ホンダ新型「NC750X」車両解説

ホンダ 新型 NC750X
総排気量:745cc
エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブ並列2気筒
シート高:800mm
車両重量:214kg(DCT仕様車は224kg)
写真・スペックは欧州仕様車
根強く支持されてきた基本コンセプトは継承
NC750Xのルーツは、2012年にデビューしたNC700X。トルクフルな並列ツインエンジンと低重心な車体を組み合わせ、DCTミッション、斬新なデザイン、タンク部に設けた収納スペースなどでスポーティさと実用性を兼ね備えた新時代のベーシックスポーツ・NCシリーズ、そのアドベンチャー版としてデビュー時から注目を集める。
2014年には排気量を拡大したNC750Xとなり、それ以後もマイナーチェンジで熟成を重ねながら、幅広い層のライダーから根強く支持される定番モデルになっていった。
そして先ごろ発表された2021年モデルのNC750Xでは、これまでも高く評価されてきたクロスオーバーコンセプトを受け継ぎながら、エンジンや車体、スタイリング、装備類を大幅にアップデート。高い完成度であらゆるライダーの要求に応えられる、新生NC750Xへと生まれ変わった。

6kgもの軽量化とパワーアップでパフォーマンスも大きく向上!
この新しいNC750X、変更点は多岐にわたる。従来型の力強く扱いやすいパワー特性と、優れた燃費を実現したエンジンは、バルブタイミング変更と吸排気効率の改善で、約3kwパワーアップ。ギア比も見直され、レスポンスも向上しよりスポーティーに。車体ではフレームの改良などで軽量化を進め、車重を6kgダウン。
装備面ではスロットルバイワイヤを新たに採用。レイン、スタンダード、スポーツの3モードを選べ、好みに応じて設定できるユーザーモードも備えるライディングモードも装備。DCTも制御を見直され、HSTC(ホンダ・セレクタブル・トルク・コントロール)も進歩したものに変更。マニュアルミッション仕様ではスリッパークラッチも備えている。
スタイリングは先鋭的にリファイン。メーターは新しい液晶メーターになり、タンク部の収納スペースも容量を拡大。実用性、快適性、動力性能やハンドリングにまで磨きがかけられて魅力的に進化した。
ホンダ新型「NC750X」各部装備・ディテール解説

デビュー時からの特徴であるクロスオーバーデザイン。アウトラインはそのままに、LEDヘッドライトを活かしたシャープなイメージにされた。

パワーアップのための改良の他、単体重量も1.2㎏軽量化。ミッションの1〜3速のギア比をショート化してスポーティなフィーリングも実現。

ヘルメットも収納できるタンク部の収納スペース。従来の容量22Lから23Lへ拡大、フルフェイスヘルメットが余裕で収納できる。

ゆったりしたサイズで快適な座り心地のシート。シート高はサスペンションの見直しによって、従来モデルから30㎜ダウンした800㎜に。

容量14.1Lの燃料タンク本体はシートの下に設けられて低重心化を追求。給油口はタンデムシートを外すと現れる。

メーターには新しくデザインされた、多機能で視認性にも優れるコンパクトな液晶ディスプレイが採用されている。

テールランプも光源にはLEDを採用。テールカウル後端など、ボディラインは全体にシャープな印象になった。

ハンドルスイッチボックス左側はDCT変速スイッチやドライブモードの切り替えスイッチが備わる。

右側にはスターター/キルスイッチなどを装備。

アドベンチャーツアラー的な用途も想定して、欧州では純正オプションとしてパニアケースやトップケースも発表されている。
ホンダ「NC750X」(2021年モデル・欧州仕様車)の主なスペック
全長×全幅×全高 | 2210×846×1330mm |
ホイールベース | 1535mm |
最低地上高 | 145mm |
シート高 | 800mm |
車両重量 | 214kg(DCTは224kg) |
エンジン形式 | 水冷4ストSOHC4バルブ並列2気筒 |
総排気量 | 745cc |
ボア×ストローク | 77×80mm |
圧縮比 | 10.7 |
最高出力 | 43.1kW/6750rpm |
最大トルク | 69N・m/4750rpm |
燃料タンク容量 | 14.1L |
変速機形式 | 6速リターン(6速DCT) |
キャスター角 | 27゜ |
トレール量 | 110mm |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70-ZR17M/C (58W)・160/60-ZR17M/C (69W) |
ブレーキ形式(前・後) | 320mmシングルディスク・240mmシングルディスク |
まとめ:オートバイ編集部