ヤマハ「YZF-R1」「YZF-R1M」誕生の歴史
一切の妥協を廃したヤマハのフラッグシップ
1998年当時、スポーツツアラーが主だったリッターモデルにピュアなスポーツコンセプトを持ち込んだのがYZF-R1。一貫してヤマハ最高のテクノロジーが注ぎ込まれており、2009年にはMotoGPマシンYZR-M1と同じクロスプレーンクランクシャフトを採用。
さらに2015年には、国産メーカーでは初めてIMUを活用した電子制御システムを搭載。「妥協を廃する」というかけ声の下、マグネシウムホイールやアルミタンクまで装備し、基本性能も徹底的に磨き上げられた。
2020年型は、これをベースにシリンダーヘッドやロッカーアームを改良。欧州では排出ガス規制「ユーロ5」に対応させつつ、最高出力200PSを維持。電子制御は、新たにエンジンブレーキとブレーキの制御システムの追加でセッティング範囲を拡大した。上級モデルのR1Mに採用のオーリンズ製電子制御フロントフォークはガスシリンダーを搭載し、減衰力の安定化に貢献している。
ヤマハ「YZF-R1」のルーツ
1980年代からのFZ/FZR系と全く異なる前後長を詰めた超コンパクトなエンジンやロングスイングアームなどを採り入れて、現代のスーパースポーツに通じる基礎を築いたのが1998年に登場した初代YZF-R1。
2002年型でFI化、2004年型でマフラーをテールアップに、2007年型でエンジンが5バルブから4バルブに変更された。2009年型からYZR-M1と同様の不等間隔爆発を採用しており、MotoGPレプリカとしての再現度も高い。
まとめ:オートバイ編集部/写真:南 孝幸