前後足まわりやフレームを刷新、右2本出しの排気系が目を引く1990年型

RGV250Γ(VJ22A)1990〜1993

画像: 前後足まわりやフレームを刷新、右2本出しの排気系が目を引く1990年型

初代RGV250Гが登場してから2年後となる1990年型において、大幅な改良を実施。当時の開発サイクルは非常に短く、他メーカーも1988年とは異なるモデルを市場に投入していた。3型となる新しい"ブイガンマ"は、VJ22Aに型式が変化、機種記号の末尾に付くアルファベットはLとなった。

より高次元にエンジンを電子制御するSAPC:スズキ・アドバンスド・パワー・コントロールや、排気タイミングを細密にコントロールするAETCⅡ:オートマチック・エグゾースト・タイミング・コントロールⅡを採用。排気系も新設計で、2本のサイレンサーを車体右側の上下に並べている。

フレームはシートレールを別体構造に変更。フロントフォークは倒立式とされ、リアには右レールが湾曲したスイングアームを置く。

画像: フレームは先代と同様に着脱式のアンダーレールを持つツインスパーだが、鋳造のヘッドパイプ部とスイングアームピボットプレートを肉厚に変更。アルミ角パイプによるシートレールは着脱式に変わった。シートレール後方にあるタンクは2サイクルオイル用で、反対側には冷却水のタンクを装着。ホイールはリアをフロントと同じ17インチに小径化、前タイヤは110/70を維持するが、後ろは140/60→150/60にワイド化された。

フレームは先代と同様に着脱式のアンダーレールを持つツインスパーだが、鋳造のヘッドパイプ部とスイングアームピボットプレートを肉厚に変更。アルミ角パイプによるシートレールは着脱式に変わった。シートレール後方にあるタンクは2サイクルオイル用で、反対側には冷却水のタンクを装着。ホイールはリアをフロントと同じ17インチに小径化、前タイヤは110/70を維持するが、後ろは140/60→150/60にワイド化された。

画像: 新採用となる倒立式フロントフォークはインナーチューブ径41㎜で、標準モデルはプリロードのみ、スポーツプロダクションの2モデルは全調整式。フローティングのブレーキディスクは外径が290→300㎜に拡大されるが、キャリパーはトキコの銘柄や、対向式異型4ピストン(φ34+30㎜)のスペックは不変。

新採用となる倒立式フロントフォークはインナーチューブ径41㎜で、標準モデルはプリロードのみ、スポーツプロダクションの2モデルは全調整式。フローティングのブレーキディスクは外径が290→300㎜に拡大されるが、キャリパーはトキコの銘柄や、対向式異型4ピストン(φ34+30㎜)のスペックは不変。

画像: メーターや樹脂製のリザーバータンクを持つフロントブレーキのマスターシリンダーなどは初代に倣うが、アッパーカウルを左右から支持するステーを新設したのが大きな違いとなる。

メーターや樹脂製のリザーバータンクを持つフロントブレーキのマスターシリンダーなどは初代に倣うが、アッパーカウルを左右から支持するステーを新設したのが大きな違いとなる。

画像: 右2本出しの排気系はGPレーサーを手本としたもので、性能だけでなく視覚のうえでも特徴となる。この配置を実現するためにスイングアームは右レールが大きく湾曲。リアブレーキキャリパーは、対向式2ピストンから片押し式2ピストンに変化。

右2本出しの排気系はGPレーサーを手本としたもので、性能だけでなく視覚のうえでも特徴となる。この配置を実現するためにスイングアームは右レールが大きく湾曲。リアブレーキキャリパーは、対向式2ピストンから片押し式2ピストンに変化。

画像: 水冷90度V型2気筒は、56×50.6㎜のボア×ストロークより249.3㏄を得ることや、45ps/9500rpmの最高出力は同じだが、最大トルクは3.8→3.9㎏-mとわずかに増加(8000rpmの発生回転数は同じ)。排気ポートに置かれたバルブの作動をより細かく制御する方式に変更、中回転域での力強さを高めて乗りやすさを向上。キャブレターは、これまでのメイン系に加え、スロー系も空気の流れを電子制御する新しいスリングショットキャブレターへと進化。全回転域における優れたスロットルレスポンスを得ることが狙いだ。

