モトクロッサーの技術を投入した車体に30PSを発揮する水冷ピストンリードを搭載
DT200R
型式:37F
全長 :2150
全幅 :820
全高 :1190
シート高:850
乾燥重量:99
燃料タンク容量:9.6
タイヤサイズ:3.00-21 / 120/80-18
ブレーキ形式:油圧式シングルディスク / ドラム
エンジン:水冷2サイクル単気筒
排気量:195
最高出力:30ps/8500rpm
最高トルク:2.6kg・m/7500rpm
変速機:6速リターン
始動方式:キック
ヤマハが1968年発売の2サイクル250㏄のDT-1で築いたトレールというカテゴリーは、1980年登場の4サイクルマシーンのXT250によって受け継がれていく。
その一方で、レースの世界では4メーカーの2サイクルモトクロッサーがしのぎを削っていた。そうした中、ヤマハは1982年にモトクロッサーの技術とスタイルを受け継いだ水冷2サイクルのDT125を発売。
さらに1984年、よりモトクロッサーに近いメカニズムやパフォーマンスを備えて登場したのがDT200Rである。
DT200Rはクラストップの30psを発揮する195.0㏄水冷ピストンリード単気筒を、フロント240㎜、リア210㎜のロングストロークサスペンション、フロントにディスクブレーキを備えた車体に搭載。
乾燥重量は125㏄並みの99㎏を公称し、オフロードでの高い走破性を備えていた。
その後DT200Rは、1988年にエンジンをケースリードバルブに変更するとともに、車体まわりも市販モトクロッサーYZの技術を取り入れたフルモデルチェンジを実施。
さらに1991年にはYZベースの高剛性フレームに倒立式フロントフォークを備え、199.8㏄の新型ケースリード単気筒を組み合わせたDT200WRへと発展。公道も走れるエンデューロマシーンとして人気を集めた。
国内の2輪販売が絶好調だった1980年代前半であっても限られたバイクでしか描かれることはなかったことから、このマシーンに込めたヤマハの熱い思いが伝わってくる。
特に注目したいのは、吸気系にYEIS(ヤマハ・エナジー・インダクション・システム)、電子制御式YPVS(ヤマハ・パワー・バルブ・システム)を備えた水冷ピストンリード単気筒エンジン。
さらにボトムリンク式のモノショックとアルミ製スイングアームを組み合わせたリアサスペンション、アクスルシャフトをオフセットしてロングストロークを確保するとともに、3段階の減衰力調整機構を備えたフロントフォークなどだ。
1988 DT200R/3ET1
1988年にフルモデルチェンジして3ET1となったDT200R。
開発コンセプトは"公道を走れるエンデューロマシーン"で、モトクロッサーYZの技術を取り入れた車体に新開発となる195.0㏄水冷ケースリードバルブ単気筒を搭載している。
樹脂製リードバルブや高速遅角型CDI、フラットバルブキャブレターなどを装備し、最高出力を32ps→33psに向上。
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