クラッチ操作不要のDCTを採用した新感覚ATアドベンチャー「X-ADV」が新型に生まれ変わった。シャープで精悍に生まれ変わったスタイリングも魅力的だが、新型はエンジンや電子制御デバイスもブラッシュアップ、パフォーマンスに磨きをかけている。先行して発表された欧州仕様車で各部をチェック!

ホンダ新型「X-ADV」車両解説

画像: ホンダ 新型 X-ADV 総排気量:745cc エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブ並列2気筒 シート高:820mm 車両重量:236kg 写真・スペックは欧州仕様車

ホンダ 新型 X-ADV

総排気量:745cc
エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブ並列2気筒
シート高:820mm
車両重量:236kg

写真・スペックは欧州仕様車

好評だった従来モデルのコンセプトを一層熟成

オフロードモデル的なディテールも盛り込んだスクーター風スタイリングが特徴であるX-ADVは、メカニズム的にはNC750シリーズがベース。クラッチレスで変速操作可能、オートマチックモードも選択できるDCTミッションや、トルクフルで扱いやすく、好燃費な750cc水冷並列ツインエンジンを活かし、イージードライブで快適に長距離ツーリングを楽しめる、個性的なオートマチック・アドベンチャーに仕立てたモデルだ。

2016年にヨーロッパで発表された後、日本国内で発売されたのは2017年春のこと。利便性の高さや快適性に加えて、他にライバルがいない独自の立ち位置もあって注目を集めることに。2018年にはトルクコントロール(トラクションコントロール)搭載のマイナーチェンジを施されたが、2021年モデルで再びモデルチェンジ。基本コンセプトや定評のあるメカニズムとパッケージングはそのままに、電子制御などが最新仕様にアップデートされた。

フレームも軽量化してパワーも4PSアップ

新型X-ADVの改良ポイントをみてみよう。まずはエンジン。排気量745㏄の水冷並列ツインは、バルブタイミングの変更と吸排気系の改良、そしてスロットルバイワイヤの採用などで、最高出力を約4PSアップ。同時に最新の排ガス規制・ユーロ5にも適合を果たした。

電子制御システムではライディングモードが搭載された。出力やエンジンブレーキ、トルクコントロール、ABS介入度が異なる「スタンダード」「スポーツ」「レイン」「グラベル」モードを設定。これらを細かく設定できる「ユーザー」モードも用意される。

車体で目立つのやはりスタイリング。従来モデルのイメージのまま、新デザインのLEDヘッドライトや新しいボディパネルによりシェイプアップされ軽快な雰囲気に。足回りは従来モデルのままだが、フレームは約1kg軽量化された。こうして新型X-ADVは独特の存在感はそのままに、より便利で快適に熟成されたと言えそうだ。

画像: ポジション設定も自由度の高いもので、大柄なボディをオフロードでも扱いやすくしている。スタンディングでのライディングも問題なし。

ポジション設定も自由度の高いもので、大柄なボディをオフロードでも扱いやすくしている。スタンディングでのライディングも問題なし。

ホンダ新型「X-ADV」各部装備・ディテール解説

画像: 新デザインのLEDデュアルヘッドライトが目立つ未来的なフロントマスク。防風効果抜群の大きなウインドスクリーンも新しくなった。

新デザインのLEDデュアルヘッドライトが目立つ未来的なフロントマスク。防風効果抜群の大きなウインドスクリーンも新しくなった。

画像: 真後ろから見ると、外装のデザイン変更でシャープになったテール周りが目立つ。テールランプにもLEDが採用されている。

真後ろから見ると、外装のデザイン変更でシャープになったテール周りが目立つ。テールランプにもLEDが採用されている。

画像: フラットで幅広いハンドルバーを装着するなど、オフロード走行にも対応できるポジション設定にされている。

フラットで幅広いハンドルバーを装着するなど、オフロード走行にも対応できるポジション設定にされている。

画像: メーターユニットは5インチサイズのTFT液晶パネルを使用した多機能タイプ。スマートフォンとBluetoothで接続、連携させる機能も備える。

メーターユニットは5インチサイズのTFT液晶パネルを使用した多機能タイプ。スマートフォンとBluetoothで接続、連携させる機能も備える。

画像: ハンドルを握るライダーの手を保護するハンドガードを装備。

ハンドルを握るライダーの手を保護するハンドガードを装備。

画像: 泥のついたオフロードブーツでも滑りにくい形状の可倒式ステップなど、オフロード車そのものの造り。

泥のついたオフロードブーツでも滑りにくい形状の可倒式ステップなど、オフロード車そのものの造り。

画像: フロントのスポークホイールは17インチ径。インナーチューブ径φ41㎜の倒立フロントフォークは、ストロークの長いオフロード向けの設定。

フロントのスポークホイールは17インチ径。インナーチューブ径φ41㎜の倒立フロントフォークは、ストロークの長いオフロード向けの設定。

画像: スイングアームはアルミ製、15インチ径のリアホイールは従来モデルと同様。トルクコントロールは設定が改良されより効果的に。

スイングアームはアルミ製、15インチ径のリアホイールは従来モデルと同様。トルクコントロールは設定が改良されより効果的に。

画像: 前側に開くシートの下には、フルフェイスヘルメットが収まる収納スペースが用意されているのはスクーターらしさを感じさせる部分。

前側に開くシートの下には、フルフェイスヘルメットが収まる収納スペースが用意されているのはスクーターらしさを感じさせる部分。

画像: ユーロ5対応と同時にパワーアップも果たしたエンジン。DCTミッションは設定が見直された結果、よりスムーズな動作となっている。

ユーロ5対応と同時にパワーアップも果たしたエンジン。DCTミッションは設定が見直された結果、よりスムーズな動作となっている。

ホンダ「X-ADV」(2021年モデル・欧州仕様車)の主なスペック

全長×全幅×全高2215×940×1370mm
ホイールベース1590mm
最低地上高165mm
シート高820mm
車両重量236kg
エンジン形式水冷4ストSOHC4バルブ並列2気筒
総排気量745cc
ボア×ストローク77×80mm
圧縮比10.7
最高出力43.1kW/6750rpm
最大トルク69N・m/4750rpm
燃料タンク容量13.2L
変速機形式6速 DCT
キャスター角27゜
トレール量104mm
タイヤサイズ(前・後)120/70-R17M/C・160/60-R15M/C
ブレーキ形式(前・後)296mmダブルディスク・240mmシングルディスク

まとめ:オートバイ編集部

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