そこで、この記事では原付を処分する様々な方法をお伝えする。原付を運ぶ運搬手段がなくても、原付の状態がボロボロでも、無料で処分できる可能性は残されている。
この記事を参考に、原付の処分方法についてしっかりと事前知識を身につけよう。
文・小泉嘉史 / 伊藤フミヒト
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原付を処分する主な方法4つ
まずは、原付を処分する際の主な方法から整理してみよう。基本的には以下の中から処分方法を選ぶことになる。
方法 | かかる費用 | 廃車手続き |
---|---|---|
買取に出す(売却する) | 無料 | 任せられる |
指定引取り場所への持ち込み | 無料 | 自分で行う |
廃車二輪取扱店への依頼 | 2,000〜1万円程度 | 自分で行う |
不用品回収業者への依頼 | 1万〜2万円程度 | 自分で行う |
1.買取に出す(売却する)・・・無料
基本的にはどのような場合も最優先で考えたい方法だ。その理由はもちろん処分にお金がかからないからだ。また、廃車手続き(125cc以下の原付の場合は市区町村役場での手続き)を自分で行う必要がなく、これらを買取店に任せられるメリットもある。
このように、買取に出すのは最もメリットの大きい処分方法になるのだが、ボロボロだったり、さらにはエンジンがかからない不動車だったり、または帰りの足の手配が難しいことから買取に出すのを躊躇(ためら)う方もいるだろう。しかし、このような場合も安心してほしい。
まず、ボロボロの状態や不動車でも、買取または無料で引き取ってもらえることが少なくない。それは、バイクとしての価値というよりはパーツに価値が残っているためだ。また、無料出張査定に対応している買取店は探せばいくらでもあるので、運搬手段がなかったり、帰りの足の心配をする必要もない。
もともと捨てるつもりだったので、たとえ値段がつかなくても無料で引き取ってもらえるだけでも嬉しいという方は多いのではないだろうか。またたとえボロボロでも使えるパーツが残っているようであれば取り出して再利用したほうが、SDGsの観点からも環境にやさしい選択肢となる。
査定は無料で実施してるショップがほとんどなので、お金を払って処分するのは買取店の査定をまずチャレンジしてからでいいだろう。意外と買い取ってもらえるケースが多いので、まずは買取に出すことから考えるとお得に処分できる。
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2.指定引取り場所への持ち込み・・・無料
続いては「指定引取り場所への持ち込み」という方法だ。
自動車リサイクル促進センターは資源の有効活用を図る団体で、指定引取り場所を設けており、そこに持ち込めば無料でバイク本体を処分してくれる(正確にはリサイクルしてくれる)。
ただし、指定引取り場所への運搬は自分で行う必要があることや、指定車両以外は取り扱ってもらえないので十分注意が必要だ。また、持ち込む前に自分で陸運支局で廃車手続き(ナンバープレートを返却する手続き)を行う必要がある。
全国各地に指定引取り場所はあるのでお近くの指定引き取り場所はどこか、またご自身の原付が指定車両になっているか以下リンクから調べてから行動しよう。もし対象となっている原付のようであれば、事前に引取り場所へ電話アポなどを取っておくといいだろう。
3.廃車二輪取扱店への依頼・・・数千〜1万円程度
指定引取り場所へ自分で運搬するのが難しい場合は、廃車二輪取扱店へ依頼すると代わりに指定引取場所まで収集・運搬してくれる。
廃車二輪取扱店は全国に約8000ほどあるので、比較的どこでも見つけやすい印象だ。
こちらの方法は費用がかかること、また依頼の前に自分で陸運支局で廃車手続き%%{red}(ナンバープレートを返却する手続き)を行う必要があることは留意しておこう。
以下が取扱店の名簿になるので、検索でお近くの取り扱い店を見つけよう。
4.不用品回収業者への依頼・・・1万〜2万円程度
不用品回収業者へ依頼するという方法もある。こちらは「●トントラックに積み放題で数万円」という価格設定になっているのが多い印象で、引越しや遺品整理など、身の回りの整理で原付の他にも色々と処分するものがある場合に利用するのが合理的だろう。
注意点は、様々な不用品回収業者がいることだ。不用品回収業者を利用したことによるトラブルも報告されているのでお店選びは十分慎重に行おう。
また、回収後にどのように処分されているかは不透明だ。廃車手続きを行なわずに回収されてしまうと、税金関係のトラブルが生じる恐れもあるので、依頼前は確実に廃車処分手続きを行っておこう。
原付を処分する際の流れ
続いては、原付処分の全体像についてお伝えしよう。何も難しいことはないので、どんどん手続きを進めていってほしい。
1.まずは買取査定
買取に出そうと思っていた場合は、いきなり買取査定を申し込んでいい。そこで買取契約が成立すればそれで処分活動は終了だ。廃車手続きも買取店に任せられる場合が多いので、役場に行く前に買取店に査定依頼を申し込もう。
2.市区町村役場での廃車手続き
もし買取を断られたり、買取以外の選択肢を考えている場合は、先に市区町村役場で原付の廃車手続きを行っておく必要がある。市区町村役場で手続きを終え、「廃車申告受付書」を受け取っておかないと回収を断られる場合もあるので、必ず事前に手続きを済ませておこう。
3.回収業者への持ち込み、または収集依頼
「廃車申告受付書」の用意ができたら、回収業者にアポイントを取り、処分をしてもらおう。そんなに難しいことはなく、必要書類さえ揃っていれば問題なく引き取ってもらえる。
