グリップ一体型スイッチでスッキリ装着、操作もスムーズ
DAYTONA「ホットグリップ ヘビーデューティービルトイン4Sn」
グリップヒーターは冬専用の装備と思われがちだが、実際の使用頻度は意外なほど多い。
僕は防寒グローブを着けたときの操作性悪化を嫌って外気温5℃以下までは3シーズングローブ+グリップヒーターで凌いでいるし、夏場でも雨のときは積極的に使う。
グリップ外径はφ33.6㎜と発表されているが、実測では約32.5㎜。ちなみにニンジャ1000の純正グリップは約31.5㎜なので差はごく僅か。
これまでのグリップヒーターのネガ要素は発熱体の内蔵によってグリップ外径が太くなることと、スイッチ増設でハンドル回りがゴチャ付くことだが、ここ数年で外径を細くして左側グリップとスイッチを一体化した製品が登場し、人気を集めている。
デイトナの新製品『ヘビーデューティービルトイン4Sn』はグリップ外径が公称φ33.6㎜と細く仕上げられ、スイッチも指に干渉しないので握ったときの違和感は全くない。
便利なのがスイッチの4秒間長押しで起動し、フルパワーで4分間の急速暖房を行ってから任意の設定温度(4段階)に自動的に切り替わる機能。
テスト時は外気温13℃程度だったが、3シーズングローブ+消費電力約26wのレベル2で充分に暖かかった。
約35wのレベル4(フルパワー)にすると素手では握れないほど熱くなり、商品名に「ヘビーデューティー」が付いていることにも納得。
別体のスイッチ/インジケーター部を装着する必要がないので配線や取り付け作業が簡単で、ハンドル回りがゴチャ付くこともないし、ハンドルから手を離さずにスイッチ操作ができるのもメリット。
スイッチ別体式の他製品と比べると高価だが、この暖かさと使いやすさ、スタイリッシュさを考えれば納得だ。
なお、グリップ部の固定に通常の接着剤を使うと熱で柔らかくなって接着力が落ちることがある。
ホットグリップ専用のエポキシ系接着剤の使用を強くお勧めする。
テスター太田安治の欲張りリクエスト
暖かさと使いやすさは文句なし。グリップの素材がやや硬く、表面の凹凸も細かいので、羊革のように柔らかな素材のグローブだと掌側が摩耗しやすいかも。
スイッチはもう少し大きいと冬用グローブでも操作しやすいはず。
文:太田安治/写真:松川 忍、南 孝幸