過去を称賛しながら最新の解釈を盛り込むXSRベースのオフロード仕様の3台
欧州から数々のカスタムアイデアを発信するヤマハモーターヨーロッパの取り組み。前回からはヤマハXSR700を素材としたカスタムバイクを紹介中。2回目となる今回は、同車をベースにオフロード仕様へと変貌させたマシン群を。
XSRと同じDOHC2気筒、688ccエンジン搭載車としては、テネレ700が頭に浮かぶが、ここに紹介する3台はさらに噛み砕き、過去をトリビュートしながらも、それぞれ最新の解釈がなされているのが共通の特徴だ。テネレが待ちきれない(?)、あるいは今あるXSRを大幅にイメージ変えしてもっと楽しみたい、そんなライダーに大いに参考になるだろう。
Ymoto The Beast XSR700
往年のラリーマシンをXSRで再現
ヤマハ・オーストリアとチェコのYmotoが共同で手がけた“ザ・ビースト(獣)”は2019年のヤードビルト車が集った「リユニオン2019」に登場したマシン。
1980年代初頭のパリ・ダカールラリーマシンとしてのXT600テネレを意識して製作したという。大きくアップしたマフラーやビッグタンクを模したタンクカバー、アップフェンダーにデザートタイヤ、ラリーマップ等も備えている。
YAMAHA X Tribute XSR700
本家が作るXT500オマージュモデル
これは2018年のEICMAに出展され、後に欧州YAMAHAが市販した本家カスタム的な1台。Xトリビュートという名の元は、1981年に販売されたビッグシングルオフローダー、XT500。
そのカラーリングをアレンジした上でアクラポヴィッチ製アップマフラーやオフロード用ハンドルバー、フロントフォークブーツ等を装備している。
YSur Les Chapeaux De Roues XSR700
スクランブラースタイルでイメージ一新
「Back To The Dirt」という2019年ヤードビルトのテーマに沿ってシュルシャポードゥルーズが手がけたのは、スクランブラースタイルのXSR700だ。
2気筒エンジンやフレームはそのままに、排気系は右出しアップとしアクラポヴィッチ製サイレンサーを組み合わせる。
前後ホイールはXT660Z用ハブで2.50-18/4.50-14サイズのワイヤスポークタイプに。日本の我々が見れば、TW200のような印象も合わせ持つ印象。
取材協力:ヤマハモーターヨーロッパ