最大45度のバンク角でも高い旋回性を確保するヤマハ「ナイケン」の要
【主な機能・効果】
1.コーナリング中の前2輪の旋回性向上
2.スムーズなコーナリング特性の実現
アッカーマン機構とは、四輪に採用されている前輪ステアリング機構で、ハンドルを切った際、コーナーの内側にあるタイヤの切れ角が大きくなるように動くメカニズムのことである。
これにより、コーナリング時、前二輪の旋回の中心点が同心円上に揃うため、スムーズな旋回ができる仕組みだ。
フロントを二輪としたLMW(リー二ング・マルチ・ホイール)であるヤマハ「ナイケン」もこのアッカーマン機構の一種を採用している。
それが「LMWアッカーマン・ジオメトリ」だ。
コーナリング時に最大で45度車体がバンクするナイケンの場合、ステアリングロッドも一緒に傾くため、四輪と同じ機構のままだと、速度が高まり、バンク角が深くなるほど左右のロッド長が違ってしまい、タイヤがそれぞれ進行方向に対して外側を向いてしまうことになってしまう。
そのため、ナイケンは片側2本のフロントフォークを束ねるジョイントとステアリングロッドの接合部にナックルを加え、オフセットさせることでリーンの中心軸と左右の前輪の操舵の中心軸を分け、それぞれ最適な位置を確保しているのである。
ちなみに、この機構はバンク角の浅いトリシティには採用されていない。