ホンダ「CRF250L」車両解説
希少な250フルサイズが初のフルモデルチェンジ
名車XR250の後継モデルである、250cc・フルサイズデュアルパーパスとして2012年にデビューしたCRF250L。それまでホンダがこだわってきた空冷エンジンから、PGM‐FI搭載の新世代水冷DOHC単気筒エンジンとなったモデルだ。車体はツインチューブ構造のスチールフレームにアルミスイングアームいう構成。そのトータルバランスの高さから幅広く人気を集め、ローダウン仕様のタイプLD、モタード仕様のCRF250Mといったバリエーションモデルも用意された。
そんなCRF250Lもデビューから8年が経過。ついに2021年モデルでフルモデルチェンジを受けた。今回は大幅な軽量化など徹底的な改良を受け、ポテンシャルも扱いやすさも向上している。
力強い出力特性と軽量化でトータルバランスを高める
新型CRF250Lはモデルチェンジにあたり、好評だったオンロードでの扱いやすさはそのままに、オフロードでの走破性を高めることで、トータルバランスを高めることを目標とした。そのメインの役割を果たしたのが、出力特性向上と徹底した軽量化。
力強さのためにエンジン本体を改良。インテーク側のカムの変更とバルブタイミング見直し、吸排気系のリファインによって、力強さに加えライダーの操作に対してリニアな出力特性にチューニング。ミッションのギア比見直しなどで使い勝手も向上させた。
軽量化は大はフレームから小はスプロケボルトまで、あらゆる部品におよび、約6kgの軽量化を実現。フレームは新設計となり、オフロード性能の向上のためにエンジン搭載位置も20mmアップ。エンジン側の形状変更と合わせ最低地上高は30mm高くなった。その他にもリアのみキャンセル可能なABS、ポジションの見直しなど改良点は多岐にわたっている。
ホンダ「CRF250L」はスタンダードモデルと〈s〉をラインアップ
スタンダードモデルのCRF250Lから前後サスペンションのストロークを伸長させたのが〈s〉。スタンダードのシート高は前モデルのタイプLDと同様の830mmとなり、新型の〈s〉ではシートの厚みがスタンダードよりも厚く設定され、880mmのシート高となっている。
ホンダ「CRF250L」スタイリング解説
写真はいずれもCRF250L〈s〉
ホンダ「CRF250L」各部装備・ディテール解説
ホンダ「CRF250L」主なスペックと価格
※ 《 》内は〈s〉タイプ
全長×全幅×全高 | 2210×820×1160《2230×820×1200》mm |
ホイールベース | 1440《1455》mm |
最低地上高 | 245《285》mm |
シート高 | 830《880》mm |
車両重量 | 140kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブ単気筒 |
総排気量 | 249cc |
ボア×ストローク | 76.0×55.0mm |
圧縮比 | 10.7 |
最高出力 | 18kW(24PS)/9000rpm |
最大トルク | 23N・m(2.3kgf・m)/6500rpm |
燃料タンク容量 | 7.8L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 27゜30' |
トレール量 | 109mm |
タイヤサイズ(前・後) | 80/100-21M/C 51P・120/80-18M/C 62P |
ブレーキ形式(前・後) | シングルディスク・シングルディスク |
メーカー希望小売価格 | 59万9500円(消費税10%込) |
まとめ:オートバイ編集部/写真:柴田直行