ホンダが誇る最新技術と高価な素材を惜しみなく投入
とてつもないスペックを引っさげて登場した新型CBR1000RR-Rですが、誕生の目的は一つ、最強スーパースポーツの座を奪還すること。惜しくもチャンピオンは逃しましたが、最近は高橋巧選手が操るCBR1000RRも目覚ましい速さを見せてくれました。でも、強力スペックのライバルにうち勝つには、ライバルを圧倒する内容で登場する必要があったのです。
ボアxストロークはなんとRC213V-S譲り!
ボア・ストロークのサイズをRC213V-Sと同じものとした新設計エンジンは、最新のスーパースポーツがこぞって採用しているフィンガーフォロワー型のロッカーアームを採用。高回転化に有利とされるこの方式の採用で、最高出力の217.6PSは、なんと1万4500回転で発生させています。
センターラムエアには工夫が満載!
センターラムエアのダクトの左右には、赤いラインで描かれた「タービュレーター」なるものがついています。これは、流入する走行風をあえて段差のあるところに当てることで、意図的に空気の「渦」を発生させて、フロントノーズまわりの空気の流れをコントロールするものと思われます。
画像はステアリングダンパーなのですが、その少し上にも注目してください。センターラムエアダクトから吸入した空気をフレーム内を通してエアクリーナーボックス内に導くための通路がみえます。ここもステアリングポストを上手に避けながら、空気の流れを考えて、考えて造った形状だと思われます。
マフラーはアクラポビッチとの共同開発!
パワーアップにはエンジンだけでなく、吸排気のセッティングも非常に重要。新型CBRはツインインジェクターの「PGM-DSFI」を採用していますが、排気系はあのアクラポビッチと共同開発という、ホンダとしては思い切った方法を採用しました。スラッシュカットデザインのチタンサイレンサーは、国内仕様でも標準装備となるのでしょうか? 今から楽しみです。
短いテールカウルにも意味があった?
スパッと切ったかのようにコンパクトなカウルで、テールランプは申し訳程度の小さなもの。とことん割り切った新型CBRのテールセクションですが、その理由がこの図版に現れています。このように、サイドのダクトウイングで整流された空気が、短いテールの隙間をキレイに抜けているのです。
いくらフロント側でキレイに整流したとしても、リアで乱流を起こしてしまっては意味がありません。しかも、レースシーンで活躍することが義務付けられているRR-Rでは、スリップストリームに簡単につかせないための後方の空気の流れも重要なわけです。
車体関係も工夫のカタマリ!
フレーム、スイングアームも新設計。3枚目の写真は、リアショックの取り付け位置を撮ったものなのですが、エンジン後部にショックマウントを追加して、そこにマウントしているようにも見えます。諸元では「プロリンク」とだけ記されていますが、これは従来のユニットプロリンクではないような気も…。もう少し取材を進めて、再びご報告します!
他にも気になるパーツがたくさん!
スタンダードのBPFフォーク+ニッシンキャリパーに対して、SPはオーリンズの電子制御サス+ブレンボキャリパーの組み合わせ。他にも書きたいことがいっぱいあるのですが、続きは月刊オートバイ1月号でもたっぷりご紹介しますので、そちらもお楽しみに!
マルク・マルケスが試乗したCBR1000RR-Rの感想は?注目動画です!
CBR1000RR-R SP 主要諸元
全長x全幅x全高 2100x745x1140mm
ホイールベース 1455mm
最低地上高 115mm
シート高 830mm
車重 201kg
タンク容量 16.1L
エンジン形式 水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量 1000cc
ボアxストローク 81x48.5mm
圧縮比 13.0:1
最高出力 217.6PS/14500rpm
最大トルク 11.52kg-m/12500rpm
ブレーキ前・後 φ330mmダブルディスク・φ220mmディスク
タイヤサイズ前・後 120/70ZR17・200/55ZR17