125ccクラスでも貴重な本格スーパースポーツがGSX-R125。フルサイズのしっかりした車体に15PSの強力な組み合わせ、その走りは125ccスポーツの概念を塗り替えるもの。その実力をチェックしてみたぞ!

スズキ「GSX-R125 ABS」試乗インプレ&解説(太田安治)

パワーを引き出して走る爽快感、充実感は格別!

画像: SUZUKI GSX-R125 ABS 総排気量:124cc メーカー希望小売価格:39万3800円(税込) 2020年モデルの発売日:2020年2月27日

SUZUKI GSX-R125 ABS

総排気量:124cc
メーカー希望小売価格:39万3800円(税込)
2020年モデルの発売日:2020年2月27日

スクーターが中心だった125ccクラスでも、近年ではスポーツモデルの注目度が高まりはじめている。イージーで実用的というスクーターの利点は判っていても、本格的なオートバイのルックスやマニュアルミッションの操作に魅力を感じるライダーが再び増加に転じているのだろう。

そんな中スズキがラインアップする、クラスでも数少ない本格スーパースポーツがGSX-R125ABS。このクラスでは貴重な前後17インチホイール装着のフルサイズスポーツとして人気を博している。

兄弟車の「お下がり」ではなく、125ccモデルとして設計されている車体はコンパクトでスリム。足着き性が良くて押し歩きも軽いので、ビギナーや小柄なライダーでも不安なく扱える。

GSX-Rシリーズらしく、低めのセパレートハンドルを装備するが、グリップ位置が体に近いので上体の前傾度はさほど深くはないし、前寄りに座れば肩や腕への負担が減ってロングランも苦にならない。

画像1: スズキ「GSX-R125 ABS」試乗インプレ&解説(太田安治)

ストリートコミューター的な使い方も可能だが、乗りやすいだけの退屈なオートバイではない。水冷DOHC・4バルブ単気筒という凝ったメカニズムのエンジンは回転上昇が実に軽やかで、6速ミッションとの相性が抜群。

7000回転から盛り上がるパワーは12000回転までの広いレンジでスロットルワークに忠実に反応し、レッドゾーン近辺でも、単気筒エンジンに多い重ったるさはなし。臨機応変なギア選択と的確なスロットル/クラッチワークで15PSをフルに引き出す走りは、有り余るパワーをなだめながら使う大排気量車とは違った面白さ、爽快さがある。

画像2: スズキ「GSX-R125 ABS」試乗インプレ&解説(太田安治)

ハンドリングも軽快なだけではない。低くセットされたハンドルによってフロント荷重が増え、手応えが自然で、寝かし込んだ瞬間の旋回力と深いバンク角での接地感が高まり、タイヤのグリップ限界が掴みやすい。

攻め込んでいくとサスペンションの減衰力不足からピッチングモーションが大きく出て落ち着きが薄れるが、市街地での乗り心地を考えれば現実的なセッティングといえる。

画像3: スズキ「GSX-R125 ABS」試乗インプレ&解説(太田安治)

このオートバイは街乗りやショートツーリングに使われることが多いが、若いライダーならサーキットでライディングスキルを磨いて欲しいと思う。

前後サスペンションを硬めにセットしてグリップの高いタイヤを履かせれば、スポーツライディング入門用としては最高の一台に変身するからだ。

文:太田安治/写真:森 浩輔

スズキ「GSX-R125 ABS」主なスペックと価格

全長×全幅×全高2000×700×1070mm
ホイールベース1300mm
最低地上高160mm
シート高785mm
車両重量134kg
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブ単気筒
総排気量124cc
ボア×ストローク62.0×41.2mm
圧縮比11.0
最高出力11kW(15PS)/10000rpm
最大トルク11N・m(1.1kgf・m)/8000rpm
燃料タンク容量11L
変速機形式6速リターン
キャスター角25°30’
トレール量93.3mm
タイヤサイズ(前・後)90/80-17M/C 46S・130/70-17M/C 62S
ブレーキ形式(前・後)Φ290mmシングルディスク・Φ187mmシングルディスク
メーカー希望小売価格39万3800円(税込)

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