ライダー:福田充徳/写真:富樫秀明/まとめ:オートバイ編集部 中村浩史
チュートリアル 福田充徳 さん
ご存知バイク芸人こと福田充徳さん。自粛期間も明け、徐々に近距離ツーリングも再開。目下の楽しみは、仕事が始まらない午前中に30分くらい自宅まわりを流すこと(笑)。なかなか遠くまでツーリング行けないもんねぇ。
YZF-R25は、サーキットをいちばん気持ちよく走れた!
乗れてる気分になる上手くなった気がするYZF-R25
2019年のマイナーチェンジで倒立フォークを採用。いま250ccのカウル付きモデルでのベストセラーといえばYZF-R25だ。コンセプトは「毎日乗れるスーパーバイク」で、ストリートからスポーツランまで、幅広い守備範囲が評価されているモデルだ。
「R25は満足に乗ったことがないような気がしますね。街乗りはテレビの収録とかで少ししたかな。あんまり印象がないです」と福田充徳さん。
まずはスタイリングをじっくりチェック。MotoGPマシンの中ではホンダRC213Vがいちばんスキだけれど、ライダーとなればマーベリック・ビニャーレス好きの福田さん。YZF-R25のYZR-M1レプリカっぽい顔つきなんかも好印象だという。
「フルカウルスポーツは、やっぱりレーシングマシンに似てる方がいいですよ。その意味でR25はM1っぽい。たしかモンスターエナジーカラーもありましたよね。スポーツバイクがGPマシンのレプリカカラーだなんて、やっぱりワクワクするじゃないですか」
そのYZF-R25でコースインすると……まるで帰って来ない(笑)。実はこの車両、今回の試乗では4台中3番目に乗ったんだけれど、いちばん周回したのも、このYZF-R25だった。
「コースインしてすぐにペースが上げられますね。いろんな項目で、すごくバランスがいい! パワーとハンドリングのバランスもいいし、パワーでは高回転と低回転のバランスが、ハンドリングではコーナリングとストレートの安定性のバランスがいい。すごいですね、ヤマハハンドリングってこういうことなんかな。ロッシはこんなバイク乗ってんのやろうか(笑)」
福田さんがまず絶賛したのがハンドリングだった。直進安定性がピタッと決まっていて、コーナリングエントリーがいい、と。直進からバンクするきっかけが作りやすい、とも。
「ストレートがドンと速いわけじゃないんですよ。それでも、コーナリングに入るきっかけでタイムロスがない。倒立フォークも、ブレーキングに強いですね。パワーの感じとしてはニンジャに似てるんだけど、低回転から高回転へのつながりに盛り上がりがあって、そこがキモチいい!」
エンジンはパワフルというよりも、扱いやすい印象の方が強かったようだ。突出した回転域がないかわりに、どの回転域でも使いやすい。ちょっとしたミスも、すぐにリカバーできるエンジンのパワー特性なのだという。
「ブレーキングしすぎとか、シフトミスとかあるじゃないですか。その時の失速も少ないです。パワフルだっていうより、扱いやすい。開けたら速いし、エンジンブレーキの効きもスムーズでした。ハンドリングも含め、なんか自分が上手くなった感じがしますね」
自分が上手くなった気がするのは、楽しく走れている証拠。サーキットだからって無理しない、コントロールできるようになったら楽しい、って250ccのサーキットランのお手本だ。
「ひとつひとつのアクションが決まりやすいんですね。これ個人差もあるかもしれませんけど、僕はR25がいちばん気持ちよく乗れましたね。わー、走りが決まらへん、ブレーキングが一定せぇへん、ていうのがなかった。これ、大事なことやと思います。ラップタイム測っていちばん速いか、って言われると違うかもしれませんけどね」
ヤマハ「YZF-R25 ABS」各部装備・ディテール解説
国産4メーカーのカウル付き250ccスポーツモデルとしては最後発だが「毎日乗れるスーパーバイク」として2014年にデビュー。兄弟モデルとして320㏄のYZF-R3、ノンカウルモデルのMT-25もラインアップされており、2019年に倒立フォークを採用するなどしてマイナーチェンジ。2020年2月にはカラーチェンジされている。
ヤマハ「YZF-R25 」「YZF-R25 ABS」主なスペックと価格
全長×全幅×全高 | 2090×730×1140mm |
ホイールベース | 1380mm |
最低地上高 | 160mm |
シート高 | 780mm |
車両重量 | 167kg(ABSは170kg) |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒 |
総排気量 | 249cc |
ボア×ストローク | 60.0×44.1mm |
圧縮比 | 11.6 |
最高出力 | 26kW(35PS)/12000rpm |
最大トルク | 23N・m(2.3kgf・m)/10000rpm |
燃料タンク容量 | 14L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 25゜ |
トレール量 | 95mm |
タイヤサイズ(前・後) | 110/70-17M/C(54S)・140/70-17M/C(66S) |
ブレーキ形式(前・後) | シングルディスク・シングルディスク |
メーカー希望小売価格 | 消費税10%込 61万500円(ABSは税込65万4500円) |
取材協力:桶川スポーツランド
今回の取材でお邪魔したのは、関東ロードレース聖地のひとつ、桶川スポーツランド。国際ライダーのレース準備の練習から、レンタルバイク&レンタル装備でのサーキット体験走行も可能なサーキットで、走行時傷害保険に加入すれば、コースライセンス不要、会員制度もない、間口の広いサーキット。
走行料金は女性・小学生が半日2200円から、成人が半日3700円が目安。スポーツ走行に参加するのに不安な人向けの「入門走行枠」もあり。走行スケジュール、走行料金など詳細は公式サイトをチェック!
ライダー:福田充徳/写真:富樫秀明/まとめ:オートバイ編集部 中村浩史