車体の傷付き防止も含めて樹脂製のほうが安心
ジャケットやシューズはライディング用でもパンツは普通のデニム、というのが一般的なライダーのファッション。
革やナイロン製のライディングパンツは見た目が大仰で洗濯も面倒といった理由から敬遠されがちだ。
ただ、カジュアルウエアのデニムはライディング中の動きやすさや安全性は考えられていない。
ライディングを前提に作られたデニムを穿いて走ってみれば、その違いに驚くはずだ。
クシタニのエクスパンドライダースパンツは、肌触りのいいコットン74%、高強度のコーデュラナイロン24%、伸縮性のあるポリウレタン2%の生地を使用し、ライディングポジションに合わせてカッティングした製品。
簡単に着脱できる膝プロテクター、車体をホールドしやすくする膝内側と太腿内側のレザーパッチ、ファスナー開閉式の裾など、デニムのカジュアルさとライディングパンツの機能性のバランスを取って作られている。
履き心地は通常のデニムと変わらないが、ライディング中の動きやすさには大きな差がある。
専用のカッティング、伸縮性のある生地に加え、脚の前側にあるメッシュ裏地が肌への張り付きを抑えてくれるので、膝を大きく開いてもシートから腰をずらしても生地が突っ張る感触がない。
伸縮性があるが故にフィット感は比較的タイトで、高速走行中のバタ付きがないことも特長。
裾のファスナーを開いておけば履き脱ぎがスムーズで、履き口の太いライディングシューズやツーリングブーツの上から裾を被せることも容易だし、後ろから見たときのアクセントにもなっている。
現実的に必要な機能をスッキリしたデザインで包んだという仕上がり。
ぜひ普通のデニムと穿き比べて欲しい。
文:太田安治/写真:南 孝幸