと、Kawasakiオートバイ部門のトップの人です!
では、インタビューの模様を3回に分けてどーぞ!
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
2001年大会以来、実に18年ぶりの“コカ・コーラ” 鈴鹿8耐参戦となるKawasakiのワークスチーム「カワサキレーシングチーム」(=KRT)。もちろん、Kawasakiのトップチームは“コカ・コーラ” 鈴鹿8耐にずっと参戦してくれているし、特に直近3年では2位/2位/3位と、3年連続で表彰台に登壇している。
「今年はチーム名の変更でもお分かりいただけるように、チーム体制を一新して8耐に臨みます。2016年と17年がチームグリーン、18年がカワサキチームグリーン、そして今年はカワサキレーシングチーム=KRTです」
そう説明してくれるのは、Kawasaki=川崎重工のモーターサイクル&エンジンカンパニーのプレジデントである堀内勇二さん。簡単にいうとKawasakiオートバイ部門トップの方である。
――チーム体制の一新、って実際にはどう違うんですか?
今回のインタビューを担当していただくのは、チュートリアルの福田充徳さん。ご自身もKawasaki ZRX1100を持っていて、レースに参戦経験もある、オートバイ好き「バイク芸人」としてもおなじみの福田さんは、仕事でもプライベートでも、もう30年来の鈴鹿8耐観戦歴を持つマニアックファン。実際、この5年は、鈴鹿8耐期間中にステージイベントゲストとしてご来場いただいており、2019年大会にも来場予定だ。
「実際には、2017年から18年にもチームに大幅にてこ入れをして、チーム名にKawasakiという名前を入れて『Kawasakiチームグリーン』としています。これは、Kawasakiのレース活動をお願いしている『チームグリーン』に、川崎重工が大きくサポートした、という意味でもあります。そこから一歩進めたのが19年に8耐に参戦する『KRT』なんです。Kawasakiのワークスチームと考えてもらって差し支えありません」(以下「」内は堀内さん)
――というと、Kawasakiがワールドスーパーバイク(=WSBK)を戦っているあのチームが、そのまま鈴鹿に来る、というイメージですか?(以下--部は福田さん)
「そう考えていただいてかまいません。もちろん、WSBKのチームごと来るというのは人数としても大規模のものになりますから、そこは鈴鹿8耐の経験豊富な『チームグリーン』のスタッフにも全面的にサポートしてもらいます」
――それでもチーム中枢は、あのWSBKのKRTそのものなんですね。
「そういうことです。レオン・ハスラムなんかは『名前が変わっただけじゃないの?』なんて言っていますが(笑)、われわれにとっては大きな変化なんです」
――ライダーもWSBKの現役バリバリの3人を連れてきてくれるんですね!
「昨年に引き続き、4年連続WSBKチャンピオンのジョナサン・レイを軸に、これで4年連続の8耐参戦となるレオン・ハスラム、それにWSBKにカワサキのトッププライベートチームから参戦している、8耐初参戦になるトプラック・ラズガットリオグルを連れてきます。福田さん、トプラックはご存知ですか?」
――もちろんです。今年のWSBKの活躍はもちろん、去年の全日本選手権最終戦にも来ていましたよね。予選前のフリー走行で他車と接触して転倒、負傷して帰国しちゃった。
「さすが!よくご存知ですね!(笑) そうなんです、先月のWSBKイタリア大会では、レース2でジョナサン・レイ、トプラック・ラズガットリオグル、そしてレオン・ハスラムの順に、この3人が表彰台を独占しました。われわれとしてもすごく楽しみなメンバー構成なんです」
――少し意地悪な質問をします。2017年→18年→そして今年と、チームグリーン→カワサキチームグリーン→KRTと規模が大きくなっていますよね。それって、このままでは何かが足りない、と判断されての規模拡大だったんですか?
「うーん、そういうわけではないんですが、KRTというのはKawasakiのワークスチームなんですね。今年のKRTとしての参戦は、いまKawasaki陣営が持っている最高の材料をそろえる、という意味合いがあります。ライダー、スタッフ、マシン、サポートチームもメカニックもすべてです。走るのはライダー、その意見を聞いてマシンをセットアップしたりしていくのがチーム中枢の仕事なんですが、これをKRTで進めていく。そこには、ずっとWSBKを走っているメンバーですから、一瞬のタイムラグも理解のズレもありません」
――今年のマシンは、昨年とは大きく違っているんですか?
「基本的には、市販車である2019年型Ninja ZX-10RRをベースとしたWSBKマシンを元に、世界耐久選手権レギュレーションに合致させたものです。8耐マシンとしては、小さなところからまるっきり別のマシンといっていいでしょう。ただし、外から見るだけではなかなか違いはわからないかもしれません」
――鈴鹿サーキットでの事前テストでは、レイ選手とラズガットリオグル選手が1回ずつ、ハスラム選手が2回乗りましたよね。手ごたえはいかがですか?
「スケジュールの関係で、3人そろっての鈴鹿での走行はレースウィークに入ってからになりますが、そこは心配していません。レイは1回目の走行でいい手ごたえだ、って言ってくれましたし、アッという間に目標タイムをクリアしていました。ハスラムがマシンをまとめて、ラズガットリオグルがそこになれるという、理想に限りなく近いテストができていると思います」
――鈴鹿8耐とWSBKでは耐久とスプリントという大きな違いがあるし、タイヤだってWSBKはピレリのワンメイク、鈴鹿8耐はマルチメイクでKRTが使用するタイヤはブリヂストンと、ライダーにしてみれば大きすぎる違いがあるはずなんですけどね……。
「私もそう思います(笑)。よくこんなにパッと乗って、すごいタイムが出せるもんだな、って。マシンを乗りこなす天才、もちろんものすごい努力をしているんでしょう。やはりプロフェッショナルだな、と思います」
<Part2はこちら>→https://www.autoby.jp/_ct/17287597
取材協力:モビリティランド/鈴鹿サーキット