カスタムカルチャーを熟知し
オリジナルに昇華!
スタンダードなV9ボバーのワイドなハンドルから、ドラッグレーサーのようなショートなハンドルを装着することで、大柄な車体が一気にスリムでコンパクトに感じられる。さらに丸型ヘッドライトの上へコンパクトなアルミ製のバイザーが追加されて、フロントマスクが軽快でスポーティなイメージに見えてくる。
ステップ周りもベースモデルのV9ボバーとは異なり、ステップホルダーやバー、ペダルなどの全てのパーツが高級感のあるアルミ製に変更された。低くショートにされたハンドルバーと合わせて、V9ボバーよりもスポーティなポジション設定だ。
V9ボバースポーツで新たに装備された、マットブラック仕上げのアルミニウム製スリップオンサイレンサー。伝統の850cc空冷Vツインが発する、モト・グッツィならではの鼓動感あふれるサウンドをより魅力的に強調してくれる。エンド部分をスラッシュカットしたデザインで、スタイリングにエレガントさがプラスされた。
V9ボバー用に開発された850cc空冷縦置OHV2バルブVツインエンジン。燃焼室形状の変更、各部の見直しによるフリクションロス低減と耐久性向上、潤滑系の改良などによってパワフルな特性を実現し、同時に鼓動感あふれるフィーリングも備える。もちろんヨーロッパの排気ガス規制基準であるユーロ4にも適合。
Φ40㎜正立フロントフォークとブレンボ製の対向4ピストンキャリパー&320㎜ステンレス製シングルディスク、16インチのアルミ鋳造ホイールを組み合わせたフロント周りは、タイヤまで含めてスタンダードなV9ボバーと基本的に共通。フロントフェンダーのみ軽快さを感じさせるショートな専用パーツに変更された。
左右側面のエッジの効いたプレスラインが目立つ、特徴的な形状の燃料タンク自体はV9ボバーと同じものだ。V9ボバースポーツ専用色である「スポルト」にカラーリングされることで、V9ボバー同様の美しいスタイルにアグレッシブさが加えられている。
V9ボバーの快適性を重視した分厚く大きなシートから一転、V9ボバースポーツのシートには非常に薄いシングルシートが装着された。座面が下がることでライディングポジションをコンパクトでスポーティに変更する効果に加えて、テール周りの印象を一気に軽快な雰囲気に変化させることも狙っている。テールランプ、ウインカーはV9ボバーと共通だ。
タンクと同色にペイントされたサイドカバーはアルミ製の専用品。リアブレーキは260㎜ステンレス製ローターにブレンボ製対向2ピストンキャリパーを組み合わせる。V9ボバースポーツで標準装備とされたオーリンズ製のツインショックは、プリロード、圧側・伸側のダンピングが調整可能なフルアジャスタブルで、高精度で繊細なセッティン変更にも応えてくれる。
ショートライザーで装着されるドラッグバーハンドルは装着位置が前進していて、V9ボバーより前傾したポジションとなって、コンパクトでスポーティーなライディングスタイルを取れる。多機能液晶付のシンプルでクラシカルな単眼アナログメーターはV9ボバーと同じものだは、ブラックの盤面に白い文字という正反対のカラーを採用。
単なるロードスポーツとは一味違う、イタリアンならではの洗練されたスポーティさに、おおらかでワイルドなアメリカンテイストをミックスしたというべきV9ボバースポーツのユニークなスタイリング。カテゴリーを超えた独自の世界を築いている。
全長×全幅×全高 : 2185×840×1160mm
ホイールベース : 1465mm
シート高 : 785mm
車両重量 : 210kg
エンジン形式 : 空冷4ストロークV型2気筒OHV2バルブ
総排気量 : 853cc
ボア×ストローク : 84×77mm
最高出力 : 55HP/6250rpm
最大トルク : 6.3kgm/3000rpm
燃料供給方式 : FI
燃料タンク容量 : 15L
変速機形式 : 6速リターン
タイヤサイズ前・後 : 130/90-16・150/80-16
価格 : 134万2000円(税込)
撮影:松川 忍 モデル:葉月美優 文:小松信夫/編集部
動画:葉月美優さんのインプレッションはコチラから!
協力:MOTO GUZZI