ベースモデルが最新スーパースポーツ「S1000RR」に。公道でのライディングに合わせて最適化
BMWのS1000Rといえば、水冷直4エンジンを搭載するスーパースポーツ・S1000RRをベースに、ダイナミックなデザインのスタイルを組み合わせて2014年にデビューした、強烈なパフォーマンスが特徴のスーパーネイキッド。去る11月19日、そんなS1000Rをフルモデルチェンジした新型をBMWがネット上で公開した。
この新型S1000Rのベースとなったのは、昨年デビュー以来初のフルモデルチェンジを受けて、エンジンも車体も一新。電子制御など最新のハイテクも取り入れて大幅にポテンシャルを高め、スーパーバイクレースでも活躍して注目を集めているS1000RRの最新モデルだ。
全体的なフォルムをはじめ、そのスタイリングやポジション設定は、もちろんベースモデルのS1000RRが下敷きになっている。しかし、フルカウルを取り去り専用デザインのフロントマスクとシュラウドを組み合わせた。
その結果、低く構えたフロントマスクと跳ね上げられたテールが印象的な、アグレッシブな雰囲気満点のダイナミックなネイキッドスタイルに変身。最新モードのデザインがベースなだけに先端的なイメージも強調されている。
S1000RRのセパレートハンドルから、アップライトなバーハンドルに変更されたのもスーパーネイキッドらしい部分。ポジションの自由度を高めつつ快適性も確保した上で、ハンドルバーの位置を2段階に調整可能で、好みや体格に合わせることも可能としている。
当然、搭載されるエンジンも基本的にはS1000RRベースの最新スペックだが、完全に同一ではない。サーキットを目指すS1000RRの最高出力207hpから、公道でのライディングに最適化を図り165hpとしてパワー特性もスムーズにされたが、それでも十分に力強く強烈。
さらにミッションのギア比も4〜6速をロング化。扱いやすさを増しながら騒音も低減し、燃費も向上。アンチホッピングクラッチやエンジン抗力トルク制御(MSR)も装備している。
電子制御デバイスもS1000RR譲りの最新仕様。3モードを選べるライディングモード(レイン/ロード/ダイナミック)は、細かなセッティングが可能なダイナミック・プロモードまで備えている。
さらにスーパーバイク世界選手権で鍛えられたダイナミック・トラクション・コントロール、バンク角最適化機能まで備えるABS Proも標準装備するなど、完成度の高いデバイスによる多彩な機能で、街乗りからスポーツ走行までのライディングをサポート。
印象的なフロントマスクを形作るLEDヘッドライトをはじめ、ウインカーやテールランプにもLEDを採用。6.5インチのカラーTFT液晶パネルを使用した多機能メーターユニットもS1000RRと同じもので、ハンドルに設けられたコントローラーから操作可能。Bluetoothによるスマートフォンとの接続インターフェースも標準で備えて利便性も高めている。
新型S1000Rにはスタンダードモデルのほか、シルバーがベースの落ち着いた雰囲気のカラーであるスタイルスポーツ、軽量化を図った上にモータースポーツイメージを高めたカラーリングも目立つMパッケージという、2つのバリエーションが用意されている。
まとめ:小松信夫
BMW S1000R 主なスペック
【全長×全幅×全高】2090×812×830㎜
【ホイールベース】1450㎜
【最低地上高】NA
【シート高】830㎜
【車両重量】199㎏
【エンジン形式】水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
【総排気量】999㏄
【ボア×ストローク】80×49.7㎜
【圧縮比】12.5:1
【最高出力】165hp/11000rpm
【最大トルク】11.6kgm/9250rpm
【燃料供給方式】FI
【燃料タンク容量】16.5L
【ステアリングヘッド角/トレール量】66度/NAmm
【変速機形式】6速リターン
【ブレーキ形式 前・後】φ320㎜ダブルディスク・φ220㎜ディスク
【タイヤサイズ 前・後】120/70ZR17・190/55ZR17