長年の商品展開から新KATANAにもいち早くパーツを供給

自社内のNCマシニングセンタによる高質なアルミ削り出しパーツを多くの車種向けに展開するアグラス。

スズキ系に強い一面もあって、新型KATANA用のパーツ群も2019年7月末から続々リリースした。

その最大の注目は、他社に先駆けていち早く製品化されたハンドルキット、そして同社が得意とする各種のエンジンスライダーだろう。

画像: アグラスKATANA(スズキKATANA)/ファン待望のセパハンやスライダーキットをいち早く発売!#Heritage&Legends

「まずハンドルはKATANAのリリース前から『位置を変えたくなる人なる人が多いだろうなあ』と形や位置の案を練って、実車が手元に来てからは実際にどう作れるか、あれこれ試していきました。タンクカバーが高めなことや、位置を変えると意外に干渉してしまう箇所も多くて、なかなかスペースが取れませんでした。

一時は干渉を防ぐためにハンドル切れ角を抑えて、そのためにハンドルストッパーや専用のハンドルロックも付属させようかと考えましたが、そうしてしまうと価格も上がりますし、何より、ハンドル切れ角は多い方がバイクの取り回しがしやすい。ですから、ノーマルの切れ角を残して頑張ってみました。治具も作って、以前作った製品のB品(いわゆるジャンク品)を加工して付けてみたりして製作データが出来まして、それで作ったのがこのトップブリッジとセパレートハンドルキットなんですよ」(アグラス/担当・久保山さん)

装着写真をよく見ると、十分な強度と質感を持たせながら、干渉しそうな箇所には逃げを持たせている点にも気がつく。位置としてはノーマルから少し車体前側×少し下で、垂れ角は10度と久保山さん。KATANAが持つ立体造形が引き立つサイバーチックなデザインと、アグラス得意の削り出しパーツのルックスがうまくマッチしそうだし、この位置なら換えてみたくなりそうだ。

広範な車種用をラインナップするエンジンスライダーも、アグラスの定番アイテム。KATANA用は左右が異なるエンジン外観にそれぞれ合わせたデザインを受けたA2017製ベースを削り出しで作り、バフ加工した上にアルマイトで仕上げる。その上にポリアセタール樹脂のスライド部をマウントする作りは従来から一貫したもので、ルックスもアップする。

「KATANAでは新しくエンジンマウント前/上をつなぐデザインでフレーム補強の役割も持たせたタイプも加えました」(久保山さん)とのことだが、このデザインは新鮮でもある。

ほかにも専用品としては外付け式のヘルメットホルダーが加わり、ステップやエンジン以外の各部スライダーは既に販売中のGSX-S1000用が転用できるとのこと。高質で“使える”アグラスのパーツ群、KATANAにもマッチング良好。オーナーならずとも注目してみたい。

Detailed Description 詳細説明

画像: 削り出されたトップブリッジ(右奥)ほかパーツ群。手前がバー。トップブリッジはウイング形状で、裏側に肉抜きも施される。トップブリッジキットはハンドル高さは変わらず奥10/0/手前10mmに位置変更可能で純正テーパーバー用と一般的なφ22.2mm用設定がある。

削り出されたトップブリッジ(右奥)ほかパーツ群。手前がバー。トップブリッジはウイング形状で、裏側に肉抜きも施される。トップブリッジキットはハンドル高さは変わらず奥10/0/手前10mmに位置変更可能で純正テーパーバー用と一般的なφ22.2mm用設定がある。

画像: セパレートハンドルキットのハンドル装着図。アルミ削り出しのブリッジ下からマウントパーツを出し、その上にバークランプが載る形で、ノーマルより少し前にバーが行く。ケーブル類はノーマルが仕え、ハンドルまわりおよびKATANA全体の印象を換えられる。

セパレートハンドルキットのハンドル装着図。アルミ削り出しのブリッジ下からマウントパーツを出し、その上にバークランプが載る形で、ノーマルより少し前にバーが行く。ケーブル類はノーマルが仕え、ハンドルまわりおよびKATANA全体の印象を換えられる。

画像: 別角度からのカット。トップブリッジを換装して左右各マウントを装着、バーを載せる。各部とのクリアランスも考えられている。写真は「セパレートハンドルキット」のトップブリッジで、バーハンドル対応の「トップブリッジ」とは別製品である点には注意を。

別角度からのカット。トップブリッジを換装して左右各マウントを装着、バーを載せる。各部とのクリアランスも考えられている。写真は「セパレートハンドルキット」のトップブリッジで、バーハンドル対応の「トップブリッジ」とは別製品である点には注意を。

画像: クランクケースを保護するレーシングスライダーは同社の定番商品。アルミA2017削り出しのベースにポリアセタール製スライダーをスタイリッシュに組み合わせる。エンジン前側はマウントを連結する独自形状(写真では確認用型紙で、右端写真に製品が見える)。

クランクケースを保護するレーシングスライダーは同社の定番商品。アルミA2017削り出しのベースにポリアセタール製スライダーをスタイリッシュに組み合わせる。エンジン前側はマウントを連結する独自形状(写真では確認用型紙で、右端写真に製品が見える)。

画像: エンジン左側、ジェネレーターカバーに装着するレーシングスライダーは3タイプある。写真は「ジェネレーターC」タイプでアルミ製ベースをジェネレーターカバーに共締めする。そこにジュラコン製スライダーを装着。アルミベースをV字型にした「ジェネレーターA」タイプ、ジュラコン削り出しスライダーのみを装着する「ジェネレーターB」もある。またフレーム前側装着用も3タイプを設定。

エンジン左側、ジェネレーターカバーに装着するレーシングスライダーは3タイプある。写真は「ジェネレーターC」タイプでアルミ製ベースをジェネレーターカバーに共締めする。そこにジュラコン製スライダーを装着。アルミベースをV字型にした「ジェネレーターA」タイプ、ジュラコン削り出しスライダーのみを装着する「ジェネレーターB」もある。またフレーム前側装着用も3タイプを設定。

画像: NCマシニングセンタに削り出しデータを入力中の久保山さん。こうしたシーンやバックグラウンドも知っておくと、削り出しパーツを手にしたり使ったりする時に楽しさも増すだろう。アグラス製パーツの多くはこうして作られる。

NCマシニングセンタに削り出しデータを入力中の久保山さん。こうしたシーンやバックグラウンドも知っておくと、削り出しパーツを手にしたり使ったりする時に楽しさも増すだろう。アグラス製パーツの多くはこうして作られる。

画像1: Detailed Description 詳細説明
画像2: Detailed Description 詳細説明
画像3: Detailed Description 詳細説明

アグラス社内で作業を待つ部分品群。最上段は表面を削り出したステーでこの後裏面を加工。中断はリヤスタンドフックで、この後表面加工が施されていく。下段はスライダー(ジュラコン/ポリアセタール樹脂製)で、手前がフレーム用、左と奥はエンジンスライダー用だ。

取材協力:アグラス

記事協力:ヘリテイジ&レジェンズ

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