250クラスの車体を使ったスポーツEV!
EICMAのショー会場、カワサキブースの奥に1台のストリップモデルが展示されていた。
展示台の下には「EV PROJECT」の文字。
そう、これはカワサキが研究開発を進めている、次世代EVスポーツバイクの最初のプロトタイプなのである!

官能的な性能が魅力のスポーツバイクを中心に展開するカワサキではあるが、時代がEVへと流れていくのを見過ごすはずもなく、2000年ごろには研究をスタートさせていたという。
カンファレンス会場では、2代目ニンジャ250のボディをまとった試作車がサーキットを走行するシーンも流され、開発が進んでいることを広くアピールした。
現時点ではスペックはもちろん、車名すら決まっていないが、マシンの出来栄えを見るに、完成車の登場にはそう時間もかからなそう。
次なる展開を期待して待ちたい。
テスト車両はニンジャ250!
2000年ごろの開発スタートということもあって、テスト車の車体には当時の250スポーツ、2代目のニンジャ250が選ばれた。
この頃、欧州の一部メディアで特許申請の図版とともにこの情報がスクープされ、当時は「ニンジャE2」という名前になるのでは、と噂されていた。
会場ではこのバイクの走行シーン動画も流されていた。

HV車でお馴染みの回生ブレーキ機構を搭載
ショー会場に展示されていたプロトタイプは、ボディパーツのないストリップモデル。
大きなバッテリーとモーターを車体中央にレイアウト、それを設計の自由度が高い、鋼管トレリスフレームで支える構造だ。

特徴的なのは、電動コミューターに多い、モーター直結タイプのEVではなく、後輪駆動用にマニュアルミッションを備えている点。
モーターサイクルを操る楽しさを重視してこの方式が採用されたと思われるが、電動ならではの大トルクを考慮してか、ミッションは4速となっている。

展示車両を見る限り、足回り関係はニンジャ250あたりに由来するパーツをそのまま使っているようだ。
注目したいのは、EVらしく回生ブレーキ機構も搭載している点。
詳細な説明はなかったが、会場では左手の親指を使うブレーキレバーが映されていた。

回生ブレーキシステムは左親指!
いまやハイブリッド車ですっかりおなじみになった回生ブレーキ機構も、このEVプロジェクトのマシンに搭載されている。
左手の親指を使うブレーキレバーを増設しているところを見ると、ライダーがマニュアルで作動させるシステムのようだ。
ストリップモデルにはワイヤーでレバーと連動したスロットルカムのようなものも設置されており、減速時の補助ブレーキとして使いつつ、回生を行う仕組みとなっているようだ。
DETAILS

バッテリー上部にはエアクリーナーボックスのような黒い箱をマウント。おそらく、内部には各種制御ユニットやインバーターなどが収まっているものと思われる。

左足部分のシフトペグの上には、4速リターンミッションであることを示す、シフトパターン表示が記されている。

オレンジの高電圧ケーブルでバッテリーとつながっているのがモーター。その後ろにはマニュアルミッションがセットされる。

バッテリーやインバーターの熱対策として、車体下部には小型クーラーをセット。おそらくだが油冷式と思われる。

車体中央の大型のボックスがバッテリー。マシンの動力性能と航続距離に影響するEVの要だ。フレームは鋼管トレリス方式を採用。

リアサスペンションはモノショックで、リンクを用いたカワサキならではの「ユニトラック」方式。ニンジャ250のものと思われる。

スイングアームはスチール製と思われる。タイヤはダンロップのラジアルで、サイズは150。当時のニンジャ250より1サイズ太い。

ホイールやブレーキキャリパーは当時の2代目ニンジャ250のものと思われる。タイヤはダンロップのラジアルを履いていた。

詳細は不明だが、マニュアルミッションを採用するEVプロトタイプは、クラッチに通常のワイヤー式を採用している模様。

通常のバイクとは表示項目が異なるのと、データ回収の目的もあり、メーターは2D製を採用。電圧、速度などが見て取れる。
Kawasaki EV Project Electric Motorcycle
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