個々のパーツも知った上でのオーダーメイドカスタム
スズキGSX-R1000RのTG-RUN製カスタム。同店で展開するバージョンアップコンプリート=オーナーに合わせてセットアップも含めて上質にする車両の一例だ。その上質とは、どんなことなのか。
「そこは今乗っているバイクやお付き合いの中で使い方、つまりユーザーさんの意識を理解して出していきます。この人のために理想型を考えるとこうなるということを考えた上で取り付けや交換、セットアップをする。当店の場合、デフォルトパッケージとしては運動性能と操作性を高めて、ユーザーが安全に楽しく走れる性能が得られるように信頼してセットアップ出来るパーツ。例えばブレンボやサンスター、マルケジーニにオーリンズといったブランドを使います」
「ただ、その中でも一律で同じものを使うのでもない。必要性からです。フロントフォークも競技レベルのFGR200があったり、キャリパーもGPタイプもあるわけです。自分用にもコンプリートでGSX-R1000Rを作りましたが、その車両ではそんなパーツを試したいし、速度レンジやグリップフィール、必要性も知った上で内容をお客さんに提供したいから使いました。
言わば、オーダーメイド。アパレルだとLやMなどのサイズがあって、それがぴったりな人もいます。でも膝が緩いとか肩がきついなんて人が多いですよね。そこをきちんと合わせれば、すごく着やすくなる。そんな感じですよ。同じブランドで一見つまらなく感じるかもしれませんが、それぞれの体格や乗り方に合わせるという意味では、すべて違う。ノーマル車が決して悪いわけではないですし、よくここまで作っている。その上で、いいところを伸ばす。ホイールもどれだけまっすぐ回るか? どんな強度と重量バランスになっているか。どうせ使うならそんなところまで知って使ってほしい。バージョンアップコンプリートはその集大成ですね。
仲良しの青木宣篤選手とこの2年(2018/2019年)、鈴鹿8耐(MOTOMAP S.W.A.T.)で組めたのも大きいんですよ。さっきの自分のGSX-R1000、青木選手だと富士スピードウェイで300km/hでウイリーしたり、もう自由自在(笑)。マシンの完成度も大絶賛してもらいました。だから自分には車両がこのレベルで作れるという自信になってます」(TG-RUN/杉本さん)