必要書類は各回収店から説明を受けておくようにしよう。
原付を処分する際の注意点
ここからは、原付を処分する際の注意点についてお伝えする。処分活動を始める前に、前に以下を頭に入れておこう。
- ボロボロでも買取に出せる場合は多い
- 買取以外の場合は事前に必ず廃車手続きを行なっておく
1.ボロボロでも買取に出せる場合も多い
原付の処分方法の中で「買取」が最もお得な方法であることはお分かりいただいたかと思うが、「どうせボロボロの原付では、査定依頼するだけムダなのでは」と思っている人は多いだろう。
しかし、繰り返しになるがボロボロの状態でも買取されることは少なくない。エンジンがかかる状態であれば尚更だ。
また、ここからは少し裏話になるが、ホンダ、スズキ、ヤマハ、カワサキといった国内主要メーカーの原付バイクは海外(特に東南アジアを中心とした新興国)では高い人気を誇っており、輸出される原付のほとんどは程度は特に重要視されていない。
外装がボロボロでシートの中身が飛び出しているような状態でも、向こうの安い人件費と物価によって、かなり安く修理される。大げさにいうと、エンジンとタイヤとフレームが残っていれば売れてしまう現状だ。さらに、エンジンがかからなくても、キックさえ回れば海外に輸出するために買い取るという業社さえいるほどだ。
このような事情があるからこそ、ボロボロの原付でも買取に出してみる価値があるというわけだ。
お金を払っての処分を考えるのは、買取を断られてからでもいいだろう。査定は無料で行ってもらえることがほとんどなので、買取を初めから選択肢に入れていなかった人も、まずは一度相談してみるといいだろう。
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2.買取以外の場合は事前に必ず廃車手続きを行なっておく
次は絶対に忘れられない廃車手続きの重要性だ。原付の処分が初めての場合は理解していなかったかもしれないが、原付の処分というものは物理的な処分だけで終わらず「登録の抹消」が必ず必要になる。
これを行わないと税金関係のトラブル、もっと悪いと「処分したはずのバイクが勝手に使われていた」など不測のトラブルに巻き込まれる恐れがあるので、絶対に忘れないで行ってほしい。
買取に出す場合は廃車手続きは買取店が代行してくれることがほとんどだが、それ以外の選択肢の場合は自分で廃車手続きを行う必要がある。
125cc以下の原付の場合は、ナンバープレートを管轄する市区町村役場で手続きを行えるので、確実に廃車手続きを行ってから処分業者に依頼しよう。
3.処分が遅れ年度を跨ぐと税金が発生する
原付やバイクはクルマと違い、年度途中で廃車にしても還付金がない。つまり、処分が遅れて年度を跨ぐと1年分の税金が発生してしまうということだ。
使わない原付のために税金が発生することは好ましいとは言えないので、年度末が迫っている場合は処分はスピーディーに進めるよう十分注意しよう。
原付を処分する際に少しでも買い取ってもらえる可能性を上げるには?
やはり、原付をタダで捨てるよりも「買取されるなら買い取ってもらいたい」と考えている方は多いのではないだろうか。そんな方のために、少しでも買い取ってもらえる可能性を高める事前準備についてお伝えしようと思う。
具体的には査定の前に以下を実践してみることをお勧めする。
1.エンジンがかかる状態にしておく
原付バイクが買い取られる重要指標の一つに「エンジンがかかるかどうか」がある。
毎日使用していれば、エンジンの始動性は問題ないだろう。しかし、たまにしか使用せず、エンジンをかけようと思ったら、バッテリーが上がりという些細な原因でエンジンがかからなくなっている場合も多い。
この場合、バッテリー上がりでセルモーター(エンジンを始動させるモーター)が作動しなくても%%キックを使いエンジンが始動できれば問題がない。一方、キックでもエンジンがかからない場合で、簡単に修理できる場合からエンジンに大きなダメージがある場合迄多岐に渡り、状態把握が難しいことから原付バイク買取店は買取を拒否することが多くあるのが現状だ。
もしバッテリー上がりの場合は、安いものでいいのでバッテリーを交換しておくといいだろう。
セルモーターが回らないからと諦めないようにすることが大事だ。まずは原因を把握し、簡単に直せるようなら必ずエンジンがかかる状態にしておこう。
2.海外販路を持つ買取店を探す
先ほどお伝えしたように、国産主要メーカーの原付は新興国で高い人気を誇っている。この場合、現地で安く修理することが前提となっているので、原付の状態は問われないことが多い。
国内で再販する目的で仕入れる業社とは大きく買取基準が異なるので、海外販路を持つ買取店を見つけられるとかなり買取してもらえる可能性が高まるだろう。買取は無理でも無料で引き取ってもらえることもある。
例えば、株式会社バントレーディングが運営するバイク処分.comはネット集客にも力を入れている印象だ。
もし近くに海外販路を持つ買取店があれば、一度相談してみるといいだろう。
まとめ
原付バイクは、長く置いておいても、価格が上昇することはまずありえない。売りたいと思ったときが一番高く売れる時と考えたほうが良いだろう。
また、原付バイクは、多くのお店を回って査定しても、買取価格に差がでないため、2社程度に絞り、時間を有効に使い売ってしまったほうが利口だ。そして、高く売るために重要なことはエンジンがかかることだ。エンジンがかかるとかからないとでは、数万円の差が出ることを頭に入れておいて欲しい。
文・小泉嘉史 / 伊藤フミヒト