旅にはアクシデントがつきものそれでも尚、心は折れず
前夜、九州最南端へ到達したものの残念ながら佐多岬ロードパークは既に営業時間外。
ということで、次の日の朝イチにリベンジする。冷静になると、1日で恐ろしいほど走ってきたことを実感し、BMWの底力に舌を巻いた。
だって、全部自走でフェリーも使わず、一気に九州最南端。その事実は動かないのだ。
そして帰り道は2日くらいかけて、ゆるりとツーリングしながら…なんて考えていたのも束の間。
佐多岬を後にし、帰路へ着いた直後に長旅らしいイレギュラーが発生!
アレ?何かハンドリングがおかしい…と思って最寄りのガソリンスタンドでタイヤの空気圧をチェック。
ここにきて何と…リアタイヤのパンクである。
なぜこのタイミングで…と恨めしくも思ったが、これもまたツーリングというもの。
帰りの距離を考え、やむなく鹿児島の正規ディーラーでタイヤ交換と相成った。
予想外の大幅なタイムロス。阿蘇から四国を周遊して、のんびり帰るという夢が音を立てて崩れ去る。
結局、2日目はアクシデントでほぼ何もできず終了、3日目に全てをかけることになる。
ミッションは熊本・阿蘇からスタートし、四国へフェリーで渡り、東京へ。
初日に見劣りしない過酷な行程と言っていい。
でも、あの時、初日の手応えからするに、不可能じゃないと思えた自分が今となってはすごいと思う。
日の出直前から、阿蘇のミルクロード〝天空の道〞で待機。
そこにで待っていたものは眼下にうっすらと雲が広がる、まさに絶景。
値千金と言うのはこういうことだろう。
しばらく忘れられない感動の光景。冒険ライダーに神が微笑んだか!?
早朝6時30分。日の出と共に現われた感動動の絶景。
この場所は阿蘇外輪山、ミルクロ ードから脇道に入った天空の道と呼ばれるスポットだ。
絶景にカメラマンのテンションが急上昇してしまい、フェリーの時間が迫るのにも関わらず『お願い! あと1カットだけ!』・・・いや、もう待てんっ!
駆け込み乗車ならぬ駆け込み乗船で四国へ滑り込みセーフ上陸!
フェリー出航10分前に大分県・臼杵港へ到着。
今回の旅で最もシビアな区間だった。
約2時間の船旅が気力体力を回復させる。
男にはやらねばならぬ時がある…土佐の鰹のタタキが、そのひとつだ
遠回りは重々承知だが、土佐で鰹のタタキを食わずには帰れない。
こうと決めたら前進あるのみ!
道の駅「かわうその里すさき」で1人前480円。…美味すぎる。
ニッポンは美しい国である。
そう感じずにはいられない。
冬の四国カルストには荒涼としながらも壮大な風景が広がる。
GTLのナビに搭載されている高度計は最高で1480m以上を表示。
この時期は観光客も少ないため、大平原を独占できる。
きっと誰もが「日本は美しいな」と感じるだろう四国の名所だ。
まだ先は長いはずなのに
旅の終わりを感じる瀬戸大橋
夕方5時30分、強烈に後ろ髪を引かれつつ瀬戸大橋を渡り、四国を離れる。
このわびしさもまた旅の醍醐味だろう。これまで2200km以上を走破したのだ。
残り750kmなど、はっきり言って恐れるに足らない。
実質、ココが旅の終わりだった。
CHECK POINT
3000キロを走ってわかったK1600GTLのココがスゴい!
ハッキリ言うが、今回の旅はGTLだから成しえたものだ。
おそらくR1200RTやR1200GS-ADVでも可能だが、やはりGTLの快適性能は群を抜いている。
価格300万円は伊達じゃない!
結局、全行程で一度もお尻が痛くならなかったシートは驚愕の完成度と言っていいだろう。
さらに、シートヒータ ーの温かさは天国の温かさだ。
スピーカーと同調したナビの音声案内はパーフェクトに近い。
また、オーデ ィオで道中もノリノリ。高速移動も大声で歌えば、退屈しないのである。
可変ウインドスクリーンは防風性能もさることながら、雨に対して絶大な防御力を誇った。
土砂降りの豪雨でも、高速道路巡行なら雨など関係ない。
エキゾーストサウンドも長旅で飽きなかった理由のひとつ。
アクセルを開けていくときのストレートシックスの乾いた音は、いつ聴いてもウットリ…。