『レジェンド バイクス KAWASAKI Z900RS』(Motor Magazine Mook)より、Z900RSのカスタムバイクを紹介します!
ヨシムラがカスタムしたカワサキ「Z900RS」
歴代のヨシムラEXが積み上げた歴史を結集
ヨシムラの創業者、ポップ吉村(吉村秀雄さん)。彼がZ登場の少し前に発案した「集合管」はバイク界、そして4気筒モデルへの革命とも言えた。
集合管とポップのチューニング技術でZの現役時代にはAMAスーパーバイクでのトップコンテンダーとなり、このZ900RSにはそのヨシムラAMA・Z1がまとった黒×赤のカラーリングが施されている。
ヨシムラジャパンのデモ車だからそれは当然だが、やはり注目したくなるのはマフラーだろう。1気筒に排気管は1本、4気筒なら4本という常識を覆して4本を1本に集合させた集合管。そのショート管スタイルを現代のZ900RSに持ち込んでいる。
ただ現代では音量も排出ガスも当時のままとはいかない。ことストリートで使うなら、諸規制に適合させる必要があるわけだ。それにはサイレンサー容量を確保したい。そこで考案されたのが“デュプレックスシューター”だ。
これは集合部の横にサブチャンバーを設けて容量を稼ぎ、かつそのサブチャンバーにも排気口を設けてこの問題を解決するというもの。
ちなみに「サイクロン」は排気順を生かして排出流速を上げパワーアップにつなげるとして80年に、また「デュプレックス」はサイクロンで下のパワーが不足するのを補うべく、エキパイを筒状チャンバーで連結(85年、吉村不二雄さんによる)という、ともにヨシムラが長い歴史の中で集合管に加えてきた改良の名称。
そんな歴史の積み重ねさえ思わせてくれる。