「レブル250って売れてるんですねぇ」
わたし中村ヒロフミはこう返した。
――おれ、CB250Rも方が好きだけどねぇ。
「は? なんか関係あるんすか?」
(※以下「」部はコーハイてっぺー、――部はパイセン中村のパートです)
文:中村浩史/写真:森 浩輔
250ccで八ヶ岳キャンプツーリング
西野てっぺー33歳。オートバイ編集部に2018年に加入した、編集部イチの若手である。
中村ヒロフミ、53歳。オートバイ誌で仕事を始めて20年、編集部でもほぼ最年長で、この仕事を始めてもう30年(!)。てっぺーが幼稚園児の頃からこの仕事をしていることになる。まぢすか!
日頃、編集部にロクにいないセンパイと、きちんと出社しているコーハイの、何気ないたまの会話。今回は、ちょうどオートバイ10月号別冊付録「RIDE」のページを見ていてのヒトコマがきっかけだった。
「レブル250、売れてるんですねぇ」とてっぺー。
RIDE10月号はレブルがイチ推し。巻頭のインプレッションを書いたパイセンがこう返す。
――おれ、CB250Rの方が好きだけどね。
「ん? なんか関係あるんすか?」
――あれ2台、同系エンジンだからね。
「あ、そっか。CBR250Rから始まったエンジンですよね」
――そだね、CRF250LとかCB250Fとかもそうだった。
「同系エンジンであんなに性格が違うバイクができるんですねぇ」
――どのメーカーもそういうモデルいっぱいあるしね。
「それじゃ、レブル250とCB250Rでパイセンツーリングしましょうか」
――お、んじゃ行き先任せるよ。
「どっか行きたいとこあります?」
――んー、締め切り明けだから、近場でいいからキャンプでもすっか!
そんなやりとりの後、コーハイが「いいキャンプ場見つけました( ≧∀≦)ノ」とLINEを送ってきた。場所はよりによっての八ヶ岳(笑)。まじ、そんな遠くまで250ccで行くの? ってのがパイセンの正直なところだったんだけれど、20も歳が違うと、そもそもの250ccに対する考え方が違うみたい。
――ニーゴーで長野まで行くってか!
「なんで? 大丈夫じゃないすか」
――おれニーゴーでそんな遠くまで行ったことないぞ。
「え?パイセンの時代ってそーだったんですか?」
――うん、もちろんモンキーで日本一周するようなツワモノは昔から一定数いたけど、おれの時代はロングツーリングはデカいバイク買ってから、ニーゴーは街乗りと峠、ってイメージがあったもん。
「ふーん、でも今は250ccでどこまでだって行っちゃうから。たまには今どきの気持ちになってくださいよ(笑)」
――でも、オレ近場でいいって言わなかった?
「いや、そんぐらい乗らないと分かんないですよ」
かくして今回のパイセンツーリングは、ベストセラーのレブル250と、兄弟モデルと言っていいCB250R。250は街乗りとかワインディング、っていうパイセンの古い先入観をぶち壊すべく、荷物積んで八ヶ岳までキャンプに行くのだ。だ、大丈夫かなぁ。
――荷物、載るんか? レブルのリアシート幅なんか18cmくらいしかないぞ?
「パイセンお気に入りのヘンリービギンズ使いましょう。さすがにレブルは荷掛フックが少ないのでタナックスのナンバープレートホルダー使いますけど。今どきはこういうシート幅が狭いバイクが多いから、シートバッグさえつければキャンプ荷物、載りますよ」
――そーか、そういうのもニーゴーであちこち行く要因になってんだなぁ。
「え?パイセンの頃は?」
――そらぁコロナのタンクバッグに、リアシートにカバンくくりつけるんだよ。シートバッグなんてツーリングギア、存在してなかったから。むかしJTCって用品メーカーがあってな、そこに防水ダッフルバッグ売ってて、それが大人気だったことはあったけどね。
「いま、ツーリングに専用バッグ装着するの、当たり前ですからね」
250ccへの積載はコチラを見てもらうとして、とにかくニーゴー八ヶ岳キャンプツーリングは始まったのだ。
行きに乗ったのはCB250R。これ、CBR250R(80年代生まれの4気筒じゃなくてMC41って呼ばれる単気筒モデルの方)、CRF250Lにも使用されていたエンジンを搭載したネイキッドスポーツ。パイセン、これがお気に入りなのだ。
まず、エンジンがいい。あれ、CBRとCRFのエンジンってこんなに元気だったっけ?と思わせる歯切れのいいパンチ力があるパワー特性で、パイセンが「250ccロードスポーツ歴代ベスト1お気に入り」に上げているモデルだ。
「いいすね、元気があって軽い、よく走るバイクですね」
――だろ? オレなんかの世代だと、CB250RS思い出すよ、コレは。
「ムカシのバイクすね」
――お、おう。1980年生まれのヒラヒラ単気筒ロードスポーツだよ。思えばあれもXL250Sベースのエンジンだった。それに似てるんだ。初めて乗った時、気に入ってなぁ!
「でも愛車に選んだのはCB125Rじゃないすか!」
――そうそう、そこもつながりがあってね。CB125Rに試乗したとき、車体がすんごい気に入ってさ。エンジン搭載位置とか重心位置、前後配分とか、いわゆるディメンジョンな。それが気にいって、もうクルクル曲がるバイクでね。そのあと乗った250Rもすごく近くて、パンチあるエンジン、クルクル曲がる車体だよね。でもオレ、125ccのバイクが欲しかったからね、それでCB125Rにしたんだよ。125Rはオレが初めて乗ったバイクにすんごい雰囲気が似ててね。CB50JXっていうんだけど」
「それも昔のバイクすね」
――お、おう。50は76年モデルだ……。
一般道、中央道、それに高速を降りたワインディングを走る。100km/hはトップ6速6000rpm強。これくらいの回転域でもエンジンはウワーーーーンってうなるでもなく、まだまだ余裕で回ってる。ちなみに下道をのんびり走っていても、6速3000rpmで50km/hくらいだ。守備範囲の広いパワー特性だなー。
「乗りやすいこと、この上ないですね」
――うん、いつでもどこでも誰にでも乗れる、250ccのお手本みたいなバイクだと思うよ。コレは初心者の女子にもリターンのオジさんにも自信もって勧められる。