PHOTO:赤松 孝、鶴見 健 TEXT:宮崎敬一郎、月刊オートバイ編集部
貪欲なまでに勝利を目指すホンダの「執念」を感じる!

新型のRR-Rは、ダクトウイングを収めたふっくらとしたカウルが目立つ。このせいで、歴代のCBRよりカウル幅は広い。でも、このウイングが3速くらいまでのパワーリフトを抑えるらしい。MotoGPテクノロジーは、ただ流行りに乗ったのではなく「勝つため」のアイテムなのだ。

CBR1000RR-R FIREBLADE/SP
最高出力:217.6PS/14500rpm
最大トルク:11.5㎏-m/12500rpm
予想発売時期:2020年春
全長x全幅x全高 2100x745x1140㎜
ホイールベース 1455㎜
最低地上高 115㎜
シート高 830㎜
車両重量 201㎏
エンジン形式 水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量 1000㏄
ボアxストローク 81x48.5㎜
圧縮比 13.0:1
最高出力 217.6PS/14500rpm
最大トルク 11.52㎏-m/12500rpm
燃料供給方式 PGM-DSFI
燃料タンク容量 16.1L
キャスター角/トレール量 24度/102㎜
変速機形式 6速
リターンブレーキ前・後 φ330㎜ダブルディスク・φ220㎜ディスク
タイヤサイズ前・後 120/70ZR17・200/55ZR17
RR-Rは、おそらくドゥカティのパニガーレV4あたりに近いプライスのモデル。だからか、そのルックスもこれまでになく勇ましい。取り回し時の軽さは驚くほどで、あのRC213V-Sの感触が頭をよぎる。

後方に向かって絞り込んでいくようなボディライン。ライダーが伏せたときの空気の流れも考慮されている。
今回実車に触れて、コイツは「勝利」を最優先したバイクだと感じた。あらゆる電制アシスト群を備えたSPのフォークトップには、電制サスの制御ラインのコネクターがこれ見よがしに配置されている。

リアタイヤ付近に発生する空気の乱流を低減するため、アンダーカウルの後端がタイヤに向かって延びたような形状となっている。
もちろん、これは整備性を考えてのことだろうが、高級スポーツのような「愛でる」造りではない。勝つぞ…というつぶやきが聞こえてきそうである。
新型RR-Rのスタイリングとディテールを全解剖!

ヘッドライトはLEDの4灯で、ハイビーム時に全点灯する。ウインカーは左右のミラーにビルトインされている。

アッパーカウル左右には大きめの張り出しが。この中には走行風整流用のウイングフラップが3枚ずつ収まっている。

LEDテールランプは最小限のサイズとされ、デザインより機能重視であることが見て取れる。ナンバーステーは着脱可能な形状。

ライダーが伏せた際のことを考慮して、タンク上面には大きなくぼみが設けられている。左右にはRC213V-Sを想わせるスリットが。

今回は左右のスイッチボックスを新作。各種モードの選択、設定用に、左側中央には十字レイアウトのボタンが配されている。

今回は左右のスイッチボックスを新作。各種モードの選択、設定用に、左側中央には十字レイアウトのボタンが配されている。
メーター表示デザインも多彩!

アナログモード。中央にはアナログデザインのタコメーターがレイアウトされる。

タコメーターをバーグラフ表示する、SSらしいデザインのモード。速度計も大きい。

タコメーターのバーグラフをストレートなデザインにしたモード。ギア表示部が大きい。

タコメーター表示を消し、速度とギア表示としたモード。市街地やツーリング時向け。

IMU情報により車体の傾きまで表示するハイテクモード。車両の動きを把握しやすい。

前端を絞り込んだ形状のシートは、機能優先ながら座り心地にも配慮したもの。タンデムシート前端はストッパーの役割も果たす。

テールカウルが小さいので収納スペースは気持ち程度。それでも、ETC車載器ぐらいは収められそうだ。
CBR1000RR-R FIREBLADE カラーバリエーション

CBR1000RR-R FIREBLADE(ブラック)

ブラックのカラーはボディラインをはっきり見せてくれる。ダクトウイングの特徴的な張り出し形状がよく分かる。

スタンダードのRR-Rには2色が用意される。SPとの共通色であるトリコロールと、この「マットパールモリオンブラック」だ。

新型RR-Rは全車スマートキーを採用。イグニッションボタンは左前方にあり、OFFの際はボタンの周囲にあるリングをひねる。
PHOTO:赤松 孝、鶴見 健 TEXT:宮崎敬一郎、本誌編集部