バイクに乗る機会が増えること間違いなし、街乗りもロングツーリングも楽しめる装備と心地よさ
東京モーターショー2019でのサプライズ発表から約5週間後、12月1日にW800が発売されました!
詳細インプレは月刊オートバイのテスター陣が行ないますが、合間に「ちょっと乗ってきていいよ」ということで、私西野もお散歩試乗してきました。
すでにW800ストリートとW800カフェが人気を博している中、この復活を遂げた「無印」のW800は、どういった需要にマッチするのか……。
約20kmしか走っていませんが、それだけでもう分かったことがありました。
このW800は、一台でだいたいのことができるオールマイティ・バイクです!
何が言いたいかというと、街乗りからショート&ロングツーリングまで、こなせるということ。そう思った大きな理由が5つありますので、紹介していきます。
だいたいのことができると思った理由、其の一
自然なポジション
W800ストリートともW800カフェともちがう、もっともニュートラルなライディングポジション。跨り写真を撮っていなくて申し訳ございません。
手を下した位置にハンドルがあり、足を下した位置にステップがある。しかも自然とニーグリップも完了している。そんなファースト・跨り・インプレッションでした。
僕の身長は175cm。ピタッとフィットしましたが、大きく感じるか小さく感じるか、どちらか2択とと問われれば、小さく感じました。
日本人男性の平均身長といわれる170~172cmくらいのライダーを想定して造られたのかもしれません。
見た目の存在感は充分に大型バイク、だけど跨ればナナハンオーバーとは思えない親しみやすさ。なんだかお得な気がします。
W650や以前のW800が女性ライダーにもウケていたように、この新型W800も、乗りやすさとデザインの両面でとっつきやすさがあります。
だいたいのことができると思った理由、其の二
現行のW800シリーズで唯一の19インチ・フロントホイール!
W800はフロント19インチ、リア18インチのホイールが採用されています。
W800ストリート/カフェは、前後18インチ。この2台と比べると、乗り味はゆったりとしていました。これは好みによって意見が分かれると思います。
峠でも攻めたいぜ!って人はストリートやカフェの方がいいでしょう。高速道路で遠くに行きたいよ!って人は前19インチのW800の方が快適だと思います。
あとは個人的に、前輪19インチってロングツーリングで絶大な安心感があると思っています。
ツーリングをしていると、砂利道を走ることも多々あります。知らない土地でいきなりのダート、そんなときフロント19インチ+自然なライディングポジションだと、安心して対応できます。
キャンプ場の敷地や、古都の石畳、舗装の荒れた林間の県道、ちょこっとだけ林道走行……などなど、タイヤが大きくてよかった、ポジションが前傾じゃなくてよかった、と思う場面は意外と多いものです。
だいたいのことができると思った理由、其の三
タンデムがしやすい!
W800ストリート/カフェと同じく、リアシートの両サイドにグラブバーが備わっています。シートも車体に合わせたノスタルジックなタックロール。普通に二人乗りが楽しめるバイクです。
女性にも人気のWシリーズ。これはモテるバイクとも言えるでしょう。トラディショナルなデザインは、分かりやすくて、親しみやすい。
ベテランライダーや、昔Wに乗っていた元ライダーの方からなどからも頻繁に声を掛けられそうですね。
だいたいのことができると思った理由、其の四
荷物が積みやすい!
タンデムが楽なら荷物も載せやすい。特にW800はシリーズすべて荷掛けフックが優秀で、何も悩まずバッグを積むことができます。
ノーマル状態で、バッグを留めるコードさえ持っていれば、納車日にキャンプツーリングへ出かけることだってできるでしょう。
だいたいのことができると思った理由、其の五
メンテナンス性が高い!
トラクションコントロールをはじめとするハイテクな電子制御装備は非搭載。それに好感を持つ人は僕だけではない気がします。
「いろいろ自分でも触れそう」そんな風に思わせてくれるのは、これまでのWシリーズと同様。カウルもありませんから、自然とセルフ・メンテナンスをしたい気持ちが湧いてきます。
また、W800シリーズで唯一、センタースタンドが標準装備。これはありがたいですね!
金属パーツが多いのも、磨く楽しみを生み出してくれています。手入れをしていればいつまでもピカピカで乗れそうです。一台と長く付き合いたい人にもおすすめですね。
以上、5つの理由から、僕は「かなり万能だなあ、これ一台でなんでもできそうだなあ」と思ったわけです。
さらに、W800には、こんな嬉しいポイントもありました!
新型W800 ファースト・インプレッション まとめ
今回は約20kmほどしか走っていませんが、乗って降りるを数回繰り返しているうちに、小一時間で「このバイクに何年も前から乗っていたんじゃないか」と思えるほどフィットし、借り物のバイクを何の違和感もなく扱っていました。
大型バイクだけど、ちょっとコンビニに行くのにも使いたくなりそうです。
そして、W800の最大の特徴である空冷SOHC2バルブ並列2気筒エンジンの鼓動感。令和生まれのバイクなのに、味わいたっぷり。
ドコドコドコッと信号待ちでも心地よく身体に染み渡る鼓動感こそ、「また次の週末もバイクに乗ろう」と思わせてくれる最大の魅力かもしれません。
そして歴代のWシリーズ同様、このW800も日本のどこを走っても、置いても絵になります。それがまた旅へといざなうはずです。
フィーリングには好みがあります。スタイリングや装備がいいと思った方、ぜひ全国のカワサキプラザなどで、試乗をしてみるのがおすすめです。
ハマる人には、おそろしくジャストフィットしてしまうバイクだと思いますよ。
レポート:西野鉄兵
カワサキ W800の主なスペックと価格
全長×全幅×全高:2190×790×1075㎜
ホイールベース:1465㎜
シート高:790㎜
最低地上高:125㎜
車両重量:226㎏
エンジン形式:空冷4ストOHC4バルブ並列2気筒
総排気量:773㏄
ボア×ストローク:77×83㎜
圧縮比:8.4
最高出力:52PS/6500rpm
最大トルク:6.3㎏-m/4800rpm
燃料供給方式:FI
燃料タンク容量:15L
キャスター角/トレール量:27度/108㎜
変速機形式:5速リターン
ブレーキ形式 前・後:φ320㎜ディスク・φ270㎜ディスク
タイヤサイズ 前・後:100/90-19・130/80-18
メーカー希望小売価格(税込):110万円/2019年12月1日発売