YZF-R25の進化に合わせて、それをベースとするスポーツネイキッド、MT-25も大きく進化した。倒立フォークやフルデジタルメーターの採用もさておき、インパクトのある精悍なフロントマスクを採用し、強烈な存在感を放つモデルに仕立てられている。

ヤマハ「MT-25」試乗インプレ&解説(太田安治)

倒立フォークの「効果」はスポーツランで発揮される

画像: YAMAHA MT-25 総排気量:249cc 最高出力:35PS/12000rpm|最大トルク:2.3kgf・m/10000rpm 2020年モデルの発売日:2020年3月28日 メーカー希望小売価格:税込62万1500円

YAMAHA MT-25

総排気量:249cc
最高出力:35PS/12000rpm|最大トルク:2.3kgf・m/10000rpm
2020年モデルの発売日:2020年3月28日
メーカー希望小売価格:税込62万1500円

MTー25に試乗して、まず目に付くのが獰猛な印象のフロントフェイス。ヘッドライトをLED化したことでデザインの自由度が高まり、従来とはまったく違った顔つきになった。タンクカバーの幅も約5cm広げてマスフォワードデザインを強調。ミドルクラス並みの存在感を得ている。

だが、僕が注目したのは倒立フロントフォークの新採用。倒立フォークは剛性向上に効果的だが、ストリートユース前提のMTにマッチするのかが気になるところだ。

画像1: ヤマハ「MT-25」試乗インプレ&解説(太田安治)

試乗すると、街乗りでは倒立フォークの優位性はほとんど感じられない。バネ下重量が減っているので路面追従性は上がっているが、高剛性と引き換えに乗り心地は少し硬く、低速域での軽快感も薄れたように感じる。ただ、ハンドル位置が44mm高くなって上体の前傾度が減り、ギャップ通過時に手首や腕が突き上げられることはない。

ペースを上げていくと、倒立フォークのメリットがようやく出てくる。フルブレーキングからフルバンク、という走りでもフロントがバタつかず、ジワッと沈んでストロークの奥でグッと踏ん張り、ブレーキを残したまま寝かし込んでもフロンフォークの捩れは出ない。タイヤの接地感も明確に伝わり、安心してスポーツライディングを楽しめるのだ。

つまり、新型MTの操縦性は低速域での軽快感と優しい乗り心地を削って、中高速域でのダイレクト感と安定性に振り分けつつ、ハンドル高を上げて街乗りやツーリング適性も確保したもの。乗り込むほどに納得する設定なのだ。

画像2: ヤマハ「MT-25」試乗インプレ&解説(太田安治)

ちなみに、同時にモデルチェンジされたMT‐25とMT‐03に基本的なハンドリング性能の違いはない。街乗りメインや体重の軽いライダーは、リアサスペンションのイニシャルを1〜2段弱めれば快適性は向上するだろう。ともに幅広いステージに対応する車体に仕上げられている。

ヤマハ「MT-25」の主なスペックと価格

全長×全幅×全高2090×755×1070mm
ホイールベース1380mm
最低地上高160mm
シート高780mm
車両重量169kg
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
総排気量249cc
ボア×ストローク60.0×44.1mm
圧縮比11.6
最高出力26kW(35PS)/12000rpm
最大トルク23N・m(2.3kgf・m)/10000rpm
燃料タンク容量14L
変速機形式6速リターン
キャスター角25゜
トレール量95mm
タイヤサイズ(前・後)110/70-17M/C(54S)・140/70-17M/C(66S)
ブレーキ形式(前・後)シングルディスク・シングルディスク
メーカー希望小売価格税込62万1500円

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