「149cc」と見て受ける印象は?
発売前の2月10日の段階で、Honda二輪車正規取扱店の受注状況はすでに約4000台。年間計画台数は3000台だったとのことで、早くも大ヒットを記録しています。
そんな「ADV150」。125cc未満の原付二種ではなく、排気量は149cc。高速道路を走れるわけです。
でも僕が真っ先に思ったのは「ちゃんと走れるの?」ということ。
実験あるのみ。
首都高から東名→新東名へとスイッチし、日本でも数カ所しかない制限速度120km/h区間へ。そんな一気乗りで感じたレポートをお届けします。
【アンケート】ADV150は高速道路をどのくらいのペースで走れると思いますか?
ご回答ありがとうございます。
答えは読んでいくうちに分かりますよー!
いきなり首都高、ちょっと震える……。
新橋の編集部を出て、わずか1kmほどでいきなり首都高。正直、緊張している。
200ccのバイクで高速道路を走った経験は何度かある。そのときは普通に走れた。けど、それよりも50ccも小さい。っていうか原付二種と25ccしか変わらない。ホントに乗っていいものなのか!
料金所でお金を払うとすんなり通してくれて、さっそく高速道路の旅が幕を開けた。
合流がのっけから上り坂、だけど夜明け前ということもあり、道はガラガラ。すんなりと本線に出られて、最初の関門はクリアした。
ブルブル震えながら首都高に入ったものの、いくつかの高速カーブを曲がるうちに、気づいた。
「ADV150、意外と普通に走れるっ!!」
前のクルマと適度な距離を置き、離されることもない。遅すぎるクルマが現れれば右車線へ移り、パスもできる。
当初の不安はすっかり解消されたころ、東名高速の東京インターが見えてきた。
ここからは、3車線になり、周りのクルマの速度も上がる。果たして、交通の流れにちゃんと乗れるのか?
東名高速 東京インターから足柄SAへ
結論、全然余裕だ。
発進から出したい速度まで、一定の加速力で、スムーズにスピードを上げていく。
スクーターならではのリニアな挙動は、言ってみれば「分かりやすい」。ギアチェンジもないから、開けたら開けた分進んでいく。
ニーグリップはできないものの、フットボード前方に足を置くことができ、踏ん張りがきく。また、シートにはライダー側とタンデマー側で段差があり、お尻(腰)のグリップもいい感じ。
これにより、「下半身はフレーム」というイメージを持つことができ、安定感が増した気がした。
まだ暗い東名高速は空いていて、三車線の場合は真ん中車線で軽快にゆく。驚くほど振動はなく、エンジン音も風で流れてしまいほとんど聞こえない。ADV150が辛いのか楽勝なのか、いまいち音や振動からは判断できない。
トップスピードが気になるところだが、東名高速ではADV150の真の力を出し切れない。新東名が待ち遠しい!
足柄SAで燃費を計測
首都高&東名高速での平均燃費は、約32~33km/L。
僕の体重は75kg。キャンプ道具を積載していたので、ウエアと合わせて約90kgといったところ。
この数値が、いいのか悪いのか。このあと別のシチュエーションで計測した数値もお見せします。
新東名高速の120km/h区間へ
御殿場から新東名にスイッチし、目指すは120km/h区間。日はのぼり、視界良好。気温は5度くらいで寒いものの、路面はドライ。絶好のコンディションだ。
新東名の制限速度120km試行区間は、新静岡IC~森掛川IC間。
しばらく走っているとついに現れた。「120」の電光掲示板が! 周りのクルマも加速し始める。いよいよだ、出るのか120km!?
105km/hまではスムーズに加速。フルスロットルにすると、90km/hくらいからもじわじわと速度を上げていく。
このまま120km/h行けるか!? 106……107……108……109……110達成! と、ここで、横風に煽られる。
横風が吹くと、頑張ってフルスロットルにしても、なかなか105km/h以上出ない。あと、怖い!
ADV150は250ccのビッグスクーターと比べれば、だいぶ小ぶりだが、やはり風を受ける面積は大きい。橋では気を抜いていると、左右に1mほどスライドした。
120km/hへの挑戦は、トンネルもしくは風のない平地に絞る。
そして、そのときがきた。
108……109……110………111………112………113…………114…………115……114……115……114……115…114…115…114…115…あれ!?
115km/hに到達すると急激に押さえつけられる。リミッターかっ!!
この速度を出していても、エンジンから伝わってくる振動はほとんどない。110kmを超えたあたりから、エンジンが無理をしているような感覚を察することができたものの、じわじわとながら速度は上がった。
しかし、115km/hで明らかにリミッターがきいて押さえつけられる。
スクリーンの高さを変えても、上体を起こしても伏せても、上り坂でも平地でもトンネルでも同じ現象が発生した。
つまりこのバイクは115km以上出させないよう造られているのだ。
1度だけ一瞬、116km/hの表示が見えましたが。
ただ、114km/hと115km/hを行ったり来たりしている間に怖さはなく、この速度域でも安定して走れることが分かった。バイクには悪い気がして、長くは続けたくないけど。
タイヤは前14インチ・後13インチと小径なものの、ホイールベースは1325mmとそこそこ長い。直進安定性は想像していたよりも高かった。