ホンダ新型「X-ADV」車両解説
好評だった従来モデルのコンセプトを一層熟成
オフロードモデル的なディテールも盛り込んだスクーター風スタイリングが特徴であるX-ADVは、メカニズム的にはNC750シリーズがベース。クラッチレスで変速操作可能、オートマチックモードも選択できるDCTミッションや、トルクフルで扱いやすく、好燃費な750cc水冷並列ツインエンジンを活かし、イージードライブで快適に長距離ツーリングを楽しめる、個性的なオートマチック・アドベンチャーに仕立てたモデルだ。
2016年にヨーロッパで発表された後、日本国内で発売されたのは2017年春のこと。利便性の高さや快適性に加えて、他にライバルがいない独自の立ち位置もあって注目を集めることに。2018年にはトルクコントロール(トラクションコントロール)搭載のマイナーチェンジを施されたが、2021年モデルで再びモデルチェンジ。基本コンセプトや定評のあるメカニズムとパッケージングはそのままに、電子制御などが最新仕様にアップデートされた。
フレームも軽量化してパワーも4PSアップ
新型X-ADVの改良ポイントをみてみよう。まずはエンジン。排気量745㏄の水冷並列ツインは、バルブタイミングの変更と吸排気系の改良、そしてスロットルバイワイヤの採用などで、最高出力を約4PSアップ。同時に最新の排ガス規制・ユーロ5にも適合を果たした。
電子制御システムではライディングモードが搭載された。出力やエンジンブレーキ、トルクコントロール、ABS介入度が異なる「スタンダード」「スポーツ」「レイン」「グラベル」モードを設定。これらを細かく設定できる「ユーザー」モードも用意される。
車体で目立つのやはりスタイリング。従来モデルのイメージのまま、新デザインのLEDヘッドライトや新しいボディパネルによりシェイプアップされ軽快な雰囲気に。足回りは従来モデルのままだが、フレームは約1kg軽量化された。こうして新型X-ADVは独特の存在感はそのままに、より便利で快適に熟成されたと言えそうだ。
ホンダ新型「X-ADV」各部装備・ディテール解説
ホンダ「X-ADV」(2021年モデル・欧州仕様車)の主なスペック
全長×全幅×全高 | 2215×940×1370mm |
ホイールベース | 1590mm |
最低地上高 | 165mm |
シート高 | 820mm |
車両重量 | 236kg |
エンジン形式 | 水冷4ストSOHC4バルブ並列2気筒 |
総排気量 | 745cc |
ボア×ストローク | 77×80mm |
圧縮比 | 10.7 |
最高出力 | 43.1kW/6750rpm |
最大トルク | 69N・m/4750rpm |
燃料タンク容量 | 13.2L |
変速機形式 | 6速 DCT |
キャスター角 | 27゜ |
トレール量 | 104mm |
タイヤサイズ(前・後) | 120/70-R17M/C・160/60-R15M/C |
ブレーキ形式(前・後) | 296mmダブルディスク・240mmシングルディスク |
まとめ:オートバイ編集部