登場より1年で早くも変更を実施!初代によく似た外観ながら多くが異なる
2年目となる1984年に、GJ21A(RG250EW-2)へと進化。当時、GPレースのスポンサーはブリティッシュ・アメリカン・タバコで、同社がドイツで製造させていたHB(ハーベー)のパッケージデザインでレーサーをペイント。イエロー×ホワイトの鮮やかなカラーリングをRG250Гも採用した。
フレームの主材となるアルミ角パイプの断面形状を改めることで、剛性を向上させつつ軽量化。フロントブレーキキャリパーを対向式2→4ピストンに改める。外装パーツのデザインを変更するなどが最初期型との主要な相違点で、アンダーカウルを標準装備して価格は49万8000円とされた。
1984年2月の発売時は黄×白の1色だったが、1カ月後の同年3月には1983年型と同様な青×白が登場。こちらはアンダーカウルはオプショナルパーツ扱いで、これを持たない仕様は価格据え置きの46万円とされた。
つけ加えると、当時は当然の装備だったセンタースタンドを持たないこともRG250Гの特徴だが、スズキは車名ロゴが入ったプレートを持つГスタンドをオプションとして用意。レーシングスタンドと同構造で5000円だった。
2型、RG250EW-2の真横で、黄色を基調としたカラーリングが特徴的。シートはHBのロゴマークの地色と同様の赤とされる。全長/全幅/全高:2050/685/1220㎜で、全高のみ5㎜高くなる。1385/785㎜の軸距/シート高は不変だが、乾燥重量は131→128㎏に減少した。
機構面で大きく変化したのはアルミフレームで、角パイプの4辺それぞれを少し内側にへこませ、多角断面としたマルチリブ構造を新たに採用。初代のフレームより約5%軽量、単体重量は7.3㎏と発表された。
モノショックの下部にリンクを置くフルフローター式のリアサスペンションは初代と同じ。16/18インチのホイールサイズは不変だが、装着タイヤはミシュランの新型にされ、リアは100/90から110/80に、太さと扁平率を変更。
写真はHBカラーのカタログで、左下で車体を直立させているのがオプションのГスタンド。前方に伸びるアームの先端にはハンドル用と同様なゴムグリップが取り付けられ、これを手で持ってスタンドを操作する。カウルはノーズ部の形状を変更、ウィンドスクリーン上端部がやや高くなった。
フロントブレーキキャリパーが4ピストン化された結果、フロント8個、リア2個で計10個のピストンを持つことから、10を意味するデカ(DECA)を使った造語、デカピストンブレーキシステムとスズキは称した。
ゼロが時計の5時方向にあり、回転数が上がるにつれて指針が上を向く回転計を中央に置く3連メーターや、上部プレートが卵形のエアプレーン式タンクキャップ、アルミ鍛造製セパレートハンドルなどを初代から受け継ぐ。
フロントフェンダーにアルミ製のスタビライザーを新設、同所にフェンダー固定ボルトを置く構造としたため、フロントフォークのアウターチューブは造形が変わった。
青×白の登場に合わせて作成されたカタログで、HBは1枚ものの4ページだったがこちらは8ページに増えた。
外装や電装パーツを取り外した写真を大きく掲載しており、ヘッドパイプ上側とスイングアームピボット上側を2本のレールで直線的に結び、エンジンを下側から抱えるように左右アンダーチューブを配していることがよくわかる。
フレームと同様にスイングアームも左右レールがマルチリブに変わっており、軽量ながら剛性が高められた。
2サイクル水冷並列2気筒の基本に変化なく、45ps/8500rpmの最高出力や3.8㎏-m/8000rpmの最大トルクなどは不変だが、ソレノイドバルブでエア吸入量を電子的に制御するEACS:エレクトリックエアコントロールシステムを採用。
ラジエターは新作で、容量を15%拡大して冷却効率を向上。排気系も換装され、サイレンサーの外筒がつや消しは1型、鏡面仕上げが2型だ。
Powered By Bikers Station
連載【RG-Γ伝】続きはこちら!
スズキ「RG250Γ」の関連記事はこちら!
【連載】日本のバイク遺産「2サイクル250cc史」はこちら!
スズキ「RG250Γ」はこちらのMOOKに詳しく掲載されています
モーターマガジン社 (2017-08-31)
売り上げランキング: 177,215