通の人が使うにも標準的な1200cc仕様
ブルドックが手がける、Z系コンプリートカスタムのGT-M(Geniune Tuning Machine)。その近作となるカワサキZ1000Jだ。エンジンはそのJをベースにピスタルレーシング製鍛造ピストン+超々ターカロイスリーブでの1200cc化を行い、ミッションはノーマル5速をオーバーホール。キャブレターはTMRで排気系はウィンマッコイ・チタンという、安定の仕様。
車体側も前後17インチ最適ディメンションやマッコイ目の字断面スイングアーム/同オフセット可変ステムにラヴォランテ・アルミ鍛造ホイールと、GT-Mではおなじみの構成を取っている。
「他と違う点と言えば、今回は外装。丸型ヘッドライトでしょう。角タンクでローソンの四角でなく丸型ライトを付けているんですが、Mk.Ⅱで丸ライトを付けるために作ったビキニカウルを初めて装着した感じですね。カラーリングもオーナーさんのオーダーです」とブルドック・和久井さんは言う。これも各部パーツ同様にオーダーのひとつ、というわけだが、冒頭の“おなじみの構成”があってこその個性化の部分とも言えそうだ。
「エンジン仕様としても今のGT-Mの1200cc(φ76mmピストン)は普通の人が普通に使える排気量になってます。もちろんφ77mmの1230ccやφ78mmの1260ccと、まだ上の排気量もあって選びことができますし、そこは余裕の域です。TMRキャブも以前はφ38mmボアしかなかったんですが、φ36mmが出たことで使いやすくなった。そうした、安定したデータが取れたものが次々定番になって、アップデートするんです」(同)。
確かにおなじみとは言ったものの、1200ccにしても数年前ならまだ大きい、難しいと思われていたはずだ。それが特性含めて普通に使えるのだから、それは進歩でもある。
余談ながらミッションについてはZ系5/6速クロスも十分な支持を得ている。今まで加工で使ってきたシフトドラムも新作(両端ベアリング支持などの工夫も)されたから、今後にも期待大。ブルドック+GT-Mは今後もZや空冷モデルの新しい定番を作ってくれそうなのだ。
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