水冷90度V型2気筒は、56×50.6㎜のボア×ストロークより249.3㏄を得ることや、45ps/9500rpmの最高出力は同じだが、最大トルクは3.8→3.9㎏-mとわずかに増加(8000rpmの発生回転数は同じ)。排気ポートに置かれたバルブの作動をより細かく制御する方式に変更、中回転域での力強さを高めて乗りやすさを向上。キャブレターは、これまでのメイン系に加え、スロー系も空気の流れを電子制御する新しいスリングショットキャブレターへと進化。全回転域における優れたスロットルレスポンスを得ることが狙いだ。

画像: 点火時期の制御ユニットも新作で、エンジン回転数とスロットル開度の両データを考慮して点火時期をコントロールするMDIS:マルチプル・デジタル・イグニション・システムに換装するなど、吸気、排気、点火と多くの領域にデジタル制御を導入。シリンダーの内壁に窒化ボロンメッキを施したSBC:スズキ・ボロン・コンポジットシリンダーにより、潤滑性、放熱性、耐久性を高める。クランクの全長を短縮、左端に置かれるフライホイールを外向きから内向きにしてマスの集中を促進するといった改良も実施された。

点火時期の制御ユニットも新作で、エンジン回転数とスロットル開度の両データを考慮して点火時期をコントロールするMDIS:マルチプル・デジタル・イグニション・システムに換装するなど、吸気、排気、点火と多くの領域にデジタル制御を導入。シリンダーの内壁に窒化ボロンメッキを施したSBC:スズキ・ボロン・コンポジットシリンダーにより、潤滑性、放熱性、耐久性を高める。クランクの全長を短縮、左端に置かれるフライホイールを外向きから内向きにしてマスの集中を促進するといった改良も実施された。

画像: RGV250Γ(VJ22A)1990年1月31日発売 60万9000円+消費税3%(当時)

RGV250Γ(VJ22A)1990年1月31日発売 60万9000円+消費税3%(当時)

1990年1月31日に発売された1990年型の標準モデルで、青×白と黒の単色から選べた。外装の基本的な造形は先代に通じるが、燃料タンクの上面が平坦になり、フロントをアッパーカウル側面、リアをフェンダーの両脇にステーなしで装着していたウィンカーは、短いステーを持つ小型のものに変化。全長は-10mmの1980mm、全幅は-5mmの690mmに減少するが、全高は+5mmの1070㎜に増大。軸距は+5mmの1380mmに伸ばされる。乾燥重量は+8kgの139kgをカタログに記す。

シートカウル側面を黒とし、全調整式の前後ショックや乾式クラッチ、クロスミッションを装備。二次減速比の変更により、このモデルのみ軸距が5mm長い。2枚目は1990年3月1日に追加されたスポーツプロダクションⅡで、前後ショックや乾式クラッチはそのままに、ミッションをSTDと同一とする。5

画像: RGV250Γ SPORTS PRODUCTIONⅡ(VJ22A)1990年4月下旬発売 60万9000円+消費税3%(当時)

RGV250Γ SPORTS PRODUCTIONⅡ(VJ22A)1990年4月下旬発売 60万9000円+消費税3%(当時)

1990年4月下旬に追加されたニューカラーで、シルバーを基調色としながら薄いゴールドのロゴを組み合わせ、テールカウルの側面をつや消し黒とする。1990年型GSX-R400にも同様な車体色が存在した。つけ加えるとスズキは、RG250Гや1990年型RGV250Гの一部まで、塗色に特別な名称を与えず、ブルー・ホワイトツートーンやレッド・ホワイトツートーンなどと記載したが、黒いカラーリングにスプリントブラック、この銀のモデルにはブレードシルバーメタリックという名前を与えた。

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