そんなドゥカティのイタリアンレッドを纏わない、正当派ロードスポーツモデルとは異なるモデルラインアップをご存知だろうか? 圧倒的な存在感を放ち、どこまでも自由で、どこまでも突進できる冒険心を駆り立てる、そんな魅力的なモデルをピックアップする。
Ducati/Diavel1260S
それまでのスタイルに囚われない、ドゥカティのクルーザーモデル「ディアベル」。スーパースポーツモデル直系のテクノロジーを惜しみなく搭載し、ツアラーでもなくロードスポーツでもない圧倒的存在感と、Lツインの1260ccテスタストレッタDVTエンジンによるパフォーマンスの融合はどんな世界をみせてくれるのか?
今回、バリエーションモデルのオーリンズ製ショックユニットを装備したハイグレードバージョン「ディアベル1260 S」をベースに、嗜好を凝らしたアクセサリー装備モデルと共にその魅力に迫ってみた。
2010年にデビューしたディアベルは、ドゥカティの伝統的メカニズムやデザインにマッシブなスタイルを組み合わせて誕生した、唯一無二のイタリアン・スポーツクルーザー。
そんなディアベルが2019年にフルモデルチェンジ、第二世代の「ディアベル1260」に進化した。見るからに力感が伝わって来るスタイリングは、従来モデルの基本イメージをそのまま最新スタイルにリファイン、快適さとスポーティさを両立させたポジション設定も継承。
注目すべきは、可変バルブタイミング機構の採用などで低回転域から力強さを増した、1262ccのテスタストレッタDVTデスモドロミックLツインエンジンと、そのエンジンをストレスメンバーに使用するコンパクトで高剛性な鋼管トレリスフレームの採用で車体を一新したこと。
さらに大幅な軽量化、ボッシュ製6軸IMUを中核とする各種の電子制御デバイス装備などと合わせて、持ち前の豪快さを犠牲にすることなく、幅広い状況に対応できる洗練された乗り味がプラスされた。
フロントフォークは写真の1260 Sがオーリンズ製のΦ48mm倒立フォークで、スタンダードな1260はΦ50mm倒立フォークで、いずれもフルアジャスタブルタイプ。
ブレーキは両車ブレンボ製だが、1260 SはM50モノブロックキャリパーにグレードアップ。スタンダードの14本スポークのホイールに対して、1260 Sはホイールも専用の10本スポークだ。
リアサスの装着位置がスイングアーム上へと変更されたのも、ディメンションを一新した新型フレームになったため。合わせて形式もリンク式に改められるなどの大きな改良を受けて、これまでよりハンドリングも向上している。写真の1260 Sではオーリンズ製のフルアジャスタブルサスペンションが標準装備。