500と250は全く別の乗り物!? REBERシリーズはどちらを選んでも大正解!
レーサーレプリカブーム真っ只中の1985年に初代レブルが発売された。当時で言う、いわゆる「アメリカンスタイル」のスポーツバイクとしてデビューすると、大方の予想を遥かに超えてヒット作となった。
そんな初代レブルシリーズは1990年代前半にまで続くロングセラーモデルになったが、惜しまれつつも20年以上生産終了モデルとなっていた。
そんなレブルシリーズが2017年に復活し、2019年前半では販売台数1位(250部門)*を記録するほどの人気モデルになっている。*二輪車新聞調べ
今回はそんなレブルシリーズのそれぞれの乗り味をインプレッションしてみたい。
レブルは500ccと250ccの2タイプになっていて、500ccが並列2気筒、250ccは単気筒エンジンを積んでいる。500ccはアクセルをどんどん開けたくなる扱いやすさが好印象で、思いのまま操れるといった感じ。
車体は共通で足まわりは前後16インチ。気になる情報はそんなところだけで、何馬力とか装備内容といった詳しいスペックはどうでもいいと思えてくる。とにかく街を走っていて気持ちがいい!!
エンジン特性は両車とも似ていて、低回転域からトルクが太く神経質なところがない。ワイドレンジで低い速度域のうちからギヤを高く上げてもトコトコ走ってくれる。
忙しないギヤチェンジは不要で、シフト操作をサボってアクセルのオン/オフだけでストリートを流すことができてしまう。車体も軽いし、取り回しも苦にならない。イージーライドっていうのは、こういうことを言うんだとつくづく思う。
イージーライドだけが持ち味? いやいや充分に運動性能も高い!
250ccのポテンシャルはニーハンとは思えないほどポテンシャルが高い。エンジンを引っ張り上げればCBR250R譲りの水冷DOHC4バルブだからスムーズに吹け上がり、充分に力強く、高回転まで気持ち良く回っていく。
そして車線変更などでスイスイと身のこなしが軽く、旋回性も高いからいつまでも乗っていたくなる。前後16インチのホイールに太いタイヤを履いた足まわりは、試乗前にはハンドリングにクセがありそうと予感したが、それは完全なる誤解であって、コーナーではスッと車体が寝ていき、程良い切れ込みが前輪にあってシャープに曲がる。
これがわかると、もうコーナーが待ち遠しい。ノンビリとストリートを流すのだけが持ち味だと最初は感じたが、走り込むうちにヤンチャに攻め込みたくなってしまうスポーティさも持ち合わせているのだ。
前後サスペンションも低い速度域からよく動いて乗りやすさ重視だが、スピードを上げて負荷をかけても簡単には音をあげず、物足りないなんてことはない。フロントブレーキもシングルディスク仕様だが、充分に効くしタッチも不満はない。
コントローラブルで、足着きも抜群に良いからビギナーや女性にもうってつけだが、初心者向きと侮るなかれ。500なんて、気がつけばかなり速いペースで走っている。
それにこのシンプルな車体は「好きなようにカスタムしてね」と言わんばかり。アフターパーツも豊富に出てきそうだし、どんなテイストにも染まってくれる素材としても魅力タップリだ。個人的にはタンクからシートにいたる細くくびれたラインがたまらない! 女の子とボディを密着させて、タンデムで街を流したらさぞかし爽快だろうなぁ〜!!
全く別のフィーリングが味わえる500ccと250ccのエンジン
250にはCBR250Rベースの249ccDOHC単気筒、500にはCBR500R譲りの471ccDOHC並列2気筒エンジンを搭載。低回転域でもトルクフルで扱いやすく、高回転域まで気持ちよく伸び感のある出力特性は両車で同じ。FIセッティングを見直し、500ではバルブタイミングも最適化した。
DETAIL
RIDING POSITION ライダー身長:152cm
シート高が690mmと低いが、股下でのくびれによって足着き性は抜群にいい。本来はシート下に配置する電装パーツを燃料タンクとエンジンの間に持っていったことでこれを実現している。
グリップは肩幅より少し広い程度で、女性でも扱いやすいコンパクトなライポジとした。
Rebel 500(2019年カラー)
Rebel 500 <SPEC>
■エンジン:水冷4ストロークDOHC4バルブ直列2気筒 ■最高出力:46ps/8500rpm ■最大トルク:4.4kg-m/6500rpm ■排気量:471cc ■全長×全幅×全高:2190×820×1090mm ■軸距:1490mm ■シート高:690mm ■車両重量:190kg ■タイヤ前・後:130/90-16・150/80-16 ■価格:79万9700円(※10%税込)
Rebel 250(2019年カラー)
Rebel 250 <SPEC>
■エンジン:水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒■最高出力:26ps/9500rpm ■最大トルク:2.2kg-m/7750rpm ■排気量:249cc ■全長×全幅×全高:2190×820×1090mm ■軸距:1490mm■シート高:690mm ■車両重量:168kg、170kg(ABS) ■タイヤ前・後:130/90-16・150/80-16 ■価格:54万7800円、59万9500円(ABS)※10%税込
撮影/南孝幸、HONDA 文/青木タカオ
情報元:GOGGLE 2017年7号より抜粋