※この記事は月刊オートバイ2018年10月号(別冊付録 RIDE)で掲載したものを加筆修正しております。
疾走りきったから、わかる事
この旅で初めて知ったこと。それは、こけしに産地による違いや系統があると言うことです。白石市に伝わるのは弥治郎系と呼ばれるもので、ろくろ模様がたくさん入った胴が特徴です。
誰もが知っている、こけし。しかし、何のために作られたのが始まりなのかは、今でもはっきりとはわからないそうです。その中でも、子供のおもちゃだと言う説が有力だとか。
こけし村で職人さんの作業を近くで見せていただいたり、地域の歴史を学びました。改めて、こけしをよく見ると、手作りの風合いが出ていて正に伝統工芸という言葉が当てはまります。
温麺(うーめん)もまた、白石市の特産品です。江戸時代この地に住んでいた男が、胃腸の弱い父親のために、油を使わない麺を考案したそうです。
それを知ったお殿様が、父親思いのそのエピソードを喜び「温麺」と名付けたと言われています。
そのお殿様が住んでいた城とは、神明社がある白石城なんですって! 武家屋敷の街並みが残っていたり、歴史を身近に感じられる街でした。
「うーめん番所」奥州街道
住所: 宮城県白石市西益岡町2-3
材料は小麦、水、塩のみで作られているという温麺。麺が短いので、とっても食べやすく、どんどん食べられます。
さらに油を使用していないせいか、後味がとってもサッパリしています。食欲が落ちる夏には最高。
思い返すと、雨が止んでくれたタイミングは、どれも奇跡的。でも、その最中は奇跡的だとは思わなかった。どれも必然のような気がして。
今となっては、それが偶然でも必然でも、ましてや奇跡でも何でもいい。どんな時でも疾走りきってこそ、わかる事がある… 神社拝走の旅は続く!
文:佐々木優太 写真:関野 温