いまや貴重な250㏄クラスのフルサイズオフローダーとなったCRF250Lが初のフルモデルチェンジ。2020年12月17日に発売された。新型は軽量化、パワーの見直し、サスストロークの確保、地上高アップという、オフロードの走破性に重要な要素を全てアップデートした「本気仕様」だ!

ホンダ「CRF250L」車両解説

画像: Honda CRF250L 総排気量:249cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ単気筒 シート高:830mm/〈s〉は880mm 車両重量:140kg 発売日:2020年12月17日 メーカー希望小売価格:59万9500円(消費税10%込) ※写真はCRF250L〈s〉

Honda CRF250L

総排気量:249cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ単気筒
シート高:830mm/〈s〉は880mm
車両重量:140kg

発売日:2020年12月17日
メーカー希望小売価格:59万9500円(消費税10%込)

※写真はCRF250L〈s〉

希少な250フルサイズが初のフルモデルチェンジ

名車XR250の後継モデルである、250cc・フルサイズデュアルパーパスとして2012年にデビューしたCRF250L。それまでホンダがこだわってきた空冷エンジンから、PGM‐FI搭載の新世代水冷DOHC単気筒エンジンとなったモデルだ。車体はツインチューブ構造のスチールフレームにアルミスイングアームいう構成。そのトータルバランスの高さから幅広く人気を集め、ローダウン仕様のタイプLD、モタード仕様のCRF250Mといったバリエーションモデルも用意された。

そんなCRF250Lもデビューから8年が経過。ついに2021年モデルでフルモデルチェンジを受けた。今回は大幅な軽量化など徹底的な改良を受け、ポテンシャルも扱いやすさも向上している。

力強い出力特性と軽量化でトータルバランスを高める

新型CRF250Lはモデルチェンジにあたり、好評だったオンロードでの扱いやすさはそのままに、オフロードでの走破性を高めることで、トータルバランスを高めることを目標とした。そのメインの役割を果たしたのが、出力特性向上と徹底した軽量化。

力強さのためにエンジン本体を改良。インテーク側のカムの変更とバルブタイミング見直し、吸排気系のリファインによって、力強さに加えライダーの操作に対してリニアな出力特性にチューニング。ミッションのギア比見直しなどで使い勝手も向上させた。

軽量化は大はフレームから小はスプロケボルトまで、あらゆる部品におよび、約6kgの軽量化を実現。フレームは新設計となり、オフロード性能の向上のためにエンジン搭載位置も20mmアップ。エンジン側の形状変更と合わせ最低地上高は30mm高くなった。その他にもリアのみキャンセル可能なABS、ポジションの見直しなど改良点は多岐にわたっている。

ホンダ「CRF250L」はスタンダードモデルと〈s〉をラインアップ

スタンダードモデルのCRF250Lから前後サスペンションのストロークを伸長させたのが〈s〉。スタンダードのシート高は前モデルのタイプLDと同様の830mmとなり、新型の〈s〉ではシートの厚みがスタンダードよりも厚く設定され、880mmのシート高となっている。

ホンダ「CRF250L」スタイリング解説

写真はいずれもCRF250L〈s〉

画像: エンジン搭載位置を20mm上方とし、クランクケース下部の形状も変更。従来型より30mm地上高を上げたが、サイドカバー形状を工夫して足つき性は同等レベルを確保。

エンジン搭載位置を20mm上方とし、クランクケース下部の形状も変更。従来型より30mm地上高を上げたが、サイドカバー形状を工夫して足つき性は同等レベルを確保。

画像: スタイリングは最新のモトクロッサー・CRF450RWイメージの、レーシーさ満点なデザインに一新。大きくその印象を変えた。

スタイリングは最新のモトクロッサー・CRF450RWイメージの、レーシーさ満点なデザインに一新。大きくその印象を変えた。

LEDヘッドライトの採用で、フロントまわりのイメージが一変、兄貴分のCRF450L似となった。

テールランプやサイレンサー、リアフェンダーあたりの造形に前モデルの面影が残る。

ホンダ「CRF250L」各部装備・ディテール解説

画像: 中低速での力強さを追求し、カムやバルブタイミングを変更、ミッションのレシオも見直された。アシストスリッパークラッチも装備。

中低速での力強さを追求し、カムやバルブタイミングを変更、ミッションのレシオも見直された。アシストスリッパークラッチも装備。

画像: 低中回転での力強さとパルス感のあるサウンド、そして軽量化を実現するために新設計されたマフラーが装着されている。

低中回転での力強さとパルス感のあるサウンド、そして軽量化を実現するために新設計されたマフラーが装着されている。

画像: オフロードでの性能向上を狙いしなやかで強い最適な剛性を備えつつ、軽量化も追求した新設計のスチール製フレームが採用された。

オフロードでの性能向上を狙いしなやかで強い最適な剛性を備えつつ、軽量化も追求した新設計のスチール製フレームが採用された。

画像: インナーチューブ径Φ43mmの倒立フォーク、スタンダードモデルのストロークは260mm。ボトムブリッジは軽量なアルミ鍛造製だ。

インナーチューブ径Φ43mmの倒立フォーク、スタンダードモデルのストロークは260mm。ボトムブリッジは軽量なアルミ鍛造製だ。

画像: スイングアームは軽量なアルミキャスト製、リアホイールのみアルミリムを採用。ABSは後輪のみキャンセル可能となっている。

スイングアームは軽量なアルミキャスト製、リアホイールのみアルミリムを採用。ABSは後輪のみキャンセル可能となっている。

画像: 軽量小型のLEDヘッドライトは均一な配光で夜間のライディングも安心。ここでも軽量化が行われていて、従来モデル比で110g軽くなった。

軽量小型のLEDヘッドライトは均一な配光で夜間のライディングも安心。ここでも軽量化が行われていて、従来モデル比で110g軽くなった。

画像: ハンドルバーは絞り角を増やすことで乗車時に自然な肘の位置として、軽快で素直な操作を可能としている。

ハンドルバーは絞り角を増やすことで乗車時に自然な肘の位置として、軽快で素直な操作を可能としている。

画像: ギアポジションインジケーター、燃費計を新たに採用し利便性を高めた液晶メーター。文字サイズも大型化して見やすさもアップ。

ギアポジションインジケーター、燃費計を新たに採用し利便性を高めた液晶メーター。文字サイズも大型化して見やすさもアップ。

画像: シートは座面の幅とシート前方のスリム化により、最低地上高を高めながら従来モデルと同等の優れた足着き性を実現する。

シートは座面の幅とシート前方のスリム化により、最低地上高を高めながら従来モデルと同等の優れた足着き性を実現する。

ホンダ「CRF250L」主なスペックと価格

※ 《 》内は〈s〉タイプ

全長×全幅×全高2210×820×1160《2230×820×1200》mm
ホイールベース1440《1455》mm
最低地上高245《285》mm
シート高830《880》mm
車両重量140kg
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブ単気筒
総排気量249cc
ボア×ストローク76.0×55.0mm
圧縮比10.7
最高出力18kW(24PS)/9000rpm
最大トルク23N・m(2.3kgf・m)/6500rpm
燃料タンク容量7.8L
変速機形式6速リターン
キャスター角27゜30'
トレール量109mm
タイヤサイズ(前・後)80/100-21M/C 51P・120/80-18M/C 62P
ブレーキ形式(前・後)シングルディスク・シングルディスク
メーカー希望小売価格59万9500円(消費税10%込)

まとめ:オートバイ編集部/写真:柴田直行

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