この週末は鈴鹿サーキットで全日本ロードレース最終戦「MFJグランプリ」が開催されています。台風とか豪雨に泣かされた10月も終わり、11月に入って最初の週末はきれいに晴れあがっています。

ここまでのチャンピオン争いは、すでにオートポリス大会で長谷川聖(CLUB Y’s)がチャンピオンを決めたJ-GP3クラス以外、こんなかんじ→ https://www.autoby.jp/_ct/17310902 J-GP2/ST600/JSB1000クラスとも、チャンピオン争いが最終戦まで持ち越されています。

きょう土曜日は、各クラスの公式予選。昨年同様、小山知良(日本郵便ホンダドリームTP)と岡本裕生(BH AUCTION51ガレージNitroレーシング)のチャンピオン争いとなっているST600クラスは、ST600ルーキー・荒川晃大(こうた:モトバムHonda)がポールポジションを獲得。2番手に南本宗一郎(AKENOSPEEDヤマハ)、そして3番手~4番手に小山と岡本がつけました。
小山と岡本、両者のポイント差は小山の9ポイントリード。これは優勝と5位の獲得ポイント差ですから、例えばこの最終戦で岡本優勝、小山5位ならば同ポイント、しかも優勝回数、2位の回数、3位の回数と獲得順位もすべて並ぶので(!)この場合は前年度ランキングでチャンピオンが決まって岡本のV2となります。これは、あくまでも岡本優勝、小山が5位だった時の場合ですからね。

画像: ST600ポールポジションはMOTOBUMホンダの荒川晃大 2002年生まれです まだ16歳!

ST600ポールポジションはMOTOBUMホンダの荒川晃大 2002年生まれです まだ16歳!

J-GP2クラスは名越哲平(MuSASHi RTハルクプロHonda)がランキングトップで、これを6ポイント差で追う作本輝介(Team高武RSC)、作本を1ポイント差で追う榎戸育寛(SDG Mistresa RTハルクプロ)の3人までにチャンピオン獲得の可能性があります。
公式予選では、ランキングトップの名越がポールポジションを獲得! それもレコードタイムの2分09秒428! 600ccで10秒切っちゃった! JSB1000クラスに換算しても25番手に相当するタイムです。予選2番手に榎戸、作本は4番手で決勝へ。
ここは、ちょっと予想つきませんねぇ。ひとまず3人とも優勝を狙ってくるでしょうけど、実は名越は3位でもチャンピオン確定! 作本と榎戸は、勝っても相手の順位待ち、ってところがあるので、そこの心理戦でレースが展開していきそうですね。

画像: 鈴鹿では圧倒的に速い高橋 「ほかのサーキットでもこれくらいうまく走らないと」(高橋)

鈴鹿では圧倒的に速い高橋 「ほかのサーキットでもこれくらいうまく走らないと」(高橋)

そしてメインイベントのJSB1000クラスは、これはもう連覇を狙う中須賀克行(ヤマハファクトリーレーシング)と、2年ぶりの戴冠を目指す高橋巧(TeamHRC)の一騎討ち。計算上では、野左根航汰(ヤマハファクトリー)と水野涼(MuSASHi RTハルクプロHonda)にもチャンピオン獲得の可能性があるんですが、ここはやはり中須賀vs高橋になるでしょうね。
現在、ランキングトップの高橋が、中須賀を11ポイントリード。これは、2レース制のうち中須賀が2勝、高橋が3位2回でも1ポイント差で高橋が逃げ切る計算。14周というスプリントレースのレース1で高橋優勝、中須賀2位だと、その時点で14ポイント差となって、レース2では中須賀優勝→高橋10位以下でないと逆転ができなくなります。
今日の公式予選は、あすのレース1/レース2と別々のアタックセッション。レース1予選では、なんと高橋が2分03秒592というニューレコードをたたき出してポールポジション。2番手に中須賀、3番手に野左根が続きました。さ、さんびょうって……、鈴鹿の関係者みんなの思いでしょう。

さらに夕方に行われたレース2への公式予選も、高橋がトップタイムをマーク! 今度は2分04秒385と、午前の驚愕タイムほどじゃなかったんですが、今度も2番手中須賀は0秒119及ばず、3番手にも同じく水野がつけました。

画像: 中須賀も鈴鹿は得意なコースで、「鈴鹿は苦手です」という野左根も常にトップ2の後ろにいます

中須賀も鈴鹿は得意なコースで、「鈴鹿は苦手です」という野左根も常にトップ2の後ろにいます

画像: 勝ってチャンピオンを決めたい高橋 11月7日にはWSBKの2020年ホンダライダーの発表があります そこに高橋の名前は…果たして…

勝ってチャンピオンを決めたい高橋 11月7日にはWSBKの2020年ホンダライダーの発表があります そこに高橋の名前は…果たして…

「午前の予選で2分03秒っていうのは、自分の想像以上にタイムが出て、ここまで出るとは思いませんでした。午後の予選はちょっとコンディションが変わって午前のタイムに届きませんでしたけど、明日のレースのことを考えると、少し対策しないとですね。後半戦、あまりいい流れを作れていなかったので、これで流れを戻せたらなぁ、と思います。明日は2レースありますけど、作戦はないです。理想は、春の2&4の時(注:ここで高橋はWウィン)のように最初から逃げられたら逃げようと。レースをする以上、出るからには勝ちたいです! 」(高橋)

明日は…実は鈴鹿にちょっと雨予報があって、午前中に降るかな、持ってくれるかな、って感じです。午前にJ-GP3とJSB1000決勝1(14周)があって、午後にST600、J-GP2、JSB1000決勝2、の順。泣いても笑っても、これが最終戦。最後までいいレースを期待したいです。

写真・文責/中村浩史

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