愛車スーパーカブ90とのバイクライフを綴る、若林浩志さんによる人気連載〈スーパー・カブカブ・ダイアリーズ〉。今回はボアアップを試みたお話です。その際合わせて必要となるのがナンバーと保険の各種登録変更。実体験のレポートをご覧ください!

原付二種には「甲」と「乙」がある。

スーパーカブ90といえばもちろん原付二種なわけで。で、原付二種って51~90ccと91cc~125ccで甲と乙にわかれてるんですよね。道路交通法的に制限速度や二人乗りの可否は変わんないんだけど、地方税であるところの軽自動車税が違うのね。違いはこんな感じ。

排気量種別標識色軽自動車税額
51~90cc原付二種・乙黄色2,000円
91~125cc原付二種・甲ピンク2,400円

で、若林のカブはいつもお世話になってるカブ専門店M&F Cubyさんの手によりノーマル90ccから105ccに。
いやー、ボアアップ良いよ。最高。なんつうの、「太い!」って感じ。頼もしいよ。

で、そうなると、これまでは乙イエローだったのを甲ピンクにしなければならないわけで。手続きは自分でも出来そうなのでささっとやっつけちゃうのだ。

スーパーカブ90をボアアップして105ccに。いうなればC105。

で、そのまえにボアアップのお話。カビィさんでやってもらったボアアップが、とても良い感じなのよ。装着したのは、ジュンインターナショナルの105ccボアアップキット。カブ90の場合は、他にもタケガワ製のボアアップキットもあるけど、どちらを選ぶかは好みかな。

そうそう、ボアアップキットを組む際に色々必要になるので注意ですよ。
あらかじめ用意するものってなんでしたっけ?

画像1: M&F Cuby代表 影山さん

M&F Cuby代表
影山さん

ボアアップの必須パーツは、性能をあげるパフォーマンス系と、エンジン保護パーツ、あと消耗品ですね。下記を参照してください。うキットに含まれているものもあるので、キット内容をよく見て検討してくださいね。

画像1: スーパーカブ90を105ccにボアアップした僕は、ナンバーをピンクにするのだ。〈若林浩志のスーパー・カブカブ・ダイアリーズ Vol.15〉

特にオイルシール(キックの付け根部分)は、オイル漏れの定番ポイントなので交換推奨です。
それと、タケガワさんのキットには同梱されてますが、ハイカムはカビィ的に必須です。
なんでかというと…。

なんでかというと?

画像2: スーパーカブ90を105ccにボアアップした僕は、ナンバーをピンクにするのだ。〈若林浩志のスーパー・カブカブ・ダイアリーズ Vol.15〉

一般的なボアアップキットは圧縮比がノーマルより上がる設定です。なのでハイオク必須なのですが(タケガワには、例外的にレギュラー仕様のキットもあります)、圧縮比が上がるとノーマルカムのプロフィールだと高回転が回らないんですよ、びっくりするくらい。
リミッター掛かってるみたいになります、これマジ。
高回転が回らない結果、ボアアップでスプロケットを高速寄りにしても最高速がかえって落ちるという事にも成りかねない。ノーマルカムの場合ね。でも、ハイカムを同時装着することで、10000rpmまで回すことができるようになる。そうなるとパワーが上がって、高速寄りのスプロケで最高速も伸びる、といった感じですべてがうまく回ります。なので総合的にみて、ハイカムへの交換は絶対に必須だと思います。
もちろんカムだけ後で交換というのも出来ますが、少なくともうちのお店で依頼をしてもらった場合は、絶対に同時交換です。工賃的にもお得になりますし。

うわー。そういえば知り合いで「ボアアップしたけど、それだけだと大して変わらないというかむしろ遅くなった」とか言ってる人いたな。なるほど、排気量あげてもそれを活かせないとだめなのね。

ボアアップキットの種類や、どんなエンジンに仕上げたいかで必要パーツのセレクトも変わりそうなので、ボアアップキット購入時にプロに相談すると良いよ。

ちなみにちゃんと必要なモノをそろえて、ボアアップキットの説明書の通りにやれば自分でやることも可能。さらに資料として、KITACOの虎の巻をそろえておくとなお安心。
amazonカテゴリーランキング1位の名著ですぞ(バイク-ボアアップカテゴリーにて。つかそんなカテゴリーあったのか)。

キャブはヨシムラYD-MJN! 超カッコ良いぞ。

で、ボアアップしたらキャブレター。これ必須。
ケイヒンのPC20が定番ですよね。とても良いものではあるんですが、自分のセレクトはヨシムラYD-MJN。口径違いでφ24とφ28の二種類あって、YD-MJN24をチョイス。マジ凄いよこれ。

まずヨシムラってのが良い。カッコ良いじゃん。で、性能も凄い。めっちゃ生まれかわる。あんまりパワーでるからアクセル開度が抑えられて、結果的にPC20より燃費良くなった。ただ、ちょいと高い。

個人的にはヨシムラにしびれましたが、PC20も普通に良いキャブなので、どっちを選ぶかは好みかな。でもさ、ボアアップにお金使うとキャブまでなかなか手が回らないジャン。なんかそのあたりカビィさんが開発してるらしいのよ。

画像3: スーパーカブ90を105ccにボアアップした僕は、ナンバーをピンクにするのだ。〈若林浩志のスーパー・カブカブ・ダイアリーズ Vol.15〉

PC20のカブ用セットがジュンインターナショナルさんから出ていて、もちろんオススメなんですが、さらなるエントリー向けとして、Cubyでもリーズナブルなビッグキャブレターのフルキットを開発中です。
タケガワさんのTC20を使い、必要なものすべてまとめたボルトオンキット。純正エアクリーナーに対応することで、季節や気温の影響されにくく、一年を通してノーセッティングで走れるモノにする予定です。値段もかなり抑えれるよう頑張ってます。

おっと、それはボアアップと合わせて装着できるエントリー向けキャブレターとしては最適解になりそうですね。
いつ出るんですか!?

画像2: M&F Cuby代表 影山さん

M&F Cuby代表
影山さん

あ、いやまだ開発中ですからね、予定ですよ!?
とりあえずもう少し待ってください、いやもうしばらく。

というわけで楽しみに待ちつつ、現状のエントリービッグキャブとしては、ジュンインターナショナルのPC20フルセットがオススメ。スタイルもカブによく似合うよね。

さて、最高にカッコ良いヨシムラYD-MJN。差し色の赤とヨシムラロゴが痺れるよね。でも実は、キャブ本体だけなら、そこまで高くはないんですよ。2万円を越えるくらい。

が、そのままではカブに装着できないので、色々必要。で、自分で必要なパーツ調べて揃えたり、取り回しのためにステー作ったりは大変なので、カビィさんから装着キットが出てる。もちろん専用の装着キットだからレッグシールド内にキレイに収まるぞ。
ただ、コロナ禍により欠品中。もう少し待ってね、とのこと。

YD-MJNを楽しむためには、装着キットだけでなくもうちょいと必要なのよ。いかにも干渉しそうな長めのファンネルがついてるので、普段使いするならパワーフィルターにしたい。なのでパワーフィルターアダプターとスーパーパワーフィルターも用意しておきたい。

あと、ラージアジャストスクリューはツーリング行くなら絶対つけた方が良い。これがないと高地行った時のアイドリング調整がしんどい。作りは素晴らしいし、カッコ良い。でもネジ2本で約5,000円。高いけど仕方ない。

てな感じで最終的にはやっぱりPC20よりちょいと高くなっちゃうのよね。でも性能すごいゾ。

This article is a sponsored article by
''.